犬が亡くなったら冷やす場所はお腹|正しい冷やし方と応急処置
最終更新日:2026年9月25日(内容を全面的に見直しました)
犬が亡くなったら、最初に冷やす場所はお腹です。傷みは内臓のあるお腹から始まるため、頭や背中だけを冷やしても進行はほとんど止まりません。優先順位はお腹 → 首・頭 → 背中。保冷剤は必ずタオルを1枚挟み、お腹は体の下と上から挟むように当ててください。
夏にお腹を冷やさずにいると、数時間で膨らみとにおいが出はじめます。保冷剤が1個しかなくても、まずお腹に当てることから始めてください。この記事では、部位ごとの当て方、体格別の配置、保冷剤がないときの代用、ちゃんと冷えているかの確かめ方を、今この場でできる順に並べます。

この記事の要点
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犬が亡くなったら冷やす場所は「お腹」が最優先
ご遺体の傷みは、体の表面からではなく、お腹の内側から始まります。胃や腸の中にいた細菌が、亡くなった直後から腸の壁を越えて広がっていくためです。進むとお腹が張って膨らみ、においが出て、皮膚の色が変わってきます。
つまり、お腹を冷やさずに他の場所をいくら冷やしても、傷みの本体には効いていません。逆にお腹さえしっかり冷やせていれば、進行はかなり抑えられます。保冷剤の数が足りないときは、迷わずすべてお腹に回してください。
いちばん多い失敗が「顔まわりだけ冷やす」ことです。お顔を見ていたい気持ちから、つい頭のそばに保冷剤を集めてしまいます。まずお腹、余った分を首と頭へ。この順番だけは崩さないでください。
【部位別】犬のどこを冷やす?優先順位と当て方
横向きに寝かせた状態を前提に、冷やす場所を優先順位の高い順に並べます。「なぜそこなのか」と「当て方の注意」を合わせて確認してください。
| 部位(優先順位) | 冷やす理由 | 当て方の注意 |
|---|---|---|
| お腹(最優先) みぞおち〜下腹部 |
胃・腸・肝臓が集まり、傷みがここから始まる | 体の下と上から挟む。下に敷いた分は体の重みで密着する |
| 首・喉元(2番目) | 太い血管が通り、熱がこもりやすい | 細い部位なので小さめを。首の下に薄く敷く程度に |
| 頭(2番目) 後頭部 |
お顔まわりの変化を遅らせる | お顔の上には載せない。後頭部の下に敷く |
| 背中・腰(3番目) | 筋肉が厚く体温が残りやすい | 体の下に敷き込む。大型犬ほど重要になる |
| 脇の下・内もも(補助) | 体温が最後まで残りやすい | お腹・首・頭が済んでから沿わせる |
| 足先・しっぽ(不要) | もともと熱が残りにくい | ここに使う1個はお腹へ回す |
表の中で意外に思われるのが、お腹は下に敷くほうが効くという点です。上に載せるだけだと、毛の層が空気を含んで冷気が届きにくくなります。体の下に敷いた保冷剤は、体の重みで密着します。1個しかないなら、お腹の真下に置いてください。
頭はお顔の上に載せず、後頭部の下に敷きます。重みでお顔の形が変わるのを防げますし、お顔が見える状態を保てるほうが、ご家族の気持ちの面でも穏やかに過ごせます。
【体格別】小型犬・中型犬・大型犬の配置
同じ「お腹を冷やす」でも、チワワとゴールデンレトリバーでは必要な量がまったく違います。ハードタイプ(1個350〜500g)を基準にした、同時に当てる数と配置の目安です。
| 体格 | 同時に当てる数 | 配置の内訳 |
|---|---|---|
| 小型犬(10kg未満) チワワ・トイプードルなど |
4〜6個 | お腹に2個(下1・上1で挟む)/首元に1個/後頭部の下に1個。余裕があれば脇の下に1〜2個 |
| 中型犬(10〜25kg) 柴犬・ビーグルなど |
