犬が亡くなったら保冷剤は何個?体格別の量・置く場所・交換頻度
最終更新日:2026年7月23日(内容を全面的に見直しました)
愛犬を亡くされた直後に、このページを開いてくださったのだと思います。悲しみの中で調べものをするのは、それだけでつらい作業です。だから、いちばん知りたいことを先にお伝えします。
犬のご遺体は、凍らせた保冷剤をタオルで包み、お腹を中心に頭・首元へ当てて冷やします。個数の目安は小型犬4〜6個・中型犬6〜10個・大型犬10個以上。エアコンを効かせた部屋なら、保冷剤だけでも夏で1〜2日、冬で2〜3日、火葬までご自宅で安置できます。
この記事では、犬の体格別に必要な保冷剤の量と当てる部位、夏と冬での交換頻度の違い、保冷剤だけでは足りないときの選択肢を順に説明します。読みながらそのまま手を動かせるよう、目安はすべて具体的な数字で書きました。
犬が亡くなったら保冷剤で冷やす——最初の1時間にやること

最初の1時間でやることは3つだけです。①姿勢を整える、②体の下にペットシーツを敷く、③保冷剤を当てる。かかる時間は合わせて15分ほど。保冷剤が家に2〜3個しかなくても、まずはあるだけで始めてください。買い足しは後から追いつけます。
手順は「姿勢 → シーツ → 保冷剤」の3ステップ
- 姿勢を整える——前足と後ろ足をそっと胸のほうへ曲げ、眠っているときの丸い姿勢に。犬の死後硬直は、早ければ死後1時間ほどで顎や首から始まります。先に姿勢を整えておくと、棺や箱に納めるとき無理がありません。間に合わず硬直が始まっていても、関節を力ずくで曲げるのは避けてください。硬直は時間が経てば自然にゆるみます。
- 体の下にペットシーツやバスタオルを敷く——亡くなった後、口や肛門から体液が出てくることがあります。体の仕組み上、ごく自然な現象です。驚かずに、敷いたシーツで受け止め、汚れたら取り替えます。保冷剤の結露を受け止める役割も兼ねた、一石二鳥の下準備です。
- 保冷剤をタオルで包み、お腹を中心に当てる——凍らせた保冷剤を薄手のタオルや手ぬぐいで一つずつ包み、お腹・頭・首元に置きます。肌や毛に直接当てると、その部分だけ凍って変色したり、溶けた水で濡れたりするため、必ず布を一枚挟んでください。
この3つが済めば、ひとまず大丈夫です。あとの作業は急ぎません。追加の保冷剤を凍らせながら、次の章の個数を少しずつそろえていきましょう。
お腹から冷やす理由
ご遺体の変化は、内臓が集まるお腹から進みます。安置の基本は「お腹を内側から冷やすイメージ」。体の表面をまんべんなく冷やすより、腹部に保冷剤を集中させるほうが効きます。頭部は変化が目に見えやすい場所なので、その次に優先します。
逆に効率が悪いのは背中や腰です。筋肉と骨が厚く、冷気が内臓まで届きにくい。保冷剤の数が限られているなら、迷わずお腹と頭に回してください。
冷やし始めるのが早いほど、その後の安置は楽になります。とはいえ、亡くなった直後は呆然として当然です。数時間経ってからこの記事にたどり着いた方も、いまから冷やせば十分間に合います。ご自身を責める必要はありません。
【体格別】保冷剤の個数と当てる部位の目安
ご相談のお電話でいちばん多い質問が「保冷剤は何個必要ですか」です。答えは犬の体格でほぼ決まります。スーパーやホームセンターで手に入るハードタイプの保冷剤(1個350〜500g程度)を基準にした目安を表にまとめました。
| 体格の目安 | 個数の目安 | 配置の例 |
|---|---|---|
| 小型犬(10kg未満) チワワ・トイプードル・ミニチュアダックスフンドなど |
4〜6個 | お腹2個・頭1個・首元1個(余裕があれば脇の下に1〜2個) |
| 中型犬(10〜25kg) 柴犬・コーギー・ビーグルなど |
6〜10個 | お腹3〜4個・頭1個・首元1個・脇の下と内ももに2〜3個 |
| 大型犬(25kg以上) ゴールデンレトリバー・ラブラドールなど |
10個以上+1kg級を併用 | お腹4〜5個・頭1〜2個・首元1個・脇の下と内ももに3〜4個。体の両脇に1kg級の保冷剤か板氷を添える |
