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ペットの剥製|犬・猫の費用相場とフリーズドライの違い・作り方

保存期間と保存環境
2024年04月08日
亡くなったペットは永久保存できる?思い出を残しておく方法も紹介

最終更新日:2026年9月25日(内容を全面的に見直しました)

亡くなったペットを姿のまま残す方法は、「伝統技法の剥製」と「フリーズドライ標本」の2つです。費用の相場は犬で17万〜50万円、猫で15万〜25万円ほど。完成までは、フリーズドライで数ヶ月、伝統技法の剥製で1年前後かかります。

仕上がりを左右するのは、費用でも技法でもありません。亡くなってからどれだけ早く業者に連絡し、きれいなお姿のまま届けられたかで決まります。この記事では、2つの技法の違い、犬・猫・小動物ごとの費用、作り方と期間、依頼の流れ、「かわいそう」という迷いへの向き合い方を順に並べます。

ペットの剥製とフリーズドライ標本の違い

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ペットを姿のまま残す方法は2つ|剥製とフリーズドライの違い

ひとくちに「ペットの剥製」と呼ばれ、火葬の代わりにこの形で見送ることを「剥製葬」と呼ぶこともあります。実際の技法は2種類あり、仕上がりも費用も、手元に残るものも違います。

伝統技法の剥製(本剥製)は、博物館の動物標本と同じ昔からの方法です。お体から皮を剥ぎ、内側に防腐処理をして、木毛や樹脂の芯にかぶせて縫い合わせます。ガラスの義眼を入れ、生前の姿に整えます。

皮と被毛が主役なので、毛並みや模様はそのまま残ります。骨や筋肉は使わないため、業者によっては残りを火葬し、遺骨を手元に戻してもらえることがあります。一方、顔つきは職人の腕にそのまま左右されます。

フリーズドライ標本は、皮を剥がず、内臓と脂肪だけを取り除いて、専用の装置で体内の水分を抜く方法です。筋肉や骨が残るため、体つきや手足のボリュームが生前に近く残ります。近年のペット向けは、こちらが主流です。

ただし装置に入る大きさに限りがあり、犬猫では体重14kg程度までという業者が一般的です。そして、お体ごと残すので遺骨は残りません。

比べる点 伝統技法の剥製 フリーズドライ標本
皮を剥ぐか 剥ぐ(皮と被毛を使う) 剥がない(お体のまま)
体格の制限 比較的ゆるい(大型犬も相談可) 14kg程度までが目安
遺骨 業者により戻せる場合あり 残らない
仕上がり 毛並みは忠実。造形は職人の腕しだい 体つきが自然。表情はやや硬くなりやすい
費用の目安 17万〜50万円(犬) 9万〜30万円台+重量加算
完成まで 小鳥で半年〜、犬猫は1年前後 数ヶ月(最長5ヶ月ほど)
受付の状況 受付を止めている工房が増えている 期間限定・定員制の業者がある

表の最後の行が、いまの現実です。職人の高齢化と後継者不足で、伝統技法のペット剥製は受付を止めている工房が増えています。「昔ながらの剥製にしたい」と思っても、実際に頼める先はフリーズドライだけ、ということが起こり得ます。

ペットの剥製・フリーズドライの費用相場【犬・猫・小動物別】

ペットの剥製・フリーズドライにかかる費用相場

公開されている料金表を横断すると、相場はおおむね次の範囲に収まります。同じ体格でも業者によって倍近く違うことがあるので、必ず複数社に確かめてください。

動物・体格 費用相場 補足
小型犬(トイプードル・ダックスなど) 17万〜27万円 依頼が最も多い層
中型犬(柴犬・コーギーなど) 30万〜45万円 フリーズドライは上限体重に注意
大型犬(ゴールデン・ラブラドールなど) 50万円前後〜 対応できる業者が限られる
猫 15万〜25万円 品種による差は小さい
うさぎ・フェレット 8万〜12万円 1kg以下で8.8万円前後の例あり
ハムスター・モルモット 3万〜6万円 3.3万円前後の例あり
小鳥(インコ・文鳥) 2万〜5万円 セキセイインコで4.4万円前後の例
フクロウ・猛禽類 10万円〜 羽の整形に手間がかかる

表を見て気をつけたいのが、フリーズドライの値段は「基本料金+重量加算」で決まる点です。5kg以下で8.8万円、超えた分は500gごとに5,500円加算という料金表もあれば、2kg以下で22万円、以降50gごとに1,100円加算という設定もあります。