6〜10個 | お腹に3〜4個(下2・上1〜2)/首と頭に2個/背中か腰の下に1〜2個。余裕があれば脇の下と内ももに2個 |
| 大型犬(25kg以上) ゴールデン・ラブラドールなど |
10個以上+1kg級を併用 | お腹に4〜5個(下2〜3・上2)/首と頭に2個/背中と腰の下に2個以上/脇の下と内ももに2個 |
ここに書いたのは「今この瞬間に体へ当てる数」です。保冷剤は溶けるので、これとは別に交換用が要ります。交換用を含めて家にそろえる総数は、この表の2倍です。小型犬なら8〜12個、中型犬なら12〜20個、大型犬なら20個以上になります。
大型犬は、保冷剤だけでは体の芯まで冷やしきれません。体積が大きく、中心部の熱が抜けにくいためです。夏場は交換も追いつかないので、最初からドライアイスの併用を考えてください。買い出しの前に、体格別の数と交換頻度を犬が亡くなったら保冷剤は何個?体格別の量・置く場所・交換頻度で確かめておくと二度手間になりません。
今すぐできる応急処置の手順
亡くなった直後から、やることを順に並べます。上から進めれば、全体で1時間ほどです。
| 手順 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1 | エアコンを最低設定にし、日の当たらない床にご遺体を置く | エアコンだけでは保冷にならない。あくまで下準備 |
| 2 | 硬直が始まる前に、手足を折りたたんで丸い姿勢にする | 硬くなり始めていたら無理に曲げない |
| 3 | 口・鼻・肛門の体液を拭き、全身を固く絞ったタオルで拭く | 最後は乾いたタオルで水気を取る |
| 4 | 下から、ペットシーツ → バスタオル → 愛犬の順に重ねる | 結露と体液をここで受け止める |
| 5 | お腹の真下に保冷剤を敷き、上からも当てて挟む | すべてタオルを1枚挟んでから |
| 6 | 首・後頭部・背中の順に足し、薄手のタオルで覆う | お顔は出しておいてよい。ビニールで密閉しない |
| 7 | スマートフォンで交換のアラームを繰り返し設定する | 夏は3〜4時間、冬は6時間おき |
見落とされやすいのが手順7です。ここを飛ばすと、ほぼ確実に保冷剤が溶けきります。ご家族が交代で見る場合も、担当と時間を最初に決めておくと抜けません。
姿勢の整え方や体の拭き方まで含めた安置全体の流れはペット遺体の安置方法|自宅の置き場所と火葬までの手順にまとめています。
保冷剤がない・足りないときの代用品

深夜で買いに行けない、家に数個しかない。よくある状況です。いま家にあるものと、近所のコンビニでそろうもので代用できます。
| 代用品 | 向いている部位 | 注意点 |
|---|---|---|
| 凍らせたペットボトル(500ml) | お腹・背中 | 結露が最も多い。タオルで巻き、下にペットシーツを敷く |
| 氷のう・氷枕 | 首・頭 | 水が漏れにくく、細い部位にも沿う |
| 未開封の冷凍食品(うどん・野菜など) | お腹 | 平たい袋はお腹に密着しやすい。使ったものは食べずに処分する |
| ロックアイス+ジッパー袋 | お腹・背中 | 袋は必ず二重に。空気を抜いて平らにする |
| お弁当用のソフト保冷剤 | 首・頭 | ぬるくなるのが早い。数でまとめ、交換を早める |
代用品は、保冷剤よりはるかに多くの水滴が出ます。必ずタオルで包み、濡れてきたらタオルも替えてください。体の下にはペットシーツを敷きます。毛が濡れたら、その場で乾いたタオルで押さえて水気を取ります。
ドライアイスが手に入るなら、冷やす力も持続時間も段違いです。適量を使えば約24時間もち、1日1回の交換で済みます。表面は−78.5℃あるので、置き方と量は犬の遺体のドライアイスは何日もつ?量・置き方・交換頻度を読んでから使ってください。
箱や棺に納めた場合はどこに保冷剤を置く?

