猫が亡くなったら|安置・火葬から供養までの流れ
最終更新日:2026年7月24日(内容を全面的に見直しました)
愛猫が亡くなったあとは、①安置 → ②葬儀・火葬の手配 → ③供養の順に進みます。まず亡くなってから1〜3時間以内に姿勢を整えて体を冷やし、そのあいだに火葬の方法を決めて業者へ連絡、火葬後に遺骨をどう供養するかを考えます。犬と違い、猫は死亡届の提出が不要です。この記事は各段階で「何を・いつまでに決めるか」を見渡すための地図です。整え方や冷やし方などの詳しい手順は、それぞれの専門記事にゆずり、ここでは全体の流れと猫ならではの判断ポイントを押さえます。
猫を見送るまでの全体像【流れの早見表】
まず全体を把握しておくと、いま何をすべきかで迷わずにすみます。急いで決めることと、あとでゆっくり考えていいことを、時間軸で分けて整理しました。
| 段階 | やること | いつまでに |
|---|---|---|
| ①安置 | 姿勢を整える/清拭する/お腹と頭を冷やす | 姿勢は死後1〜3時間以内、冷却はすぐに |
| ②葬儀・火葬の手配 | 合同・個別・訪問のどれにするか決めて業者に連絡 | 当日〜3日以内が目安 |
| ③火葬当日 | お別れ・立ち会い・お骨上げ(形式による) | 手配した日 |
| ④供養 | 手元供養・霊園・散骨などを選ぶ | 期限はない。落ち着いてから |
急ぐのは①と②だけです。供養の方法は、気持ちが落ち着いてからゆっくり決めて構いません。まず「今日やること」は、安置して火葬先に連絡を入れるところまで。そう考えると、やるべきことがぐっと絞られます。
亡くなってから供養までの日数の目安
全体でどのくらいの日数がかかるのか、目安を知っておくと見通しが立ちます。安置は、火葬までのあいだ。ご家庭で保冷剤と冷房を使った場合、そのまま置ける目安は夏で1〜2日、冬で2〜3日です。火葬は、連絡してから当日〜数日のうちに行うのが一般的です。混み具合や希望する形式によって前後します。供養は、火葬のあと。すぐに納骨する方もいれば、四十九日や一周忌まで手元に置く方もいて、ここに期限はありません。つまり、急いで動くのは最初の数日だけ。そのあとは、ご家族のペースで進めて大丈夫です。
①安置|まず1〜3時間以内に姿勢を整えて冷やす

亡くなったことを確認したら、火葬まで体の状態を保つために安置します。ここで大切な判断は「いつ姿勢を整えるか」と「どう冷やすか」の2つです。
猫は亡くなってから1〜3時間ほどで死後硬直が始まり、あご・首・まぶたといった小さな筋肉から固まっていきます。固まってしまうと姿勢を動かせなくなるので、目と口をそっと閉じ、手足を体に沿わせて自然な姿勢に整えるのは、硬直が始まる前に行います。硬直が始まったら無理に曲げず、解けるのを待ちましょう。硬直は死後1〜3日ほどで自然に解けます。
姿勢を整えたら、体液や汚れをやわらかい布でそっとぬぐって清拭します。亡くなった直後は尿やよだれが出ることがありますが、自然な反応なので落ち着いて対応してください。整え方や清拭の細かな所作は、猫のお姿を整えることに絞った専門記事に手順をまとめています。
次に、腐敗を遅らせるために体を冷やします。優先して冷やすのはお腹と頭です。保冷剤やドライアイスを使い、直接あてずタオルで包んで添えます。家庭で保冷剤と冷房を使った場合にそのまま置ける目安は、夏で1〜2日、冬で2〜3日です。保冷剤の当て方・必要な数といった保冷の手順は、それぞれの保冷を扱った記事で確認してください。
安置に用意しておくもの
棺の代わりになる箱(体より一回り大きいもの)、体の下に敷くバスタオルやペットシート、清拭用のガーゼ、冷やすための保冷剤かドライアイス。これらは深夜や休日にすぐそろわないこともあるため、最期が近いと感じたら早めに用意しておくと慌てずにすみます。安置する場所は、直射日光や暖房を避けた、涼しく静かなところを選んでください。
提携先の獣医師より
ワンちゃん、ネコちゃんが亡くなった直後、お身体に残った体温により腐敗が進行してしまいます。気温が10℃を下回る季節であっても、ご遺体を即座に冷却する必要があります。腐敗は体内温度が4℃を超えると進行してしまうため、冬場でも「寒いから大丈夫」と決めつけず、適切な方法で安置してあげましょう。
