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ペット遺体の安置方法|自宅の置き場所と火葬までの手順

安置・保冷の方法
2026年07月29日
静かな和室で眠る犬|ペットのご遺体を安置する部屋の雰囲気

公開日:2026年7月29日

ペットのご遺体の安置は、「直射日光の当たらない涼しい場所に寝かせる」「お腹を中心に冷やす」「体の下に水を通さないものを敷く」の3つを押さえれば形になります。亡くなってから1〜3時間で死後硬直が始まるので、手足を折りたたんで姿勢を整えるのは早いほどきれいに整います。まずはご遺体を寝かせる場所を決め、保冷剤かドライアイスでお腹を冷やしてください。

何もせず常温で置いた場合、夏は半日〜1日、冬でも1〜2日で傷みが進みます。火葬まで数日あくなら、冷やす準備は当日中に必要です。この記事では、安置に向く部屋の選び方、順番どおりに進められる手順、保冷方法ごとに何日もつのかを、迷わず動ける形で並べます。

和室の窓辺で丸くなって眠る猫|火葬までご自宅で安置する時間

ペットの安置とは、火葬までご遺体の状態を保つこと

安置とは、火葬や埋葬までの間、ご遺体をできるだけ元の姿のまま保つための置き方です。難しく考える必要はなく、やることは次の3つに整理できます。

1. 冷やす…傷みを進める最大の要因は温度です。特に内臓のあるお腹から始まります
2. 寝かせる…手足を折りたたんだ姿勢で、硬く平らな面に置きます
3. 水気を分ける…体液が出ることを前提に、ご遺体と床の間に水を通さないものを敷きます

この3つのうち、あとから取り返しがつかないのは姿勢です。死後硬直が始まると手足が固まり、丸めることができなくなります。冷やす道具は買い足せますが、姿勢だけは時間が戻せません。順番に迷ったら、まず姿勢を整えてください。硬直の進み方や解けるまでの時間は猫・犬の死後硬直はいつから?生き返る?解けるまでの時間と安置で詳しく扱っています。

亡くなってから1〜3時間以内にすること

ペットのご遺体は死後1〜3時間ほどで硬直が始まります。あごや首、まぶたといった小さな筋肉から硬くなり、ハムスターや小鳥などの小動物は数十分〜1時間とさらに早く進みます。体温は1時間に約1℃ずつ下がります。この時間内に、次の4つを済ませてください。

姿勢を整える…手足を体に寄せ、眠っているように丸めます。目や口が開いていれば、まぶたをそっと押さえて閉じます
体液を拭く…口・鼻・肛門から液が出ることがあります。ティッシュやガーゼでそっと拭き、必要なら軽く詰めます
体を拭く…ぬるま湯で湿らせたタオルかペット用ボディシートで全身を拭き、毛並みを整えます
水気を残さない…濡らして拭いたら、乾いた布で押さえて水分を取ります

濡れたまま置くと、そこから傷みが早まります。きれいにしてあげたい気持ちで丁寧に洗うほど、乾かし残しが出やすくなります。全身をびしょ濡れにするより、汚れた部分を重点的に拭き、あとは乾いた布で押さえるほうが、結果としてきれいな状態が長く続きます。

すでに硬直が始まって手足が伸びたまま固まっていたら、無理に曲げないでください。関節や皮膚を傷めます。硬直は死後1〜3日かけて自然に解けるので、解けてから整えるか、そのままの姿勢で見送ります。伸びた姿勢のままでも火葬はできます。その分だけ大きめの箱を用意すれば問題ありません。

安置場所はどこがいい?家の中で選ぶ4つの基準

カーテンを閉めた北向きの和室|ペットの安置場所に向く部屋

ご遺体を置く場所は、次の4つで選びます。すべてを満たす部屋がなくても、上から順に優先すれば十分です。

1. 室温が上がらない…安置に適した室温は0〜5℃です。一般家庭のエアコンは16〜18℃前後までしか下がらないため、保冷剤やドライアイスの併用が前提になります
2. 直射日光が入らない…窓際は、外気温が低い冬でも日中に室温が数℃上がります
3. 人の出入りが少ない…ドアを開けるたびに暖かい空気が流れ込みます
4. 床が硬く平ら…柔らかい面に置くと体が沈み、姿勢が崩れます

