ペットの遺体はドライアイスや保冷剤の使用で長期保存できる?
長年一緒に暮らしてきたペットは大切な家族です。
亡くなったのを受け止められず少しでも長く一緒にいたいと思う方も多いでしょう。
ですが、ペットの遺体を何もせずそのままにしておけるわけではありません。
安らかに旅立てるよう、お別れの準備をしてあげる必要があります。
この記事では、ペットの遺体を長期保存する方法や必要となる処置を詳しく説明。
長期保存が可能な目安の室温も併せて解説していきます。
最良のお別れの日を迎えられるよう、できる限り綺麗な身体で送り出してあげましょう。
ペットの遺体を長期的に保存するには?
最愛のペットとのお別れは家族全員で送り出してあげたい、火葬の日程が合わない理由から長期保存しなければならない場合もあるでしょう。
長い期間の安置が必要なとき、ペットの遺体は長期保存できるのでしょうか?
ペットの遺体をそのままにしていると腐敗してしまいます。
どうしたらよいの?と不安になる方もいますよね。
傷みを遅らせ効率的に保冷するには、ドライアイスや保冷剤を用意しペットの遺体を長期的に冷やす必要があります。
長期的な保存にドライアイスは効率的ですがペットの遺体を保存する際、いくつか注意が必要です。
保存方法やドライアイスと保冷剤の違いを詳しくご紹介していきます。
また、ペットのサイズによって遺体を冷凍庫で保存する方法もあるのでみていきましょう。
大切なペットの遺体を長期保存する場合、できる限り奇麗な状態で送り出せるよう、ぜひ参考にしてください。
ペットの遺体を長期保存するポイントは「冷やす」こと
ペットの遺体を長期保存する際、冷やすことが重要です。
ドライアイスや保冷剤でしっかりと冷やすことで遺体の腐敗を遅らせます。
ペットが亡くなったら4時間以内に身体を冷やすと奇麗な状態を維持してあげられるでしょう。
ペットの遺体は冷やすことで腐敗を遅らせることができる
動物が亡くなり3~5日ほどで悪臭(腐敗臭)がしてきます。
身体から体液、糞便など時間が経つと強烈な臭いを放つようになるでしょう。
そうなると旅立つペットや飼い主様がとても辛い思いをしてしまいます。
大切なペットの最後の時間はお互い最良の日となるよう腐敗の進行を遅らせるのは重要です。
最後の時間が辛い空間とならないよう、長期的に保存が必要であればペットの遺体を冷やし腐敗を遅らせましょう。
一般的には、ドライアイスや保冷剤で遺体を冷やし涼しい場所に安置します。
ペットの遺体を効率よく冷やすために保冷剤やドライアイスを用意
ペットの遺体を効率よく冷やすために保冷剤やドライアイスを用意し安置します。
ご自宅に置いてある方も多いのが、食品を保冷する際の保冷剤です。
お店などで使用されている保冷剤は問題なく使用できます。
ない場合、スーパーなどで購入するとよいでしょう。
保冷性に優れているのが、ドライアイスです。
約-79℃の低温で氷より冷たく製氷店やスーパー、インターネットなどで販売されています。
保冷剤とドライアイスの違い
市販の保冷剤は冷却力が弱く保冷時間も短いため腐敗の進行が早いです。
約-79℃のドライアイスは冷却力に優れています。
料金は
・5kg(小動物、小型犬、猫等)7,700円(税込)
・10kg(中型犬、大型犬等)9,900円(税込)
を目安として36~48時間は使用可能です。
*環境により使用可能時間は前後する可能性があります。
保冷剤とドライアイスの比較表は以下の通りです。
ドライアイスでペットの遺体を保存する際の注意点
冷却力は優れているドライアイスですが取り扱いに注意が必要です。
二酸化炭素を固体にしたドライアイスは約-79度なので素手で触ると凍傷になる恐れがあります。
軍手、手袋を着用しましょう。
棺の中には二酸化炭素が充満しています。
高濃度の二酸化炭素は吸ってしまうと中毒となる危険性があります。
ドライアイスでペットの遺体を保存している場合、棺に顔を近づけるのは避けましょう。
また、換気を十分におこない部屋に二酸化炭素が充満しないよう注意が必要です。
ペットのサイズによっては遺体を冷凍庫で保存する方法も
小さいペットの遺体なら冷凍庫で冷やす方法もあります。