基本料金だけを並べて比べると、判断を誤ります。愛犬・愛猫の実際の体重を伝えて、総額の見積もりを出してもらってください。

本体価格に上乗せされる費用と、火葬費用との比較

本体価格のほかに、次の費用がかかることがあります。

・義眼・目を開ける加工…5,500〜22,000円。閉じたままなら不要な業者もある
・ポーズの指定…伏せ・座り・立ち姿で11,000〜22,000円の加算が一般的
・搬送費(クール便)…数千円〜1万円台。遠方ほど高い
・修復費…病気やけがで皮膚に傷がある場合は別に見積もり
・専用ケース…数万円。ほこりと虫を防ぐために勧められる

火葬と比べると、差ははっきりしています。個別火葬は猫・小型犬で2万5,000〜3万5,000円ほどです。同じ猫・小型犬でも、剥製・フリーズドライは15万円前後からになります。火葬の料金はペット火葬の料金相場|費用の目安を方法・体格別に解説にまとめています。

葬儀費用と違って、分割の相談に応じる業者は多くありません。支払える金額の上限を先に決めてから、業者を探してください。決めてから支払い方法を考えるより、後悔が少なく済みます。

剥製の作り方|制作工程と完成までにかかる期間

どうやって作るのかを知らずに頼むと、完成品を見たときの受け止め方が変わることがあります。工程は先に知っておいてください。

伝統技法の剥製ができるまで
1. 採寸と記録…体長・胴回り・顔を測り、生前の写真と照らし合わせる
2. 皮を剥ぐ…お腹側から切開し、頭・手足・尾の皮を外す
3. 防腐処理(なめし)…肉・脂肪・眼球を取り除き、皮の内側に薬剤を塗る
4. 芯づくりと縫合…実物大の芯を作って皮を戻し、肉づけして形を整える
5. 義眼と仕上げ…義眼を入れ、被毛を整え、鼻や口元に色を差す

工程の大半が手作業で、乾燥を待つ時間も長くかかります。期間の目安は、小鳥で半年前後、うさぎなどで8ヶ月前後、犬や猫で1年前後です。混み具合によっては、それ以上かかる工房もあります。

フリーズドライ標本ができるまで
1. 打ち合わせ…希望のポーズと、参考にする写真を3枚ほど出す
2. 内臓・脂肪の除去…傷みの原因になる部分だけを取る。皮は剥がない
3. ポーズの固定と凍結…眠る姿・伏せ・座りなどに整え、そのまま凍らせる
4. 真空乾燥…専用装置で、体内の水分を氷のまま気体に変えて抜く
5. 仕上げ…義眼を入れ、被毛を整えて引き渡す

時間がかかるのは4番目の乾燥です。装置に入れたまま水分が抜けるのを待つため、納期は数ヶ月、長い業者で最長5ヶ月ほどです。装置の台数がそのまま制作数の上限になるので、受付が年に数回・定員制になりやすくなります。

依頼の流れ|亡くなった直後から引き渡しまで

ペットの剥製を依頼する流れと注意点
タイミング やること 気をつけること
亡くなった直後 姿勢を整え、体を拭き、冷やし始める 凍らせるかどうかは業者の指示を待つ
当日中 業者に電話し、動物種・体重・状態を伝える 受けてもらえるかを最初に確かめる
当日〜翌日 見積もりを受け取り、家族で決める 依頼書と同意書を書く
数日以内 指示どおりに梱包し、クール便か持ち込みで送る 梱包の方法は業者ごとに違う
数ヶ月〜1年 制作 途中経過の連絡がない業者もある
完成 引き渡し 置き場所と手入れの説明を受ける

電話をかける前に、次の5つを手元にそろえてください。

・動物種と体重…受けられるかどうかは、まずここで決まる
・亡くなった日時…業者が仕上がりを判断する材料になる
・生前の写真3枚ほど…正面・横・全身。ポーズと義眼の色を決めるのに使う
・体の状態…手術跡・脱毛・皮膚の傷・床ずれを正直に伝える
・希望のポーズ…よくしていた寝相や座り方を言葉にしておく

写真は多いほど再現度が上がります。正面の1枚しかないと、横顔や後ろ姿は職人の想像で補うことになり、「なんとなく違う」仕上がりにつながります。スマートフォンの中から、いろいろな角度の写真を集めてください。

業者に渡すまでの数日をどう過ごすか

剥製もフリーズドライも、業者が受け取った時点のお体の状態が、そのまま仕上がりの上限になります。業者を探し、見積もりを取り、家族で話し合って発送するまでには、どうしても数日かかります。

この数日は、お腹を中心に冷やし、涼しい部屋で安置してください。保冷剤と冷房で保てるのは、夏で1〜2日、冬で2〜3日が目安です。手順はペット遺体の安置方法|自宅の置き場所と火葬までの手順、日数の目安はペットの遺体保管は何日?猫・犬・小動物別の日数と延ばす方法にまとめています。