ご家庭でよく候補になる場所を、向き不向きで並べました。

場所 評価 理由と注意点
北側の部屋・使っていない部屋 日が入らず室温が上がりにくい。エアコンがあればなお良い
玄関・土間・北側の廊下 ◎(冬)
△(夏)
冬は家の中でいちばん涼しいことが多い。夏は熱がこもるので不可
エアコンのあるリビング 温度は下げられるが人の出入りが多い。外出中も運転を続けられるかが分かれ目
浴室・脱衣所 床は硬く掃除しやすいが湿気がこもる。入浴で室温が上がる
窓際・ベランダ × 直射日光で温度が上がる。屋外は虫やカラスの被害がある
車の中 × エンジンを切ると密閉された鉄の箱になる。冬でも日中は温度が上がる
床暖房・ホットカーペットの上 × 切っていても余熱が残る。うっかり点けてしまう事故が起きやすい

畳やカーペット、フローリングに直接置くのも避けてください。体液がしみると畳やフローリングには跡が残り、賃貸だと退去時の原状回復の対象になることがあります。下にビニールシートかレジャーシート、なければゴミ袋を広げて敷き、その上に箱を置きます。ひと手間ですが、あとから悔やまずに済みます。

安置の手順|6ステップ

段ボール箱にペットシーツとタオルを敷いた安置の準備

場所が決まったら、順番どおりに進めます。所要時間は30分ほどです。

手順 やること つまずきやすい点
1 床にビニールシートを広げる 箱より大きめに。結露も受け止める
2 箱の底にペットシーツを敷き、その上にタオルを重ねる シーツは吸水面を上に。順番を逆にすると意味がない
3 姿勢を整えたご遺体を横向きに寝かせる 硬直後なら伸びたままでよい。無理に曲げない
4 保冷剤かドライアイスを、まずお腹に当てる タオルや新聞紙で包んでから。直接当てると変色する
5 次に首・頭、余裕があれば背中を冷やす お顔の周りは薄めに。当てすぎると表情が硬くなる
6 薄い布を上からかけ、部屋を暗く涼しく保つ 厚い毛布は熱がこもる。フタは密閉しない

冷やす順番に迷ったら、お腹 → 首・頭 → 背中と覚えてください。内臓のあるお腹がいちばん早く傷むため、限られた保冷剤はまずお腹に回します。体格ごとに必要な個数や交換の頻度はペットが亡くなったら保冷剤は何個?包み方・交換頻度・安置期間にまとめています。犬・猫それぞれの詳しい当て方は犬が亡くなったら保冷剤は何個?体格別の量・置く場所・交換頻度猫の遺体は保冷剤で何日もつ?量と置き方・ドライアイスの使い方をご覧ください。

【比較表】保冷方法別・安置できる日数の目安

タオルで包んだハードタイプの保冷剤|ペットの安置で使う冷やし方

どの方法でどれくらい保つのかを一覧にしました。ここが火葬日を決める判断材料になります。

方法 夏(室温25℃前後) 冬(室温15℃以下) 手間
何もしない(常温) 半日〜1日 1〜2日
保冷剤(+冷房) 1〜2日 2〜3日 夏は3〜4時間おき、冬は6時間おきに交換
ドライアイス(毎日補充) 4〜7日 7〜10日 1日1回の買い足しと交換。換気が必須
業者の冷蔵保管(0〜2℃) 5〜10日 5〜10日 預けるので手間はないが、そばにいられない
安置装置のレンタル 最長20日 最長20日 交換作業なし。自宅に置いたまま

数字を見て意外に思われるのが、保冷剤だけでは夏に1〜2日しか保たないという点です。土日をはさんで火葬が数日先になる場合、保冷剤だけでは足りません。火葬の日程が決まっていないうちは、いちばん短い数字で計画してください。体格や室温で前後しますし、想定より短かったときに取り返しがつきません。