個数はあくまで出発点です。当てている場所を触ってぬるく感じたら数を足す、部屋が十分冷えていれば減らす、と様子を見ながら調整してください。小型犬なら冷凍庫の常備分でまかなえる家庭が多い一方、中型犬以上は買い足しがほぼ前提になります。体重のはっきりしないミックス犬は、抱き上げた感覚で一つ上の区分に合わせておけば大丈夫です。布を挟んでいる限り、多めに当てて冷えすぎる心配はほとんどありません。
当てる部位の優先順位は「お腹 → 頭 → 首元・脇の下・内もも」
- お腹(最優先)——みぞおちから下腹部にかけて、体に沿わせるように置きます。内臓を冷やすことが、変化を抑えるいちばんの近道です
- 頭部——顔まわりをきれいに保ちます。後頭部から首の後ろに当てると座りがよく、ずれません
- 首元・脇の下・内もも(そけい部)——太い血管が体表近くを通る場所で、体全体を効率よく冷やせます。人が発熱したとき冷やす場所と同じです
お届けの現場では、保冷剤が背中側にきれいに並べられているお宅も少なくありません。仰向けの姿勢を崩したくないお気持ちはよく分かるのですが、冷やす場所としてはお腹側が先です。横向きに寝かせて、お腹に沿わせてあげてください。
柴犬などダブルコートの犬は「毛を分けて」当てる
柴犬・ゴールデンレトリバー・ポメラニアンのような毛の密な犬種では、毛そのものが断熱材として働きます。保冷剤を毛の上に乗せただけでは、冷気が地肌まで届きにくい。毛を手でかき分け、薄手の布一枚越しに地肌へ近づけて当てると、同じ個数でも効き方が変わります。反対にシングルコートの短毛種(チワワのスムースコートなど)は冷えが直接伝わりやすいので、布をやや厚めにして凍えたような変色を防ぎます。
家の保冷剤が小さい・足りないときの集め方
ケーキやお弁当についてくる30〜50gの小さな保冷剤は、単体では力不足です。使うなら小型犬でも8〜10個をお腹と頭に敷き詰め、溶けるのが早いぶん交換も早めに回します。買い足すなら、プラスチック容器入りのハードタイプが第一候補。ホームセンターやアウトドア用品店のほか、100円ショップでも手に入ります。
今夜をしのぐ即戦力は、コンビニやスーパーのロックアイスです。1袋(1kg前後)をビニール袋に二重に入れ、タオルで包んでお腹に沿わせます。凍らせたペットボトルも代用になります。氷は溶け水が漏れやすいので、タオルは厚めに。並行して、家中の保冷剤とペットボトル2〜3本を冷凍庫へ入れておくと、翌日から交換用として使えます。
大型犬は初日から「冷やす力を足す」判断を
体重25kgを超えると、家庭用の保冷剤だけでは体の芯まで冷やしきれないのが正直なところです。クーラーボックス用の1kg級保冷剤や板氷で体を両側から挟む、夏場ならドライアイスの併用を1日目から考えておく——大型犬は「冷やす力を足す」判断を早めにしておくと、途中で慌てずに済みます。
夏と冬で変わる交換頻度と部屋づくり

保冷剤の弱点は持続時間です。交換の目安は夏で2〜3時間ごと、冬で半日ごと。ただし、これは部屋の環境しだいで大きく変わります。先に整えるべきは部屋のほうです。冷房代を惜しまず室温を下げたほうが、結果として保冷剤の消耗も少なくて済みます。
| 状況 | 部屋づくり | 交換の目安 |
|---|---|---|
| 夏・冷房あり | 設定温度は18〜20℃と低めに。カーテンで直射日光を遮る | 2〜4時間ごと |
| 夏・冷房なし | 閉め切った部屋は30℃を超えることも。この環境での安置は避け、冷房のある部屋へ移す | 1〜2時間で溶けきってしまう |
| 冬・暖房なし | 暖房を切った北側の部屋など。床暖房が入る床は避ける | 半日〜1日ごと |
冬でも油断できないのが、暖房の効いたリビングです。室温が22〜25℃あれば、条件は夏とほぼ同じ。家族が集まる部屋で一緒に過ごしたいときは、その間だけ保冷剤を1〜2個増やし、夜は暖房のない部屋へ移してあげると両立できます。
保冷剤は「使う数の2倍」用意して回す
家庭用の冷凍庫で保冷剤が凍り直るまでには、半日前後かかると見てください。1セットしかないと「交換したいのに、替えがまだ凍っていない」という事態に必ずぶつかります。使う個数の2倍をそろえ、体に当てるセットと冷凍庫で凍らせるセットを入れ替えながら回す。火葬までの数日を保冷剤で乗り切るコツは、この段取りがほぼすべてです。
交換の手順は3分で終わる
- 新しい保冷剤を乾いたタオルで包んでおく
- 古い保冷剤を外し、体やまわりの水滴を乾いた布で押さえるように拭く。包んでいたタオルが湿っていたら、乾いたものに替える