小滝橋動物病院 動物医療センター グループ代表 磯野先生(メモリアルキャリー提携先)
②葬儀・火葬の手配|合同・個別・訪問から選ぶ
安置と並行して、どのように見送るかを決めます。猫の火葬は、大きく次の3つの形式があります。それぞれ「遺骨が返ってくるか」「立ち会えるか」「自宅で見送れるか」が違います。
合同火葬は、ほかのペットと一緒に火葬する形式です。費用はもっとも抑えられますが、遺骨は返してもらえず、供養は霊園の合祀墓などにお任せする形になります。「遺骨は残さず、丁寧に見送れれば十分」という方に向いています。
個別火葬は、その子だけを火葬し、遺骨を返してもらえる形式です。さらに、立ち会わずお骨上げだけ行う「一任」と、火葬から収骨まで家族が立ち会う「立ち会い」に分かれます。遺骨を手元に残したい、最後まで見届けたいという方はこちらを選びます。
訪問(出張)火葬は、火葬設備を積んだ専用車で自宅まで来てもらう形式です。外出せずに、住み慣れた家の前で見送れます。高齢の飼い主さんや、小さなお子さんがいるご家庭でも負担が少ないのが利点です。
費用は「合同 < 個別 < 訪問」の順に高くなるのが一般的で、体の小さい猫は、大型犬などに比べて費用を抑えやすい傾向があります。ただし具体的な料金相場は、地域や業者、遺骨の返却方法によって差があります。金額の目安は、ペット葬儀の費用を扱った専門記事で確認してください。ここでは「遺骨を残したいか」「立ち会いたいか」「自宅で見送りたいか」で形式を選ぶ、という判断軸だけ押さえておけば十分です。
費用を左右する3つの要素
金額そのものは専門記事にゆずりますが、何で費用が変わるのかを知っておくと、見積もりを見たときに納得しやすくなります。①火葬形式(合同か個別か訪問か)、②体の大きさ(重い子ほど高くなる。猫は軽いぶん抑えめ)、③オプション(骨壺のグレード、送迎、霊園への納骨など)。この3つで金額はほぼ決まります。追加費用の有無は、申し込み前に必ず確認してください。
業者を選ぶときの確認ポイント
火葬業者は数が多く、対応の質もさまざまです。料金の内訳(追加費用がないか)、遺骨の扱い、火葬場所や車の設備、電話での説明が丁寧かどうかを確認しましょう。急いでいると一社目にそのまま頼みがちですが、可能なら2〜3社に問い合わせて比べると納得して選べます。深夜や休日でも受け付けている業者は多いので、あわてて決めず、まず冷やして安置してから連絡しても間に合います。
③火葬当日|お別れとお骨上げ
火葬当日は、形式によって流れが変わります。立ち会いの個別火葬では、火葬前に最後のお別れの時間があり、火葬後に家族でお骨上げ(収骨)を行います。所要時間はおおむね1〜2時間が目安です。一任の個別火葬なら、遺骨は後日引き取るか郵送で受け取ります。合同火葬では、遺骨の返却はありません。
お別れのときには、生前好きだったおやつや花、写真を一緒に見送ることができます。ただし、金属やプラスチック、厚い布などは燃え残ったりお骨を傷めたりするため入れられません。何を入れてよいかは、当日に業者へ確認してください。
④供養|手元供養・霊園・散骨。ここから先に期限はない

火葬がすんで遺骨が戻ってきたら、どう供養するかを考えます。急ぐ必要はありません。しばらく手元に置いて、気持ちが落ち着いてから決める方も多くいます。
手元供養は、遺骨を自宅に置いて身近で供養する方法です。骨壺をそのまま置くほか、小さな骨壺やアクセサリー、メモリアルグッズに納めるサービスもあります。いつでもそばに感じられる一方、置き場所は決めておく必要があります。
ペット霊園・納骨堂は、合祀墓や個別墓に納骨する方法です。供養やお参りの場所が持て、法要をお願いできるところもあります。人間用の霊園でも、ペットと一緒に入れる区画を用意している場合があります。
散骨・土に還すは、粉状にした遺骨を思い出の場所にまく方法や、庭に埋める方法です。自然に還してあげたいという方に選ばれますが、近隣に配慮できる私有地を選ぶ必要があります。公共の場所や他人の土地では行えません。
どれが正しいということはなく、ご家族の気持ちに合うものを選んでください。あとから手元供養に切り替えたり、逆に納骨したりと、方法を変えることもできます。
供養の時期に決まりはある?
