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ペット遺体の保管は冷蔵庫と冷凍庫どちら?判断基準を比較

保存期間と保存環境
2024年04月08日
ペットの遺体は冷蔵庫・冷凍庫で安置可能?メリットやデメリットを解説!

最終更新日:2026年7月23日(内容を全面的に見直しました)

ペットのご遺体の保管に冷蔵庫と冷凍庫のどちらを使うか。答えは原則として冷蔵です。冷凍は解凍のときに組織が崩れ、お姿が変わってしまうためです。ただし家庭用の冷蔵室に納まるのはハムスターなど小動物までで、猫や犬は入りません。決め手になるのは体格・火葬までの日数・衛生・お姿の変化・ご家族の心情の5つです。

先に結論

  • 冷蔵か冷凍かで迷ったら冷蔵。冷やすことと凍らせることは目的が違います
  • 冷凍は「もうお姿を見なくてよい」と決めた場合の最後の手段。解凍時に体液が出て、毛並みも戻りません
  • 家庭用冷蔵室の棚の間隔は25〜30cm。体重3kgの猫は丸めても直径30cm前後あり、入りません
  • 食品と同じ庫内に入れることは衛生上の問題があります。密閉できる小動物以外は避けてください
  • 犬・猫は冷蔵庫を使わない前提で考える。保冷剤・ドライアイス・葬儀業者の冷蔵保管・レンタルの安置装置の4択です

この記事は「冷蔵と冷凍のどちらを選ぶか」という判断だけを扱います。冷蔵庫に入れると決めたあとの具体的な手順は冷蔵庫でのご安置の手順、冷凍を選んだ場合の実際はペットのご遺体を冷凍保存する方法にまとめてあります。

ペットの遺体の保管に冷蔵庫と冷凍庫のどちらを選ぶか

冷蔵と冷凍の違いは「戻したときのお姿」に出る

どちらも温度を下げて腐敗を遅らせる、という点では同じです。違いは、細胞が凍るかどうかにあります。

ご遺体の傷みは、体内の細菌と酵素のはたらきで進みます。温度を下げればその速さは落ちます。安置に適した温度は0〜5℃、7日以上の長期なら0〜2℃。この帯を保てば、腐敗はかなりの程度まで抑えられます。葬儀業者や動物病院の霊安室が0〜2℃で管理しているのは、そのためです。冷蔵はこの考え方に沿っています。

一方、冷凍は−18℃前後まで下げて、時間を止めるのに近い状態を作ります。腐敗はほぼ完全に止まります。ただし代償があります。体内の水分が氷の結晶になるとき、細胞の膜を内側から破ってしまいます。そのため解凍したときに組織が崩れ、体液がしみ出し、毛並みも生前の状態には戻りません。皮膚の色が変わることもあります。

「あとでもう一度お顔を見たい」「家族が帰ってきたら対面させたい」——そう考えているのであれば、冷凍は選ばないでください。凍らせた時点で、その対面のときのお姿は変わってしまいます。

冷蔵か冷凍か——5つの基準で比べる

感情で決めようとすると答えが出ません。次の5つに分けて、ご自分の状況に当てはめてください。この表がこの記事の中心です。

判断の基準 冷蔵(冷蔵室・チルド室) 冷凍(冷凍室)
①体格 密閉容器に納まる小動物のみ。棚の間隔は25〜30cm 冷蔵室よりさらに狭い。引き出し式で高さがない
②火葬までの日数 小動物で3〜5日が目安 それ以上も止められるが、日数のために払う代償が大きい
③衛生 食品と同じ庫内。完全密閉が必須条件 同じ問題に加え、霜を通じて庫内全体に広がる
④お姿の変化 ほぼそのまま。乾燥と毛の張りつきに注意 解凍時に組織が崩れ、体液が出る。元に戻らない
⑤ご家族の心情 毎日扉を開ける場所。反対する家族がいれば使わない 「凍らせた」という記憶が長く残りやすい
向いている状況 ハムスター・小鳥などで、数日中に火葬する お姿の対面を望まず、他に手段がない場合のみ

①体格——そもそも入るかどうか

ここで大半の方の答えが決まります。ハムスター、小鳥、ハリネズミのように、ふた付きの保存容器やジッパー袋で完全に密閉できる大きさなら、冷蔵室は物理的にも温度的にも成り立ちます。うさぎやフェレットになると庫内の高さ次第。猫と犬は入りません。