季節や体格ごとに何日もつのかは、ペットの遺体保管は何日?猫・犬・小動物別の日数と延ばす方法で細かく整理しています。

体格で変わること

安置の考え方は共通ですが、体の大きさで気をつける点が変わります。

ハムスター・小鳥などの小動物
体が小さいぶん硬直が数十分〜1時間と早く始まるので、姿勢を整えるのは最優先です。冷やしすぎにも注意が必要で、保冷剤は体に直接当てず、箱の外側に置く形で足ります。小動物は冷蔵庫を使う方もいますが、その場合の判断は冷蔵庫でペットの遺体は保存できる?ハムスターなど小動物の安置にまとめています。

猫・小型犬(10kg未満)
みかん箱ほどの箱に収まる大きさです。保冷剤はお腹に2個、頭と首元に各1個を基本に、夏は3〜4時間おきに交換します。交換で回すぶんを含めると、必要な数は思ったより多くなります。

中型犬(10〜25kg)・大型犬(25kg以上)
体積が大きく、体の中心部が冷えるまでに時間がかかります。表面だけ冷たくても内側は冷えていないので、お腹側に厚めに当ててください。箱の底が抜ける事故が起きやすいのもこの体格帯です。保冷剤の結露と体液で段ボールの底が湿るため、必ず底面を補強し、運ぶときは複数人で底を手で支えます。

夏と冬で変えること

夏(室温25℃前後)
エアコンはつけっぱなしにする前提で考えてください。外出や就寝で数時間止めると、その間に室温は戻ります。保冷剤の交換は3〜4時間おきになるため、夜間をどうするかが最初の壁になります。就寝前にドライアイスへ切り替える、火葬を翌日に前倒しするなど、寝ている間の8時間を先に決めておくと慌てません。

冬(室温15℃以下)
暖房の効いていない北側の部屋や玄関が使えるので、夏より条件は楽になります。ただし暖房のオンオフによる温度差で結露が出ます。箱の内側が湿ると傷みが早まるので、タオルが湿っていないか1日1回は確認してください。窓を少し開けて空気を通すのも有効です。

どちらの季節でも、締め切った狭い空間に置かないのは共通です。フタを完全に閉めた箱、押し入れ、クローゼットは、湿気がこもって逆効果になります。

マンション・賃貸で安置するとき

エアコンのある部屋の床にビニールシートを敷いた様子|マンションでの安置

集合住宅だからといって、安置ができないということはありません。ペットのご遺体を自宅に安置することに法的な制限はなく、届け出も不要です。ただし、戸建てとは事情が違う点が3つあります。

1つめは床です。賃貸では、体液がフローリングや畳にしみると退去時の原状回復の対象になることがあります。ビニールシートを箱より広めに敷き、その上に箱を置いてください。結露で出る水も同じシートが受け止めます。

2つめは涼しい部屋の確保です。マンションは気密性が高く、冬でも室温が下がりにくい造りになっています。戸建てなら使える「暖房のない北側の部屋」が確保しづらいため、エアコンのある部屋で運転を続けるほうが確実です。玄関も、外気が入りにくいぶん戸建てほど涼しくなりません。

3つめは搬出です。訪問火葬を頼む場合、車を停める場所と、エレベーターや階段を通れるかを先に確認しておくと当日慌てません。中型犬以上では、箱ごと運ぶために2人必要になることもあります。

においについて心配される方が多いのですが、きちんと冷やせていれば、廊下に漏れるほどのにおいは出ません。においが気になり始めたら、それは冷却が足りていないサインだと考えて、保冷剤を増やすか火葬を早める判断に切り替えてください。

安置中にやってはいけない5つのこと

ご相談を受けていて多いのが、良かれと思ってしたことで状態が悪くなってしまうケースです。次の5つは避けてください。

1. 保冷剤やドライアイスを直接肌に当てる…当たっていた部分が黒く変色します。必ずタオルか新聞紙で包んでください
2. 体をびしょ濡れにして洗う…水気が残ると傷みが早まります。汚れた部分を中心に拭き、最後は乾いた布で押さえます
3. ビニール袋やラップで全身を包む…湿気が逃げ場をなくし、内側で結露します。通気は保ってください
4. 硬直した手足を無理に曲げる…関節や皮膚を傷めます。解けるのを待つか、そのままの姿勢で見送ります
5. ドライアイスを密閉容器に入れる・冷凍庫で保管する…密閉すると気化した二酸化炭素で容器が破裂します。冷凍庫は庫内センサーが誤作動します