発泡スチロールの箱や段ボール、ペット用の棺に納める場合も、冷やす場所の優先順位は変わりません。変わるのは置き方です。
1. 箱の底に保冷剤を敷く…お腹が来る位置には厚めに置きます
2. その上にペットシーツとタオル…保冷剤と体が直接触れないようにします
3. 愛犬を寝かせる…お腹の上・首元・後頭部の脇に保冷剤を足します
4. 薄手のタオルで覆う…ふたは閉め切らず、少し開けておきます
箱に入れると冷気が中にとどまり、床に直接寝かせるより保冷剤が長持ちします。一方で、ふたを閉め切ると結露がこもり、かえって傷みが早まります。ふたを閉め切らないこと、底にペットシーツを敷くこと。この2点だけは守ってください。
ちゃんと冷えているかを確かめる3つのチェック
保冷剤を当てただけで安心せず、交換のたびに次の3点を確かめてください。冷えているかどうかは、見た目ではなく手で触って判断します。
1. お腹が冷たいか…タオルをめくり、下腹部に手のひらを当てます。人肌のぬるさが残っていれば、保冷剤が力を失っています
2. 脇の下と内ももが冷たいか…体温が最後まで残る場所です。ここが温かければ、お腹の保冷剤を増やします
3. においが出ていないか…冷やす力が足りないときの最も早いサインです
保冷剤そのものは、指で押して柔らかくなった時点で交換です。「まだ少し冷たいから」と使い続けると、その間ずっと冷却が止まっています。時計より、触って確かめながら回すほうが確実です。
エアコンを最低設定にしても、室温は16〜18℃前後で止まります。安置に向く0〜5℃との差は、保冷剤で埋めるしかありません。エアコンは補助で、冷やす本体は保冷剤やドライアイスです。
提携先の獣医師より
ワンちゃん、ネコちゃんが亡くなった直後、お身体に残った体温により腐敗が進行してしまいます。気温が10℃を下回る季節であっても、ご遺体を即座に冷却する必要があります。腐敗は体内温度が4℃を超えると進行してしまうため、冬場でも「寒いから大丈夫」と決めつけず、適切な方法で安置してあげましょう。
小滝橋動物病院 動物医療センター グループ代表 磯野先生(メモリアルキャリー提携先)
冷やす場所でやってはいけない5つのこと
冷やす場所をめぐって、実際によく起きる失敗が次の5つです。
1. 保冷剤を毛や皮膚に直接当てる…当たっていた部分が硬く黒ずみ、元に戻りません
2. 結露で濡れたまま放置する…濡れた毛は固まり、皮膚はふやけて傷みが早まります
3. 頭だけ冷やして、お腹を放置する…この記事で最も伝えたい失敗です
4. エアコンだけで済ませる…16〜18℃前後では傷みは止まりません
5. ビニールで全身を包んで密閉する…内側が蒸れて、逆に傷みが早まります
ドライアイスを使っているときにビニールや容器で密閉すると、昇華した二酸化炭素の逃げ場がなくなり、破裂するおそれもあります。消費者庁もドライアイスによる中毒に注意を呼びかけています。下に敷くのは可、包んで閉じるのは不可と覚えてください。扱い方はドライアイスの保存方法と安全な使い方|冷凍庫NG・換気・処分にまとめています。
冷やし始めるまでの時間が結果を分ける
冷やし始めるのは、早いほど良く、遅くとも当日中です。体温が残っているうちは傷みの進みが最も速いため、最初の数時間で差がつきます。体温は1時間に約1℃ずつしか下がりません。
合わせて知っておきたいのが、死後硬直のタイミングです。亡くなってから1〜3時間で始まり、半日〜1日で全身に及んでピークになり、死後1〜3日で解けます。姿勢を整えるなら、硬直が始まる前の1〜3時間以内です。冷やし始めるのと同じタイミングで済ませてください。
気づくのが遅れても、間に合わないわけではありません。夜のあいだや外出中に息を引き取っていた場合でも、今から冷やせば進行は確実に遅くなります。「もう手遅れかもしれない」と手を止めるのがいちばんよくありません。硬直の詳しい経過は猫・犬の死後硬直はいつから?生き返る?解けるまでの時間と安置にあります。