ハムスターの場合は、入れる前にひとつだけ確かめてください。気温が下がった時期には、亡くなったのではなく擬似冬眠に入っていることがあります。体が硬く冷たくても、暖めると戻る場合があります。小動物のご安置については冷蔵庫でのご安置で詳しく扱っています。

②火葬までの日数——何日必要かを先に決める

日数が分からないまま保管方法を選ぶと、たいてい途中で行き詰まります。先に火葬先へ電話し、いちばん早い枠がいつかを聞いてください。その日数が決まれば、方法は自動的に絞られます。

小動物を冷蔵室に入れる場合、目安は3〜5日です。それ以内に火葬できるなら冷蔵で足ります。1週間、2週間と空くのであれば、家庭の冷蔵庫ではなく別の手段を考えるほうが現実的です。冷凍でその期間を稼ぐことはできますが、お姿と引き換えになります。

③衛生——食品と同じ庫内という問題

ご遺体そのものが特別に不潔なわけではありません。ただ、動物の体には生きているときからサルモネラ菌やカンピロバクターなどの常在菌がいます。亡くなって免疫が働かなくなると、それらが腸内から全身へ広がります。体液が一滴でも庫内に垂れれば、そこが食品に移る経路になります。

だから条件は「完全に密閉できるかどうか」の一点です。ジッパー袋を二重にする、ふた付きの保存容器に入れる、冷蔵室の最下段に置く。ここまでできるなら衛生上のリスクはほぼ避けられます。密閉できないなら、冷蔵庫は使わないでください。

冷凍室のほうが衛生的だと考える方もいますが、そうとは限りません。低温で菌は死なず、活動を止めているだけです。霜がつけば、その霜が庫内全体に回ります。

④お姿の変化——ここが冷凍を勧めない最大の理由

冷蔵であれば、お姿はほぼそのまま保たれます。注意点は乾燥で、密閉が甘いと目や鼻の周りから水分が抜け、毛が張りつくことがあります。

冷凍は違います。凍った水分が細胞を壊すため、解凍したときに組織が崩れます。体液がにじみ、毛が濡れて固まり、皮膚の色が変わることもあります。火葬に立ち会う直前に対面して、想像と違うお姿に驚かれる方がいます。この変化は元に戻せません。

また、凍ったままでは火葬できない場合があります。業者によっては解凍の時間を求められ、追加費用がかかることもあります。冷凍を選ぶ前に、必ず火葬先へ「冷凍したものを火葬できるか」と確認してください。

⑤ご家族の心情——技術ではなく、後に残る記憶の問題

冷蔵庫も冷凍庫も、毎日何度も開ける場所です。扉を開けるたびに目に入ることが支えになる方もいれば、耐えられない方もいます。とくに同居のご家族やお子さんに何も言わずに入れると、後々まで残るしこりになります。

ご相談のお電話でも「自分は納得していたけれど、家族が食事を作れなくなってしまった」というお話を伺います。ご家族の誰か一人でも強く抵抗があるなら、冷蔵庫も冷凍庫も使わない。判断材料としては、この項目がいちばん重いこともあります。

ペットの遺体を冷蔵庫に入れるかどうかの判断基準

3つの質問で答えが出ます

上から順に答えてください。どこかで止まれば、そこが結論です。

  1. 密閉できる容器に納まる大きさですか。→ いいえなら、冷蔵庫・冷凍庫はどちらも使えません。保冷剤やドライアイスへ進んでください
  2. ご家族全員が納得していますか。→ 一人でも反対なら、使わないでください。後に残ります
  3. 火葬まで何日ありますか。→ 3〜5日以内なら冷蔵室。それ以上なら、冷凍ではなく葬儀業者の保管かレンタルの安置装置を検討してください

この3つを通っても冷凍を選ぶ理由が残るのは、「お姿をもう一度見ることは望まない」「他に手段がない」という場合に限られます。そのときも、火葬先への事前確認だけは済ませておいてください。

家庭用冷蔵室の棚は25〜30cm——猫が入らない理由

「うちの猫なら入るのでは」と考える方は多いのですが、実際に測ると難しいことが分かります。国内の一般的な冷蔵室は、棚と棚の間隔が25〜30cm、奥行きが35〜40cmほど。これに対し、体重3kgの猫は手足を畳んで丸めた状態でおおよそ直径30cm前後です。

棚を1枚外せば入る家庭もありますが、その場合は庫内の食品をすべて別の場所へ移す必要があります。扉を開け閉めするたびに容器がずれ、無理に押し込めば手足の向きが変わって、そのまま固まってしまいます。冷凍室はさらに条件が悪く、多くの機種が引き出し式で高さがありません。

