ペットの火葬で棺に入れる花|避ける種類・本数・花屋での買い方
最終更新日:2026年7月23日(内容を全面的に見直しました)
ペットの棺に入れる花は「色の薄い生花を、少しだけ」が基本です。ガーベラ、カーネーション、トルコキキョウ、カスミソウのように茎の細い花が向いています。避けるのは①造花とプリザーブドフラワー ②濃い色の花 ③ラッピングや金具が付いたままの花束 ④量の入れすぎの4つ。花屋・スーパー・葬儀社のどこでも用意できます。
この記事は、ご自身のペットの棺に添える花を探している飼い主さん向けです。火葬炉の都合で入れられないものがあり、それを知らずに当日を迎えると、その場で「これは外してください」と言われます。準備の場面で困らないよう、可否と理由をはっきり書きます。
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棺に入れてよい花・避ける花【早見表】

判断は「燃えるか」「色が移らないか」「量は多すぎないか」の3点で決まります。
| 花・状態 | 可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 白・淡いピンク・淡い黄色の生花 | ○ | 色素が薄く、お骨に影響しにくい。最も無難 |
| 濃い赤・濃い紫・青系の花 | △ 少量なら | 色素がお骨に移ることがある。本数を制限する業者も |
| 茎の太い花・枝もの・ユリなど大輪 | △ | 水分が多く燃え残りやすい。花首だけを使えば可 |
| 造花・アーティフィシャルフラワー | × | プラスチックとワイヤーが溶けてお骨に付着する |
| プリザーブドフラワー | × | 脱色・染色の薬剤が使われている。色が移る |
| ドライフラワー | △ 要確認 | 乾いていて燃えるが、ワイヤーで束ねてあることが多い |
| ラッピング・リボン・ワイヤー・吸水スポンジ | × | 不燃物。必ず外す。アレンジメントは花だけ抜き取る |
| 庭の花・野の花 | △ 下処理が必要 | 虫が付いている。水洗いして乾かしてから使う |
| 花束を包装のまま丸ごと | × | 量が多すぎる。当日その場で断られる典型例 |
迷ったら「淡い色のやわらかい花を、茎を短く切ってばらして使う」と覚えておけば、まず外しません。
なお、ペットの供花に「この花は縁起が悪い」といった宗教的な決まりはありません。人の葬儀では避けられがちな花でも、その子との思い出があるなら使って構いません。判断の基準は、宗教ではなく火葬炉です。ここを取り違えて、好きだった花を諦めてしまう方がいますが、その必要はありません。
なぜ入れられない花があるのか——火葬炉の都合
「せっかく用意したのに、なぜだめなのか」が分からないと納得できません。理由は業者の気分ではなく、炉の設定にあります。
1. 可燃物が増えると、火葬の設定が狂う
ペットの火葬は、体格に合わせて温度と時間を決めて行います。ご遺体以外の可燃物が大量に入ると、想定より燃えるものが多くなり、お骨が焼けすぎて崩れる、あるいは火力が食われて焼き残るという結果になります。人間の火葬より炉が小さく、燃焼時間も短いぶん、影響が出やすいのです。
2. 水分の多いものは温度を下げる
生花は水分を多く含みます。少量なら問題ありませんが、量が増えるほど炉内の温度を奪い、燃焼が不安定になります。ご遺体が花で埋もれるほど入れるのは、この意味で避けてください。
3. 不燃物はお骨に癒着する
造花のワイヤー、アレンジメントの吸水スポンジ(オアシス)、リボンの金具、ラッピングのビニール。これらは燃えずに溶け、お骨にくっついたり、変色させたりします。収骨のときに黒い塊が混じっていれば、それは花の器具です。
4. 濃い色の花は色が移ることがある
色素の濃い花を大量に入れると、お骨に色が付くことがあります。とくに小動物・猫・小型犬は骨が細く、影響が出やすいため、色の濃い花を制限している業者があります。思い出の花がどうしても濃い色なら、1〜2輪に絞り、残りは手元に飾ってください。
当日に断られないための、いちばん確実な方法。火葬の予約をする電話で、こう聞いておいてください。
「お花は何本くらいまで入れられますか。おやつや手紙も一緒に入れて大丈夫ですか」
この一言で、当日その場で外すことになる事態はほぼ防げます。基準は業者ごとに違い、全国共通の決まりはありません。
花の量はどれくらい?——2つの目安