人と違い、ペットの供養に「いつまでに」という決まりはありません。それでも区切りがほしいという方は、人の法要にならって四十九日や一周忌に合わせて納骨したり、お参りをしたりします。遺骨をしばらく手元に置き、気持ちが落ち着いてから納骨する方も多くいます。命日や誕生日に手を合わせるだけでも、りっぱな供養になります。ご家族のペースで、無理のない形を選んでください。
事前に下調べしておくと、当日あわてない
この地図は、まだお別れの前に読んでくださっている方にも役立ちます。いざというとき、冷静ではない状態で一から調べるのは大変です。時間に余裕のあるうちに、次の3つだけ下調べしておくと、当日ぐっと落ち着いて動けます。
①火葬業者の目星をつけておく——近くのペット火葬業者を1〜2社、料金や対応形式とあわせて控えておきます。深夜・休日の受付可否も見ておくと安心です。
②安置に必要なものを把握しておく——箱、タオル、ペットシート、保冷剤。どこで買えるかを知っておくだけで十分です。買いだめする必要はありません。
③見送り方の希望を、家族で一度話しておく——遺骨を残すか、立ち会うか。家族で考えが分かれると当日に迷います。軽くでも話しておくと、いざというとき決めやすくなります。なお、弱ってきたサインや看取りそのものについては、看取り前を扱った専門記事をご覧ください。
猫ならではの、見送りで気をつけたい3つのこと

犬の見送りとは事情が違う、猫に特有のポイントがあります。この3つは、犬向けの情報だけを見ていると見落としがちです。
死亡届は不要(犬とは異なる)
犬は狂犬病予防法にもとづく登録があるため、亡くなったら30日以内に自治体へ死亡届を出す必要があります。猫にはこの登録制度がないため、死亡届の提出は不要です。役所での手続きを気にしなくてよいぶん、見送りの準備に気持ちを向けられます。マイクロチップを登録している場合は、環境省のデータベースで死亡の情報を更新しておくとよいでしょう。ペット保険に入っていた場合は、解約の連絡も忘れずに。
多頭飼いなら、残された猫への配慮を
ほかにも猫を飼っている場合、残された子が亡くなった仲間のにおいをかいだり、そばを離れなかったりすることがあります。可能であれば、火葬前に最後のお別れの時間をつくってあげると、残された子の落ち着きにつながることがあります。仲間がいなくなったあと、食欲が落ちたり鳴くことが増えたりする子もいます。しばらくはいつも以上に気にかけ、安置場所は、ほかの子がいたずらに触れない静かな場所を選んでください。
室内飼いと外飼いで、亡くなり方が違う
完全室内飼いの子は、飼い主さんが看取れることが多く、亡くなってすぐに安置へ移れます。一方、外に出る子は、屋外で亡くなって時間がたってから見つかることもあります。その場合はすでに硬直が進んでいたり、体が汚れていたりするため、無理に姿勢を直さず、まず清拭と冷却を優先してください。土や砂がついている場合は、乾いた布で払ってから湿らせた布でぬぐうと、皮膚を傷めずに整えられます。
迷ったときの3つの原則
やることが多く感じても、次の3つを軸にすれば大きく外しません。
①急ぐのは安置と火葬の連絡だけ——供養の方法や細かいことは後回しでかまいません。まず冷やして、火葬先に連絡を入れます。
②迷ったら涼しく静かに寝かせておく——判断に迷う場面が出てきたら、とにかく体を冷やして状態を保つことを優先します。時間の余裕が生まれます。
③一人で抱え込まない——家族や火葬業者に相談しながら進めれば、心の負担も軽くなります。業者は見送りの流れを何度も経験しているので、遠慮なく質問してください。
よくある質問
猫が亡くなったら、まず何をすればいいですか?