温度だけを見れば、冷蔵室は理にかなっています。メーカー公称でおおむね2〜6℃、チルド室は0〜2℃で、業者の霊安室に近い温度帯です。問題は温度ではなく、寸法と衛生と気持ちの3つだけです。

チルド室・パーシャル・野菜室——どこに入れるか

ひとくちに冷蔵庫といっても、庫内は温度の違う部屋に分かれています。「冷蔵か冷凍か」を決めたあと、次に迷うのがここです。ご安置に適した温度は0〜5℃、7日以上そばに置くなら0〜2℃という基準に照らすと、答えははっきりします。

庫内の場所 おおよその温度 ご安置に使えるか
チルド室 0〜2℃ 最適。凍らず、長期の目安である0〜2℃に合う。ただし狭く、納まるのは小動物だけ
冷蔵室 2〜6℃ 使える。棚を選べば容器を安定して置ける。扉の開閉で温度が上がりやすい点だけ注意
パーシャル室 −3℃前後 おすすめしない。表面が半分凍る温度帯で、毛や皮膚の状態が変わることがある
野菜室 3〜8℃ 温度が高く、ご安置には力不足。広さで選びたくなるが、傷みは止まらない
冷凍室 −18℃前後 完全に凍る。解凍時にお姿が変わるため、最後の手段

迷ったらチルド室、入らなければ冷蔵室の最下段です。最下段を勧めるのは、万一体液が漏れたときに下の食品を汚さないためと、冷気が下にたまるためです。野菜室は広さに惹かれる方が多いのですが、3〜8℃では傷みを十分に抑えられません。パーシャル室は、凍らせないという冷蔵の利点をなくしてしまいます。

冷凍を選ぶ前に、必ず確認する3つのこと

それでも冷凍しかない、という状況はあります。真夏に火葬の枠が数日先までいっぱい、遠方のご家族の到着を待つ、といった場合です。決める前に、次の3つだけは確かめてください。凍らせてからでは、どれも取り返しがつきません。

1. 火葬先が冷凍したご遺体を受け入れるか。「冷凍しているのですが、そのまま火葬していただけますか」と電話で聞いてください。断られることは多くありませんが、解凍してからの受け入れになる業者、解凍のための時間や追加費用が必要になる業者があります。予約の可否と一緒に確認しておけば、当日あわてずに済みます。

2. 最後にお顔を見る機会を、いつにするか。凍らせる前が、生前に近いお姿で会える最後になります。ご家族が遠方にいるなら、その到着を待って対面してから凍らせるほうが、あとに残るものが違います。写真や足型を残すなら、このタイミングです。

3. 解凍のときに何が起きるかを、先に知っておくか。解凍すれば体液が出て、そこから傷みは急に早く進みます。つまり冷凍は「火葬の日を自由に選べるようになる方法」ではありません。解凍を始めたその日のうちに火葬まで進める段取りが要る、という条件つきの延長です。そこまで含めて引き受けられるかどうかが、最後の判断材料になります。実際の手順と後始末はペットのご遺体を冷凍保存する方法にまとめています。

犬・猫はどうするか——冷蔵庫以外の4つの選択肢

冷蔵庫が使えないと分かったら、次はここから選びます。火葬までの日数で決めてください。

方法 夏(室温25℃前後) 冬(室温15℃以下) 向いている状況
何もしない(常温・冷房なし) 半日〜1日 1〜2日 今から支度を始める間だけ
保冷剤(+冷房) 1〜2日 2〜3日 翌日・翌々日に火葬する
ドライアイス(毎日補充) 4〜7日 7〜10日 1週間前後待つ。買い足しと1日1回の交換が必要
葬儀業者の冷蔵保管(0〜2℃) 5〜10日 5〜10日 自宅に置けない事情がある。そばにはいられない
レンタルの安置装置 最長20日 最長20日 自宅で長く一緒にいたい。交換作業をしたくない

保冷剤やドライアイスを使うときは、発泡スチロール箱に納めると冷気が逃げにくくなります。箱の入手先やサイズの選び方は発泡スチロール箱でのご安置にまとめました。当てる場所や数は保冷剤の正しい使い方をご覧ください。

メモリアルキャリーは、この表のいちばん下にあたるレンタルのご安置装置です。ご自宅に置いたまま最長20日間、ドライアイスの補充も保冷剤の交換もいらず、凍らせないためお姿が変わりません。冷凍を考えるほど日数が必要な方に選ばれています。お届けは関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)と東海(静岡・愛知)です。