本数に全国共通の決まりはなく、「◯本まで」と上限を設けている業者もあれば、量を見て判断する業者もあります。数を数えるより、次の2つで判断してください。
- お顔と体が見えているか——花で全身を覆い隠さないこと。顔のまわりと体の脇に添える程度で十分です。花に埋もれた状態は、写真に残しても、その子の姿が見えません
- 棺のふたが、押さえなくても閉まるか——押し込まないと閉まらない量は、確実に入れすぎです
目安としては、小売店で売られている花束ひと束を、茎を短く切ってばらした量がひとつの上限です。体格の小さい子ほど、必要な量は少なくなります。ハムスターやインコのような小動物なら、花びらを数枚と小さな花を1〜2輪で、十分に華やかになります。
残った花は、火葬後に骨壺のそばへ飾ってください。全部を棺に入れる必要はありません。
どこで買うか——花屋・スーパー・葬儀社の使い分け
「ペットの棺に入れる花を、どこで買えばいいか分からない」という声は多くあります。結論から言えば、どこで買っても構いません。大事なのは、買うときに用途を伝えることです。
| 入手先 | 予算感 | いつ買えるか | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 街の花屋 | 1,000〜3,000円程度 | 日中(定休日に注意) | 用途を伝えれば、包装を外し茎を短く切ってもらえる |
| スーパー・ホームセンターの花コーナー | 数百円〜 | 早朝から夜まで | 仏花は白菊中心で重い印象。洋花の束のほうが向く |
| 葬儀社・ペット霊園の手配 | プラン込み〜オプション | 予約時に依頼 | 確実に炉に入れられる花を用意してくれる。最も手間がない |
| ネット通販 | 3,000円前後〜 | 最短でも翌日以降 | 火葬が数日先でなければ間に合わない |
| 庭の花 | 0円 | いつでも | 水洗いして完全に乾かす。虫と水分に注意 |
花屋でそのまま使える伝え方
「ペットのお別れで、棺に入れるお花を探しています。火葬で一緒に燃やすので、色の薄い花を、茎を短く切ってください。ラッピングもいりません。猫(犬)なので、そんなに量は多くなくて大丈夫です」
この伝え方をすると、花屋さんは適した花を選んでくれます。「供花をください」とだけ言うと、人の葬儀用の白菊を組まれてしまうことがあるので、ペットであること・棺に入れることの2つは必ず伝えてください。予算を先に言ってしまってよく、「2,000円くらいで」で十分に通じます。当日の服装や、火葬に立ち会うかどうかの判断はペットの葬儀・火葬のガイド記事にまとめています。
予算別の組み合わせ例
- 数百円で済ませたい——スーパーの洋花の束をひとつ。カスミソウとガーベラが入っていれば十分です。仏花の束(白菊中心)は本数が多く、色も重くなるので避けてください
- 1,000〜2,000円——花屋で「ペットの棺用」と伝えて組んでもらう。淡い色を中心に、その子のイメージに合う花を1種類だけ足してもらうと、見た目がぐっと変わります
- 3,000円前後——棺用と、手を合わせる場所に飾る用を分けて用意できます。同じ花で揃えると、火葬のあとも部屋に同じ色が残ります
- 費用をかけたくない——庭の花だけでも構いません。花にかける金額が、お別れの丁寧さを決めるわけではありません
花屋が近くにない場合は、火葬をお願いする業者に「お花の手配もお願いできますか」と聞いてください。プランに含まれている社もあり、その場合は自分で買いに行く必要がなくなります。
深夜や早朝に亡くなり、花屋が開いていない場合も焦らなくて大丈夫です。火葬は当日に済ませなければならないものではありません。保冷ができていれば数日は待てるので、翌朝に買いに行けば間に合います。安置の方法は保冷剤を使った安置の記事にまとめています。
花を入れるタイミングと、きれいに見える置き方
意外に知られていないのが、花を入れるのは火葬当日、出棺の直前でよいということです。亡くなった直後から棺に花を入れておく必要はありません。
亡くなってすぐに花を入れないほうがよい理由
火葬までの数日間、ご遺体は保冷しながら安置します。この間に花を入れておくと、次のことが起きます。
- 花が水分を出し、ご遺体を湿らせる——湿気はカビの原因になります
- 保冷剤の交換がしにくくなる——花をどけるたびに、その子に触れる回数が増えます
- 花が先にしおれる——最後にお顔を見るときに、いちばんきれいであってほしいはずです