- 同じ位置に新しい保冷剤を置き、外したほうは水気を拭いて冷凍庫へ戻す
交換の合図は、時計より保冷剤そのものです。持ち上げて中身がたぷたぷと揺れるようなら替えどき。半分凍りが残っていても、真夏は早めに替えてしまうほうが安全側です。
夜間は、無理に起きて交換しなくて大丈夫です。寝る前に交換して部屋を涼しくしておけば、朝までの数時間で状態が大きく崩れることはありません。ご自身の休息も、この数日を乗り切るために必要なものです。
結露と冷気、それぞれの扱い
- 保冷剤の表面には必ず水滴がつきます。包んだタオルが湿ったら、交換のたびに乾いたものへ替える
- 体の下側に入れたいときは、つぶれにくいハードタイプを選び、タオルを厚めに巻いてから。ソフトタイプは体重で袋が裂けることがあります
- 体が濡れたままだと、かえって傷みが早まります。湿り気を見つけたら乾いた布で軽く押さえて拭く
- 梅雨どきや夏の湿気の多い日は結露が増えます。エアコンのドライ運転や除湿機を併用すると管理が楽です
- 保冷剤ごと薄いタオルケットを一枚かけると、冷気が体のまわりにとどまります。厚い羽毛布団まで重ねる必要はありません
- 安置場所は直射日光と暖房の風が届かない、部屋の低い位置に。冷気は下にたまるため、ベッドの上より床が向いています
保冷剤だけで安置できるのは夏1〜2日・冬2〜3日
こまめに交換を続けた場合でも、保冷剤だけでのご安置は夏場で1〜2日、冬場で2〜3日が目安です。火葬の予約が2〜3日以内に取れているなら、ここまでの方法で十分間に合います。
逆算すると、火葬の手配は安置1日目のうちに動き始めるのが安全です。夏場やお盆・年末年始は、火葬の予約が数日先まで埋まることがあります。気持ちがまだ決まらないうちは、空き状況の確認だけでもしておくと、保冷剤の限界が近づいたときに慌てません。
火葬まで日が空くときの二つの選択肢
お盆や年末年始で火葬の予約が1週間先になった。離れて暮らす家族の帰りを待ちたい。気持ちの整理がつくまで、もう少しそばに置いてあげたい——数日を超えるご安置には、冷やす力を足します。
- ドライアイスを併用する——約−79℃の冷却力があり、適切に使えば1週間前後の安置にも対応します。入手のしかたと必要量、当てるときの注意点はペットの遺体安置にドライアイスは必要?当てる量や場所を解説にまとめました
- 冷却装置をレンタルする——ドライアイスは交換のたびに買い足しと持ち運びが必要で、数日続くと想像以上の負担になります。当社のペット専用安置装置「メモリアルキャリー」は、ペルチェ式冷却で内側から熱を吸収する仕組みのため、保冷剤の交換もドライアイスの買い足しも不要。凍らせないので、きれいなお姿のまま最長約20日間のご安置に対応します。料金は基本料金11,000円(税込)+日額5,000〜6,000円(地域により異なります)。対応エリアは関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)と東海(静岡・愛知)で、ご依頼から平均3〜4時間でお届けしています
「冷却が追いついていない」サイン
安置を続ける中で、お腹の張り、体液のにじみ、においの変化を感じたら、冷却が追いついていない合図です。見た目に変化がなくても、保冷剤の溶けるペースが急に早くなったときは、部屋の温度が上がっているサインなので室温から見直してください。飼い主さまの対応が悪かったわけではありません。夏場の保冷剤安置では珍しくないことです。ドライアイスの追加か、火葬日程の前倒しを検討してください。判断に迷うときは、火葬業者やご安置サービスの窓口に「犬種・体重・部屋の温度・亡くなってからの日数」を伝えて相談すると、次の一手が具体的になります。
冷やす前に整えてあげたいこと——姿勢・清拭・寝床

保冷剤の手配と並行して、体を整える時間を取ってください。ここからは急ぐ作業ではありません。お別れの時間の一部です。
目や舌が閉じないときは、そのままでいい
まぶたが閉じない、舌が少し出てしまう——犬ではよくあることです。まぶたは指の腹でそっと下ろし、数十秒やさしく押さえると、閉じたままになることがあります。時間が経ってうっすら開いてきたら、そのつど閉じ直して問題ありません。閉じきらなくても、テープで留めたり無理に押し込んだりはしないでください。生前と同じお顔のまま、見送ってあげて大丈夫です。