毛並みや表情は、剥製の仕上がりに直結します。死後硬直は亡くなってから1〜3時間で始まるので、手足を整え、目と口を閉じるのは早いほどきれいに仕上がります。猫の整え方は猫の遺体をきれいに保存|死後硬直前の整え方と清拭が参考になります。

冷凍して送るよう指示する業者もあれば、冷凍を避けるよう求める業者もあります。自己判断で凍らせず、必ず依頼先の指示に従ってください。

剥製にできないケース|先に知っておきたい条件

問い合わせて断られてから慌てないよう、受けてもらえない条件を先に確認してください。

・傷みが進んでいる…被毛が抜ける、皮膚が緩む段階まで進むと、皮を扱えない
・体表の損傷が大きい…交通事故、広い範囲の腫瘍、重い床ずれ、手術直後の縫合跡
・体重が上限を超える…フリーズドライは14kg程度が目安で、大型犬は対象外になりやすい

・解剖・病理検査を受けた…お腹や胸を大きく開いた場合は難しい
・受付枠が埋まっている…定員制の業者では、次の受付まで数ヶ月待つ
・対応していない動物種…犬は受けるが猫は不可、10kg以下の犬のみ、といった線引きがある

最後の2つは、職人の腕とは関係のない事情で決まります。1社に断られただけで諦めず、条件の違う業者に当たってみてください。

「ペットの剥製はかわいそう」と言われたときに考えること

ペットを剥製にすることへの賛否と飼い主の気持ち

剥製を調べた飼い主が、次に検索する言葉が「かわいそう」です。それだけ、ためらいながら調べている方が多いということです。

この問いに、一般論としての正解はありません。同じ写真を見て、「命への冒涜だ」と感じる人と「素晴らしい供養の形だ」と感じる人がいます。ここでは、実際に選んだ飼い主と選ばなかった飼い主が、何を理由にしたのかを並べます。

剥製を選んだ飼い主の理由
・骨になった姿を見ることに耐えられなかった
・いつもの場所にいてくれることで、帰宅したときの喪失感が和らいだ
・住まいの事情で仏壇を置けず、手を合わせる対象がほしかった
・「毛の一本まで残っている」ことに、写真とは違う実感があった

剥製を選ばなかった飼い主の理由
・目の前に姿があるのに動かないことが、かえってつらかった
・家族の誰かが強く反対し、家に置く合意が取れなかった
・自分が先に亡くなったとき、この子を誰が引き受けるのかと考えた
・お別れの区切りをつけないと、前に進めないと感じた

決める前に、家族で4つだけ確かめてください。置く場所を具体的に決められるか。同居の家族全員が納得しているか。遺骨を残したい人がいないか。十数年先まで管理できるか。

最終的に決めるのは、この子を看取ったあなたです。ただし、誰にも相談せずに決めることだけは避けてください。反対の声が出るのが完成後だと、剥製はもう作り直せません。

剥製のメリット・デメリットと、向いている人・向かない人

メリット デメリット
生前の姿と毛並みがそのまま残る 費用は猫・小型犬で15万円前後から
好きだったポーズを指定できる 完成まで数ヶ月〜1年、手元に何もない期間がある
仏壇を置けない住まいでも供養の対象になる 動かない姿を毎日見て、喪失感が長引く人もいる
保管環境が良ければ何十年も形が残る 湿気・日光・虫への対策がずっと続く

向いているのは、姿が見えることで気持ちが落ち着く方です。置き場所と保管環境を確保でき、家族の合意があり、費用を葬儀とは別に用意できることが前提になります。

向かないのは、遺骨を手元やお墓に納めたい方、家族に強い反対がある方、引っ越しの多い方です。今まさに「見るたびに涙が止まらない」状態が続いている方も、慎重に考えてください。剥製が悲しみを固定する側に働くことがあります。深い喪失感との向き合い方はペットロスで立ち直れない時にかける言葉と相談先で扱っています。

剥製を長持ちさせる手入れ

完成した剥製は、置き方と手入れで持ちが大きく変わります。

・直射日光の当たる窓辺に置かない…被毛が退色する
・加湿器のそば・押し入れを避ける…カビの原因になる
・年に数回、柔らかい刷毛でほこりを払う…水拭きはしない
・防虫剤を近くに置く…カツオブシムシなどの虫害を防ぐ
・アクリルケースに入れる…ほこり・虫・湿気をまとめて防げる