ペットの遺体を安置する方法の選び方

選ぶときによくある失敗

  • 「長くもつほうがいい」と冷凍を選んだ。日数は延びますが、お姿と引き換えです。何日必要かを先に確かめてから決めてください
  • 火葬先に確認せずに凍らせた。凍ったままでは受け付けない業者、解凍の時間と追加費用を求める業者があります。凍らせる前に電話を
  • 家族に相談せずに冷蔵庫へ入れた。あとから知ったご家族が食事を作れなくなる、という事例があります
  • 密閉せずに冷蔵室へ入れた。体液が庫内に落ちると、食品に移る経路ができます。二重の袋かふた付き容器が最低条件です
  • 入るかどうか測らずに押し込んだ。手足の向きが変わったまま固まると、元に戻せません
  • 冷やす前に長時間そのままにした。いちばん傷みが進むのは、何もしていない最初の数時間です。箱や容器を探す前に、まず保冷剤をお腹に当ててください

よくある質問

ペットのご遺体を冷蔵庫で保管しても大丈夫ですか?

密閉できる大きさの小動物であれば可能です。冷蔵室の温度は安置に適した0〜5℃とほぼ同じで、理屈のうえでは業者の保冷設備に近い環境です。条件は、ふた付き容器やジッパー袋で完全に密閉すること、ご家族の同意があることの2つ。犬や猫は庫内に納まらないため、別の方法を選んでください。

ハムスターの遺体を冷蔵庫に入れてもいいですか?

問題ありません。体が小さく密閉しやすいため、冷蔵室でのご安置がもっとも現実的な小動物です。目安は3〜5日。乾燥しやすいので、密閉を確実にしてください。入れる前に、寒い時期の擬似冬眠でないことだけは確認してください。

冷凍庫のほうが長く保管できますか?

日数だけを見れば長く止められます。ただし解凍のときに組織が崩れ、体液が出て、毛並みも戻りません。お姿を保ったまま日数を延ばしたいのであれば、冷凍ではなく葬儀業者の冷蔵保管か、ご自宅に置けるレンタルの安置装置のほうが目的に合います。

一度冷凍してしまいました。もう火葬できませんか?

火葬はできます。ただし業者によっては解凍してからの受け入れになり、時間と追加費用がかかることがあります。まず葬儀業者に電話し、冷凍していることを正直に伝えてください。解凍のときは体液が出るため、ペットシーツやタオルを厚めに敷いた状態で行い、解凍後は傷みが早く進むので、その日のうちに火葬まで進めてください。

途中で冷蔵から冷凍に切り替えてもいいですか?

切り替えること自体はできますが、切り替えた時点でお姿は戻らなくなります。冷蔵で数日過ごしたあとに凍らせても、それまでに進んだ変化が元に戻るわけではなく、そこから先が止まるだけです。日数が足りないと分かった時点で選ぶなら、冷凍より葬儀業者の冷蔵保管か、ご自宅に置けるレンタルの安置装置のほうが目的に合います。なお、使ったあとの庫内の清掃については冷蔵庫でのご安置の手順で扱っています。

冷蔵庫を使いたくありません。他に方法はありますか?

あります。むしろ犬や猫の場合は、冷蔵庫を使わないほうが一般的です。冷房を最低温度まで下げた部屋で、発泡スチロール箱に納め、保冷剤かドライアイスで冷やす方法が基本になります。火葬まで日数が空くなら、葬儀業者の冷蔵保管や、ご自宅で最長20日間ご安置できるレンタルの装置という選択肢もあります。まずは火葬までの日数を確かめることから始めてください。

提携先の獣医師より

ワンちゃん、ネコちゃんが亡くなった直後、お身体に残った体温により腐敗が進行してしまいます。気温が10℃を下回る季節であっても、ご遺体を即座に冷却する必要があります。腐敗は体内温度が4℃を超えると進行してしまうため、冬場でも「寒いから大丈夫」と決めつけず、適切な方法で安置してあげましょう。

小滝橋動物病院 動物医療センター グループ代表 磯野先生(メモリアルキャリー提携先)

出典・参考にした公的資料

料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。

この記事を書いた人:メモリアルキャリー編集部
ペットのご遺体安置装置「メモリアルキャリー」を運営する株式会社ペトリーの編集部です。ご家族からのご相談と、実際のご安置の現場で得た知見をもとに記事を作成しています。

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