動物病院で息を引き取った場合は、その場で保冷剤をもらえたり、簡単な処置をしてもらえたりすることがあります。帰宅まで時間がかかるようなら、遠慮せず声をかけてください。
保冷剤では足りないと感じたときの選択肢
保冷剤中心で安置できるのは、夏(室温25℃前後)で1〜2日、冬(室温15℃以下)で2〜3日が目安です。火葬の予約が取れない、家族の帰りを待ちたいなど、それ以上の日数が必要なら方法を切り替えます。
・ドライアイスを併用する…夏で4〜7日、冬で7〜10日。1日1回の交換と換気が前提です
・ペット葬儀社の冷蔵保管に預ける…0〜2℃で5〜10日。ご自宅にはいられなくなります
・安置装置を借りる…最長40日、家に置いたまま冷やし続けられます。ドライアイスも交換作業も不要です
安置装置の対応エリアは、関東一都三県と東海(静岡・愛知)です。方法ごとに何日もつかはペットの遺体保管は何日?猫・犬・小動物別の日数と延ばす方法で、3つの方法の比べ方はペットの遺体保管、自宅の限界を超える3つの方法を比較で整理しています。
よくある質問
Q. 保冷剤はお腹の上と下、どちらに置けばいいですか?
上下から挟むのが基本です。1個しかない場合は、体の下に置いてください。体の重みで密着するので、同じ1個でも下に敷いたほうがよく冷えます。上に載せるだけでは、毛の層が空気を含んで冷気が届きにくくなります。
Q. 家に保冷剤がありません。今すぐ何を使えばいいですか?
コンビニで買える凍ったペットボトルが、最も手に入りやすく、すぐ使えます。冷凍庫に未開封の冷凍うどんや冷凍野菜があれば、平たいのでお腹に密着します。どれもタオルで包み、下にペットシーツを敷いてください。
Q. 冷やしていたら体が硬くなりました。冷やしすぎでしょうか?
それは死後硬直で、冷やしたことが原因ではありません。死後1〜3日で自然に解けます。無理に手足を伸ばすと関節を傷めるため、解けてから姿勢を整え直してください。
Q. 亡くなってから半日経ってしまいました。もう遅いですか?
遅くはありません。今から冷やせば、そこから先の進行は確実に遅くなります。お腹、次に首と頭という順番は同じです。開始が遅れたぶん、夏場は交換のアラームを待たずに触って確かめてください。
Q. お腹が膨らんできました。どうすればいいですか?
傷みでガスがたまっているサインで、お腹の冷却が足りていません。保冷剤をお腹に集め、それでも進むならドライアイスへの切り替えか、火葬業者への相談を急いでください。お腹を押してガスを抜こうとするのは避けてください。見分け方はペット遺体の腐敗はいつから?サインの見分け方と段階別の対処にまとめています。
Q. 猫でも冷やす場所は同じですか?
お腹が最優先という考え方は同じですが、体が小さいぶん量や当て方の加減が変わります。猫の場合は猫が亡くなったら冷やす場所はお腹と頭|火葬までの保存とケアをご覧ください。
出典・参考にした公的資料
- 棺内のドライアイスによる二酸化炭素中毒に注意(令和5年9月21日)(消費者庁)
- 過去の気象データ検索(気温)(気象庁)
- ドライアイスから気化した二酸化炭素により急性二酸化炭素中毒(災害事例)(厚生労働省 職場のあんぜんサイト)
- 業種追加の検討「動物の死体火葬・埋葬業者」について(中央環境審議会 資料)(環境省)
料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。
火葬までのご安置に不安がある方へ
ドライアイスの交換や保冷剤の入れ替えに追われず、ご自宅で最長40日間、お別れの時間をゆっくり過ごせるレンタルのご安置サービス「メモリアルキャリー」があります。ドライアイス不要・交換不要・凍らせないため、きれいなお姿のままお見送りの準備ができます。関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)・東海(静岡・愛知)にお届け、24時間365日ご相談を承ります。
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