毛が抜ける、形が崩れるといった変化が出たら、制作した業者に修理を相談してください。

剥製以外でペットの思い出を永久に残す7つの方法

剥製以外にペットの思い出を残す方法

剥製は費用も期間も重く、家族の合意も要ります。「姿そのものでなくてもいい」と思えるなら、選択肢は広がります。

方法 費用の目安 いつ準備するか
毛・ヒゲ・爪を残す ほぼ0円 当日中(後からは取れない)
手形・足形 2,000〜5,000円 当日中(体が硬くなる前)
遺骨ペンダント 5,000〜4万円 火葬後でよい
メモリアルダイヤモンド 20万〜100万円超 火葬後でよい
3Dフィギュア・そっくりぬいぐるみ 2万〜10万円 いつでも(写真があれば可)
フォトブック 3,000〜1万円 いつでも
プリザーブドフラワー・ミニ仏壇 5,000〜3万円 葬儀後でよい

この表で見てほしいのは右の列です。毛・ヒゲ・爪と、手形・足形は、当日を逃すと二度と取れません。剥製にするか悩んでいる間に、この2つだけは先に済ませてください。両方で30分もかかりません。

毛・ヒゲ・爪は、汚れを落として乾かしてから封筒や小瓶に入れます。手形・足形は粘土やインクのキットで取れ、体が硬くなる前のほうがきれいに取れます。硬直が始まる時間の目安は猫・犬の死後硬直はいつから?生き返る?解けるまでの時間と安置をご覧ください。

3Dフィギュアは、剥製に抵抗のある家族がいる場合の落としどころとして選ばれています。お体を業者に預けないので、火葬と並行して進められます。メモリアルダイヤモンドは費用が剥製と同じ水準ですが、置き場所を取らない点が大きく違います。

剥製の依頼でやってはいけない6つのこと

よくあるのが、急ぐべきところで迷い、決めるべきところで急いでしまうケースです。次の6つは避けてください。

1. 業者を比べているうちに時間を過ごす…状態が落ちれば選択肢そのものが消えます。まず1社に受けられるか確かめてください
2. 体重制限を確認しない…フリーズドライで話を進めたあと、上限を超えていると分かることがあります
3. 正面の写真1枚で頼む…横顔と後ろ姿の再現度が落ちます

4. 遺骨も残ると思い込む…フリーズドライでは残りません。契約前に確かめてください
5. 家族に事後報告する…完成品が届いてから反対され、置き場所がなくなった例があります
6. 「今すぐそばに置きたい」だけで決める…半年から1年たつと、悲しみの形は変わります

よくある質問

Q. ペットの剥製はどこに頼めばいいですか?

剥製専門の工房か、フリーズドライを扱う標本会社です。動物病院やペット霊園が窓口になることは、基本的にありません。受付を止めている工房も多いので、サイトの更新日を見たうえで、電話がつながるかまで確かめてから決めてください。

Q. 剥製とフリーズドライ、どちらを選ぶべきですか?

遺骨を残したいなら伝統技法、体つきの自然さを重視するならフリーズドライです。ただ現実には、伝統技法の工房が減っているうえ、フリーズドライには体重の上限があります。「どちらを選ぶか」より「いま受けてくれるか」で絞られることのほうが多いのが実情です。

Q. いつまでに連絡すればいいですか?

当日中が理想で、遅くとも翌日には電話してください。業者が受け取った時点の状態が、仕上がりの上限を決めます。深夜や休業日で連絡がつかないときは、まずお体を冷やし、朝いちばんに電話してください。

Q. 剥製にすると火葬はできなくなりますか?

伝統技法では皮だけを使うため、残りを火葬して遺骨を返してもらえる業者があります。フリーズドライはお体ごと乾燥させるので、遺骨は残りません。技法と業者で変わるので、契約前に確かめてください。

Q. 生前に相談しても大丈夫ですか?

むしろ勧められています。高齢や闘病中の段階で問い合わせておけば、受付枠・体重の条件・費用・搬送方法を先に把握できます。そのときが来てから調べ始めるより、考える時間がはるかに増えます。

Q. 完成した剥製が思っていた顔と違いました。作り直せますか?

顔まわりの手直しに応じる業者はありますが、一度縫い合わせた皮を大きく作り替えることはできません。だからこそ、発注時の写真の枚数とポーズの伝え方が大事になります。「散歩から帰って玄関で伏せているときの顔」のように、場面ごと言葉にして伝えてください。

出典・参考にした公的資料

料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人:メモリアルキャリー編集部
ペットのご遺体安置装置「メモリアルキャリー」を運営する株式会社ペトリーの編集部です。ご家族からのご相談と、実際のご安置の現場で得た知見をもとに記事を作成しています。

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