体を拭いて、ブラッシングで毛並みを整える
ぬるま湯で湿らせて固く絞ったタオルで、顔まわり→体→足先の順に拭きます。目やに、口元、お尻まわりは汚れが残りやすい場所です。口元からは体液がにじみやすいので、顔の下にタオルを一枚敷いておくと後が楽になります。仕上げに、生前使っていたブラシで毛並みを整えます。毛が整うと、表情がふっと穏やかに見えてくるものです。声をかけながらで構いません。この時間そのものが、飼い主さまにとってひとつの区切りになります。
寝床は段ボールで十分。大型犬は毛布の上に
小型犬・中型犬は、体がゆったり収まる段ボール箱や衣装ケースで十分です。底にペットシーツを敷き、その上にタオルやお気に入りの毛布を重ねます。ペット用の棺も通販で買えますが、届くまでの間は段ボールで何も問題ありません。紙の箱は保冷剤の冷気を外へ逃しにくく、見た目の印象より理にかなった選択です。
大型犬は、収まる箱を探すより、毛布やバスタオルを厚めに敷いた上にそのまま寝かせるほうが現実的です。体の上には薄い布を一枚。保冷剤の位置も直しやすくなります。好きだったおもちゃやおやつを傍らに置いてあげるのも、もちろん構いません。ただし火葬まで一緒に納めたいものは、金属やプラスチックを避けるよう火葬先から案内されることが多いため、事前に確認しておくと安心です。
首輪はつけたままでかまいません。形見として残したい場合は、早めに外して保管を。亡くなった当日から火葬までの流れ全体は大切な愛犬が自宅で亡くなったら飼い主がお見送りまでにすべきことでチェックリストにしています。
安置中も、触れて過ごして大丈夫
冷やしている間も、撫でたり、声をかけたり、写真を撮ったりしてかまいません。触れるたびに冷たくなっていく体に驚くかもしれませんが、それは保冷が効いている証拠です。手の温もりで長時間温め続けるのでなければ、そばで過ごすことをためらう必要はありません。保冷剤の位置がずれたら直す——それくらいの気持ちで、最後の時間を一緒に過ごしてください。お花を供えるときは、花びらが体に直接触れない位置に置くと、水分で毛が濡れるのを防げます。
よくある質問
Q. 犬の安置は、ドライアイスではなく保冷剤だけでも大丈夫ですか?
A. 火葬までが夏なら1〜2日、冬なら2〜3日以内で、こまめに交換できるなら保冷剤だけで対応できます。大型犬・真夏・3日以上のご安置のいずれかに当てはまる場合は、ドライアイスか冷却装置を足してください。
Q. 保冷剤はどこに置くのが正解ですか?
A. 最優先はお腹です。内臓が集まる腹部を冷やすことが、変化を抑える近道になります。次に頭、それから首元・脇の下・内もも。背中側は効率が落ちるため、数が限られているときはお腹と頭に集中させてください。
Q. 夜中に亡くなりました。朝まで保冷剤を買いに行けません。
A. 部屋をできるだけ涼しくして(夏はエアコンを強めに)、冷凍庫にある保冷剤や凍らせたペットボトルをタオルで包み、お腹にだけでも当てておいてください。数時間の差で、その後の安置が大きく崩れることはありません。近くにコンビニがあれば、ロックアイス1袋でも朝までの応急として役立ちます。個数をそろえるのは、夜が明けてからで十分です。
Q. 亡くなった後の手続き(死亡届やマイクロチップ)はいつまでですか?
A. 犬は狂犬病予防法に基づき、死亡から30日以内に登録先の市区町村へ死亡届を出します。マイクロチップを登録している場合は、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」でも死亡の届出が必要です。どちらも火葬より急ぐものではないので、お見送りが済んでからで間に合います。
Q. 猫や小動物も同じ方法でいいですか?
A. 基本は同じです。猫は小型犬と同様に4〜6個が目安で、ハムスターなどの小動物は体に直接当てず箱やケースの外側に1〜2個で足ります。冷やしすぎて体の一部が凍らないよう、当てる数と時間は調整してください。猫の場合の日数の目安と注意点はペットの遺体はドライアイスや保冷剤の使用で長期保存できる?で解説しています。
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