ドライアイスは表面温度が−78.5℃あり、素手で触ると凍傷になります。使うときは軍手を着け、部屋の換気を続けてください。扱い方の詳細はドライアイスの保存方法と安全な使い方|冷凍庫NG・換気・処分にあります。

安置が限界を超えそうなとき

「火葬の予約が1週間先しか取れない」「家族がそろうまで待ちたい」「まだ決断できない」。この3つが、自宅での安置が延びる主な理由です。保冷剤では2〜3日、ドライアイスを毎日補充しても夏は4〜7日が目安なので、それを超えるなら方法を変える必要があります。

選択肢は3つあります。

ペット葬儀社の冷蔵保管に預ける…0〜2℃の設備で5〜10日ほど。手間はかからないが、家にご遺体はいない
ドライアイスを毎日買い足す…そばにいられるが、1日1回の交換と換気が続く。費用も日ごとに積み上がる
安置装置をレンタルする…自宅に置いたまま最長20日。ドライアイスの補充や交換の作業がない

7日以上の長期になる場合、適した温度は0〜2℃とさらに低くなります。家庭のエアコンと保冷剤でこの温度帯を維持し続けるのは現実的ではありません。1週間を超えそうだと分かった時点で、預けるかレンタルするかを決めたほうが、結果としてきれいなお姿を保てます。3つの方法の比べ方はペットの遺体保管、自宅の限界を超える3つの方法を比較でも整理しています。

よくある質問

Q. 亡くなってから何時間以内に冷やし始めればいいですか?

早いほど良く、目安は当日中です。体温は1時間に約1℃ずつ下がりますが、内臓の傷みは体温が下がりきる前から始まります。夏に冷房のない部屋で数時間置くと、その間に進みます。まず手元の保冷剤を当て、足りないぶんは後から買い足す順番で構いません。

Q. エアコンは何℃に設定すればいいですか?

最低温度まで下げてください。安置に適した室温は0〜5℃ですが、一般家庭のエアコンは16〜18℃前後が下限です。エアコンだけでは足りないので、保冷剤やドライアイスを必ず併用します。エアコンは「温度を下げる道具」ではなく「保冷剤の効きを長持ちさせる道具」と考えるとわかりやすくなります。

Q. 安置している間、そばにいても大丈夫ですか?

問題ありません。手を触れることも、話しかけることもできます。ただし添い寝は季節と日数で判断が変わるため、亡くなった犬・猫と一緒に寝て大丈夫?添い寝できる期間と注意点を参考にしてください。

Q. 部屋のにおいが気になってきました

においは傷みが進んでいるサインです。冷やす量が足りていないか、水気が残っているかのどちらかであることが多いので、まず保冷剤を増やし、敷いているタオルが湿っていないか確認してください。においが強くなってきたら、火葬を早めるか冷蔵保管へ切り替える段階です。傷みのサインの見分け方はペット遺体の腐敗はいつから?サインの見分け方と段階別の対処にまとめています。

Q. 他のペットに会わせてもいいですか?

会わせて構いません。においを嗅いだり、そばで過ごしたりすることで、残された子が状況を受け止めるとも言われます。ただし、ご遺体を舐めたり動かしたりしないよう、そばにいる間は見ていてあげてください。

Q. 冷蔵庫や冷凍庫に入れてもいいですか?

小動物であれば冷蔵庫を使う方もいますが、食品と同じ空間になること、家族の理解が要ることが前提です。冷凍は解凍時に状態が大きく変わるため、火葬を前提とするならおすすめしません。判断の基準はペット遺体の保管は冷蔵庫と冷凍庫どちら?判断基準を比較で整理しています。

Q. 動物病院や役所への連絡は、安置の前と後どちらですか?

安置が先で構いません。ご遺体を冷やし始めるほうが急ぎます。犬は死亡から30日以内に自治体への届け出が必要ですが、当日中に行う必要はありません。連絡先や手続きの順番はペットが亡くなったら動物病院に連絡?伝え方と市役所への手続きにまとめています。

出典・参考にした公的資料

料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人:メモリアルキャリー編集部
ペットのご遺体安置装置「メモリアルキャリー」を運営する株式会社ペトリーの編集部です。ご家族からのご相談と、実際のご安置の現場で得た知見をもとに記事を作成しています。

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