例えば、ハムスターや小鳥など家庭用の冷凍庫に入る大きさである場合、ペットの遺体を冷凍保存が可能です。
冷凍庫に保存する際に、冷凍庫内に保管している他の食品と接触しないよう注意しましょう。
ペットの身体は細菌を持っている可能性があるので長期保存をどうしてもしたい場合以外おすすめしません。
小型のペットの遺体は冷凍保存の際、遺体はタオルで包み厚手のビニール袋は遺体が出ないよう二重にします。
袋の口はしっかりと縛りましょう。
ペットの遺体が入る大きさの容器がある場合、容器でも利用できます。
ペットの遺体を長期保存するために必要なその他の処理や保存方法
時間の経過とともに遺体の状態が悪くなるのを防ぐため室温は可能な限り下げます。
直射日光の当たらない部屋に移動させましょう。
死後硬直が始まる前に手足を自然に伸ばし体勢を整えます。
お湯で濡らしたガーゼ、やわらかいタオルで全身を拭き身体を清め、そのあと毛並を整えましょう。
遺体を納める前に、ペットシートを敷きその上にタオルなど吸水性のよいものを重ねます。
身体の周りやお腹を中心にタオルなどでくるんだ保冷剤などを置きペットの遺体を冷やすことが重要です。
ペットの遺体を整える
ペットの遺体を寝かせる場合、手足は自然に伸ばし仰向けに寝かせます。
手足を自然に伸ばすのは死後硬直が始まった際に、身体が固く変形するのを防いでくれるからです。
また、仰向けにすると口や鼻から体液が流れ出るのをある程度、防いでくれます。
体液は時間の経過により落ち着きますが遺体が汚れないよう脱脂綿やコットンでこまめに拭き取りましょう。
量が多い場合、処置として脱脂綿やコットンを詰めます。
葬儀の際に必要なものの準備や手配を進める
ペット霊園や火葬の依頼は事前予約が必要となり霊園に依頼しない場合、火葬業者に直接依頼します。
遺体の引き取りも事前に確認しておくと安心です。
生前ペットが好きだったおもちゃやご飯、ペットの単独写真や淡い色の花を準備しましょう。
葬儀業者に連絡する他に死後30日以内に市役所に死亡届を提出する必要があるのが犬です。
提出する際、死亡届の用紙、鑑札、登録証が必要となります。
市区町村により異なりますが役所窓口への提出か郵送での提出が一般的です。
ペットの遺体は最大何日間、長期保存が可能か
ペットの遺体の状態や室内の温度などさまざまな状況にもよりますが通常保存できる期間は1~3日です。
ペットの遺体にドライアイスで充分な保冷安置がなされ適切な処置をおこなうと、最長10日程度は腐敗を遅らせ奇麗な状態を保てます。
春や秋のペットの遺体の長期保存可能な日数の目安や室温
気温や湿度が比較的穏やかな春や秋は夏より長めに保存が可能となりドライアイスの使用で4~6日が目安です。
季節の変わり目は気温の変化が大きく遺体の腐敗の進行が早くなることも考えられます。
遺体安置の環境は高温多湿にならない状態が重要です。
環境下により十分な保冷ができない場合があります。
2~3日ほど自宅での安置を前提に温度を考えた場合、室内、ペットの遺体は10~15度ほどがよいでしょう。
春は特に花粉、湿気の影響から遺体の状態が変わりやすいので注意が必要です。
夏のペットの遺体の長期保存可能な日数の目安や室温
亡くなったペットの遺体の保存期間は1~3日が目安です。
気温が高いと遺体は腐敗の進行がはやくなるので、夏は常に冷房をつけた状態にします。
2~3日ほど、ご自宅での安置されるのを前提に室温はおおよそ10~15度がよいでしょう。
冬のペットの遺体の長期保存可能な日数の目安や室温
冬は暖房の温度をあげないようにします。
ペットの遺体を腐敗させない奇麗な状態を保つには1週間以上の場合、身体の温度は0度以下に保つ必要があるでしょう。
腐敗の進行を遅らせるには5度ほどの温度に身体全体を保つとよいとされています。
自宅での遺体保管を2~3日の目安とした場合、冬場は暖房を止めて室温は25度以下に保ちましょう。
まとめ
ペットの遺体は適切な処置をおこなうと長期保存が可能です。
亡くなったペットの状態や室内の温度などでも変わりますが、ドライアイスで保冷する遺体安置は腐敗の進行を遅らせます。
愛するペットとのお別れは適切なタイミングで最後の時間はペットも飼い主様も心穏やかに迎えられるとよいでしょう。