目と口を閉じて手足を体に沿わせ、自然な姿勢に整えることが最初です。これは死後硬直が始まる1〜3時間以内に行います。そのあとお腹と頭を冷やして安置し、落ち着いてから火葬の手配に移ってください。夜間で業者に連絡がつかないときは、しっかり冷やしておけば翌朝の連絡で間に合うことがほとんどです。
役所への届け出は必要ですか?
猫は必要ありません。死亡届が必要なのは犬(登録済みの場合、30日以内)です。猫は登録制度がないため、自治体への手続きなく見送れます。マイクロチップを登録している場合のみ、データベースの情報更新をしておくと安心です。
火葬までどのくらい待てますか?
家庭で保冷剤と冷房を使った場合の目安は、夏で1〜2日、冬で2〜3日です。これは腐敗を遅らせているだけなので、なるべく早めの火葬をおすすめします。仕事の都合などでもう少し時間が必要な場合は、より長く安置できる専用の方法を検討してください。
火葬の形式はどう選べばいいですか?
遺骨を手元に残したいなら個別火葬または訪問火葬、費用を抑えたいなら合同火葬が向いています。立ち会いたいか、自宅で見送りたいかも判断材料になります。料金の相場は費用の専門記事で確認してください。
土葬(庭に埋める)でもいいですか?
自分の私有地であれば埋葬は可能ですが、浅いと野生動物に掘り返されたり、においが出たりします。深く掘り、水源から離れた場所を選ぶ必要があります。集合住宅や借りている土地では行えません。多くの方が火葬を選ぶのは、こうした手間や制約が少ないためです。
遺骨の供養は、いつまでに決めればいいですか?
期限はありません。しばらく手元に置いてから、四十九日や一周忌などの区切りで決める方も多くいます。急がず、ご家族の気持ちが落ち着いてから選んでください。
夜中に亡くなりました。すぐ何かすべきですか?
まず、目と口を閉じて姿勢を整え、お腹と頭を冷やして安置してください。火葬業者への連絡は翌朝でも間に合うことがほとんどです。しっかり冷やしておけば、あわてて深夜に動く必要はありません。落ち着いて朝を待ちましょう。
子どもに、どう伝えればいいですか?
事実を隠すよりも、その子が家族の一員だったこと、これから見送ることを、年齢に合わせた言葉で伝えるほうが心に残ります。可能であれば、お別れやお骨上げに一緒に立ち会うことで、子ども自身が気持ちを整理できることもあります。無理強いはせず、本人の様子を見ながら進めてください。
訪問火葬とペット霊園での火葬、どちらがいいですか?
外出せず自宅で見送りたい、移動の負担を減らしたいなら訪問火葬が向いています。設備の整った場所でしっかり見送りたい、そのまま霊園に納骨したいなら、霊園での火葬が便利です。どちらでも個別に火葬して遺骨を返してもらえます。ご家族の事情に合うほうを選んでください。
火葬の予約は、どのくらい前に必要ですか?
当日や翌日に対応してくれる業者も多くありますが、土日や繁忙期は埋まりやすくなります。安置して体を冷やしておける時間には限りがあるため、形式を決めたら早めに連絡し、希望日を押さえておくと安心です。
ほかの猫がご遺体に近づいてしまいます。
残された猫が仲間のそばを離れないのは自然なことです。短い時間なら、そっと見守ってあげてかまいません。ただし、いたずらに触れたり動かしたりされないよう、安置場所はふた付きの箱や、ほかの子が入れない静かな部屋を選んでください。
出典・参考にした公的資料
- 業種追加の検討「動物の死体火葬・埋葬業者」について(中央環境審議会 資料)(環境省)
- 墓・葬儀サービス(各種相談の件数や傾向)(国民生活センター)
- まもろうよ こころ(相談窓口案内)(厚生労働省)
- 過去の気象データ検索(気温)(気象庁)
料金・手続きは自治体や事業者によって異なります。最新の内容は各リンク先の公式情報をご確認ください。
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