- 体液で花が汚れる——口元やお尻からの分泌は自然な変化ですが、花に付くと見た目が悪くなります
安置している間は、花は棺の外、枕元や祭壇代わりの台に飾っておけば十分です。棺に納めるのは、火葬に出かける直前。立会火葬なら、炉の前で最後に手渡しで入れられる業者もあります。
納めるときの手順
- ラッピングと余分な茎を外す——ビニール、リボン、輪ゴム、ワイヤーをすべて取り除きます。茎は花首から3〜5cmほどに切ると扱いやすくなります
- 体の下ではなく、脇と顔のまわりに置く——下に敷き詰めると量が増えます。体の左右に沿わせるように置くと、少ない本数できれいに見えます
- 顔は隠さない——お顔の横に1〜2輪。額の上や耳の横に添えると、写真にも自然に写ります
- 前肢の間に一輪——花を抱いているように見え、多くのご家族がこの形を選びます
- 最後にふたを合わせてみる——押さえないと閉まらないなら、花を減らしてください
最後の写真を撮るなら、この状態が撮りどきです。花で埋め尽くしてしまうと、あとから見返したときにその子ではなく花が写った写真になります。姿が見える量に留めておくほうが、何年経っても見返せる一枚になります。
棺に入れなかった花の使い道
買った花が余っても、無駄にはなりません。火葬後、お骨を置く場所のそばに飾ってください。四十九日まで小さな花を絶やさずに置くご家庭も多くあります。同じ種類の花を月命日に一輪だけ買う、という続け方をされている方もいます。
季節ごとに手に入りやすい花と、その花言葉

その季節に出回っている花は、鮮度がよく値段も手頃です。花言葉で選びたい方のために、代表的なものを添えました。
| 季節 | 手に入りやすい花 | 花言葉 | 棺に入れるときの注意 |
|---|---|---|---|
| 春 | チューリップ・スイートピー・フリージア | 「思いやり」(スイートピー) | 濃い色のチューリップは少量に |
| 夏 | ひまわり・トルコキキョウ・グラジオラス | 「あなただけを見つめる」(ひまわり) | ひまわりは花が大きい。小型の品種か1輪だけに |
| 秋 | コスモス・リンドウ・スプレーマム | 「乙女の真心」(コスモス) | リンドウは色が濃いので本数を控えめに |
| 冬 | カーネーション・ラナンキュラス・スイセン | 「無垢で深い愛」(カーネーション) | 白・淡いピンクが手に入りやすい |
| 通年 | ガーベラ・カスミソウ・カーネーション・トルコキキョウ | 「希望」(ガーベラ)「清らかな心」(カスミソウ) | どの季節でも手に入り、色も選べる。最も使いやすい |
花言葉にこだわりすぎる必要はありません。散歩道に咲いていた花、一緒に行った旅行先で見た花。その子との記憶がある花のほうが、意味のある一輪になります。ただし色が濃ければ本数を絞る、という点だけ守ってください。
花以外に一緒に入れてよいもの・いけないもの

花と一緒に、おやつやおもちゃを入れたいと考える方は多くいます。ここも当日に断られやすい部分なので、先に整理しておきます。
| 入れたいもの | 可否 | 理由・代わりの方法 |
|---|---|---|
| 乾いたおやつ・ジャーキー | ○ 少量 | 袋から出して入れる。ひとつかみ程度に |
| 缶詰・ウェットフード | × | 水分が多く燃えない。器も不燃物。棺の外にお供えを |
| 手紙・寄せ書き | ○ | 紙は問題なし。いちばん入れやすい |
| 布・木のおもちゃ | ○ 小さければ | 綿の詰まった大きいぬいぐるみは不完全燃焼の原因 |
| プラスチック・ゴムのおもちゃ、笛入りボール | × | 溶けてお骨に付着する。有害なガスも出る |
| 首輪・リード・ハーネス | × | 金具・革・ナイロンが残る。手元に残すと形見になります |
| 洋服・タオル・毛布 | ○ 綿の薄手のみ | 化繊・厚手・ボタンやファスナー付きは不可 |
| 写真 | △ 要確認 | 断る業者がある。入れるならコピーにして原本は残す |
| ペットシーツ・おむつ | × | 高分子吸水材が燃え残る。火葬前に外す |
写真について補足します。「一緒に写っている人まで連れて行かれる」という言い伝えを気にする方がいますが、業者が断る理由はそこではなく、印画紙やインクの成分です。どうしても入れたいなら、コピー用紙に印刷したものを。原本は残して、手を合わせる場所に飾ってください。
