何日保存できる?ペットの遺体の安置期間や方法・手順ガイド
大切なペットが亡くなったら、飼い主さんはその遺体を供養してあげなければいけません。
しかし、すぐに火葬場や霊園が利用できるとは限りません。
遠方の親族にもお別れを言わせてあげたいからお葬式までは少し待ちたいということもあるでしょう。
今回は、ペットの遺体は何日くらい安置しておけるのか、解説します。
安置の方法や手順もあわせて解説するので、ぜひ参考にしてください。
ペットの遺体を安置できる期間とは
動物が生きている間は、体内に細菌が侵入しても免疫機能が体を守ってくれます。
しかし、死亡して免疫機能が停止すると、体内の細菌のバランスが崩れて体を構成する成分を分解されてしまいます。
これが、動物が死亡したあとに起こる腐敗です。
そして、腐敗は温度や湿度などの環境によって速度が変わります。
では、腐敗をおさえて遺体を安置していられるのは、どれくらいの期間なのでしょうか。
夏の場合
夏場でも、2日ほどは自宅でも遺体の安置が可能です。
ただし、これはもちろん適切な対処をおこなった場合の話。
冷房で室温を下げたうえで、ドライアイスなどを使い遺体自体の温度も低く保つように処置できていることが前提です。
とはいえ、夏の気温のなかでも1時間や2時間で、腐敗がいちじるしく進行してしまうということはありません。
ペットが亡くなったら、まずは飼い主さん自身の心がある程度落ち着く時間を取ってから、安置の支度をしましょう。
冬の場合
気温と湿度の下がる冬場は、遺体の腐敗もある程度遅くなります。
遺体に虫が寄ってくることも、夏に比べると少ないでしょう。
それでも、冷却や除湿をおこなったうえで安置していられるのは、長くても3日ほどです。
また、寒いからといって暖房を付けていると、当然ながら遺体の温度も上がってしまいます。
寒ければずっと置いておけるとは考えずに、通常どおりの安置はおこないましょう。
冷蔵庫・冷凍庫の場合
ハムスターや鳥、魚類など、小型のペットであれば、冷蔵庫・冷凍庫に入れて遺体を安置することも可能です。
常に温度を低く保つことができるため、1週間から2週間は腐敗をおさえておくことができます。
ただし、食品を入れている冷蔵庫を利用するのであれば、衛生面には十分注意が必要です。
密閉できるタッパーを使用し、中にタオルやガーゼなどを敷いて安置してあげましょう。
心理的に抵抗があるということも多いはずです。安置する前に、冷蔵庫を利用している方全員の了承を得ましょう。
ペットの遺体を安置する手順
ここまでは、夏場・冬場・冷凍庫を利用した場合それぞれで、遺体を置いておける期間について解説しました。
しかし、それらはあくまで遺体を適切に安置したうえでの期間です。
ここからは、姿勢の変更・清拭・納棺・冷却といった遺体を安置する方法について、順を追って解説します。
手足を優しくたたむ
死亡した動物の体には、死後硬直という現象が起こります。
死後およそ30分から1時間ほど経つと始まる、徐々に全身の関節や筋肉が硬直していく現象です。
この死後硬直が始まる前に、亡くなったペットの姿勢を整えてあげます。
手足を畳んで、おだやかに眠っているような格好にできるといいでしょう。
目や口が開いていたら、忘れずに閉じてあげます。
もしすでに死後硬直が進行してしまっていた場合は、無理に姿勢を変える必要はありません。
遺体を損壊させる原因になるため、無理やり動かさずにそっとしておきましょう。
体を拭いて毛並みを整える
ペットの遺体は、棺に納める前にまずは体を拭いてあげましょう。
きれいなタオルを使って体に付着していた汚れを取り、ブラシなどで毛並みの乱れを直してあげます。
このとき、飼い主さんからペットへと声をかけてあげるのもいいでしょう。
飼い主さんが心の整理をすることにもつながります。
また、体が弛緩することで尿やよだれなどがこぼれ出てくることもあります。
自然に起こることですので、それらも慌てずに拭き取ってあげましょう。
棺に遺体を納める
遺体をきれいにしたら、いよいよ棺に入れてあげましょう。
中にはタオルやペットシートを敷いて、あとから体液が漏れてきても受け止められるようにしておきます。
生前お気に入りだった箱を棺代わりにしてもいいですが、ペット用の棺も販売されています。
特に大型のペットは手頃な箱が見つからないこともあるため、専用の棺を用意しておくと困ることが減ります。
お花や布団などがセットになっている棺もあるので、サイズや付属品を見ながら選びましょう。
保冷する
遺体の腐敗をおさえるためには、温度を下げることが重要です。
棺の中に遺体を入れたら、保冷剤やドライアイスを使って体温を低く保ってあげましょう。
保冷剤やドライアイスを確保できなかった場合は氷を用いてもいいですが、保冷力が弱く、また溶けて遺体を汚すこともあります。
優先的に冷やすのは、頭やお腹、背中といった体温が下がりづらい箇所です。
しかし、体に直接冷却材を当ててはいけません。
凍傷を起こし、かえって腐敗が進む原因になります。
薄手のタオルなどに包んで、体に添えてあげましょう。
お供えをする
飼い主さんのもとを離れて旅立つことになるペットのために、お供え物を棺の中に入れてあげるのもいいでしょう。
お供え物には、生前好きだったおもちゃやおやつ、お花などが多いです。
ただし、火葬するのであれば、燃えないものは炉に入れる前に取り出されることがあります。
燃えない素材のおもちゃや、首輪に付いている金具などは特にわかりづらいため、あらかじめ確認しておきましょう。
ペットの遺体の安置期間内に葬儀方法を決めましょう
季節や安置方法にもよりますが、遺体をご自宅に置いておけるのは2日から3日ほど。
葬儀の方法は、その間に決めましょう。
私有地への土葬であれば飼い主さん自身でもできますが、火葬となれば業者への連絡が必要です。
どこの火葬業者を利用するのか、また遺骨を納めるのであれば霊園なども、ペットが亡くなったあとに連絡する先は、あらかじめ決めておくといいでしょう。
まとめ
一緒に日々を過ごしてきたペットの遺体と向き合うのは、悲しく苦しいことです。
しかし、大切なペットを見送ってあげるためには、適切な遺体の安置が必要となります。
ペットのために、何よりも飼い主さんが後悔しないために、お別れの準備は丁寧にしてあげましょう。