入れられなかったものは、火葬後に骨壺のそばに置けば大丈夫です。首輪やおもちゃは、そこにあるほうが、その子を思い出す手がかりになります。
よくある失敗
- 花束を包装ごと入れようとして、当日に外すことになった——ラッピング、リボン、ワイヤー、保水用のゼリーはすべて不燃物です。買ったらその場で外してもらってください
- 造花を入れてしまい、お骨に黒い塊が残った——見た目では分かりにくいので、購入時に「生花ですか」と確認を
- 濃い色の花をたくさん入れて、お骨に色が付いた——濃い色は1〜2輪までに抑えるのが安全です
- 首輪を付けたまま火葬してしまった——金具が残るだけでなく、いちばんの形見を失います。外して手元に
- 前日に買った花が、当日にはしおれていた——買ったら涼しい部屋で水に挿しておき、棺に入れるのは出発の直前に
- 花を買いに出ている間に、保冷が切れてしまった——出かける前に保冷剤を交換し、部屋を涼しくしてから外出してください
- ご遺体が見えなくなるほど花を敷き詰めた——最後にお顔を見る時間が短くなります。写真にも残りません
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よくある質問
Q. ペットの棺に入れる花は、どこで買えばいいですか?
A. 街の花屋、スーパーやホームセンターの花コーナー、葬儀社の手配のいずれでも構いません。花屋で買うときは「ペットの火葬で棺に入れるので、色の薄い花を、茎を短く切って、ラッピングなしで」と伝えてください。手間をかけたくないなら、葬儀社に手配を頼むのが最も確実です。
Q. 花は何本まで入れられますか?
A. 全国共通の決まりはなく、業者ごとに基準が違います。目安は「ご遺体が花で埋もれないこと」と「棺のふたが押さえなくても閉まること」の2点。市販の花束ひと束を、茎を短く切ってばらした量が上限と考えてください。心配なら、予約の電話で本数の上限を聞いておくと確実です。
Q. 造花やプリザーブドフラワーはだめですか?
A. どちらも棺には入れられません。造花はプラスチックとワイヤーが溶けてお骨に付着し、プリザーブドフラワーは脱色・染色の薬剤で色が移ります。手元に飾る用にして、棺には生花を使ってください。ドライフラワーは燃えますが、ワイヤーで束ねてあることが多いため、業者に確認を。
Q. 庭に咲いている花を入れてもいいですか?
A. 入れられます。ただし、そのままだと虫が付いていることがあるため、水でよく洗い、完全に乾かしてから使ってください。濡れたまま入れると、ご遺体を湿らせてカビの原因になります。思い出のある庭の花は、買った花より意味のある一輪になります。
Q. 猫の火葬でも、花の注意点は同じですか?
A. 基本は同じです。ただし猫や小型犬は骨が細く、色移りや燃焼の影響を受けやすいため、花の量と色の濃さには犬以上に気を配ってください。淡い色の花を、顔まわりに数輪。それで十分きれいに見えます。
Q. 写真や手紙は一緒に入れられますか?
A. 手紙は紙なので問題ありません。写真は印画紙やインクの成分を理由に断る業者があるため、事前に確認してください。入れる場合はコピーにして、原本は手元に残すことをおすすめします。入れられなかったものは、火葬後に骨壺のそばへ置いてください。
花は「その子が見える量」で
まとめます。淡い色の生花を、茎を短く切って、顔まわりと体の脇に。造花・プリザーブドフラワー・ラッピング・首輪は外す。量は、ふたが自然に閉まるところまで。迷ったら予約の電話で聞く。
花はきれいに見せるためだけのものではなく、選んでいる時間そのものが、その子を思い出す時間になります。散歩道の花でも、スーパーで買った一束でも構いません。手を動かしながら思い出せることが、いくつもあるはずです。
出典・参考にした公的資料
- 業種追加の検討「動物の死体火葬・埋葬業者」について(中央環境審議会 資料)(環境省)
- 墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)(国民生活センター)
- 過去の気象データ検索(気温)(気象庁)
- ペット(各種相談の件数や傾向)(国民生活センター)
料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。
火葬までのご安置に不安がある方へ
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