火葬までペットの遺体を美しく保存するには?冷やす方法をナビ
大切なペットが亡くなったら、ちゃんと弔ってあげたい。
その気持ちは、多くの飼い主さんが当然持つものでしょう。
しかし、ペットが亡くなってから葬儀まで遺体をそのままにしておくと、思わぬトラブルが起きることも。
今回は、ご家庭でペットの遺体を保存する方法について解説します。
お別れのときまで綺麗でいてもらうために、ぜひ参考にしてください。
大切なペットの遺体を冷やす方法や必要な物を解説
動物が死亡すると、その遺体は徐々に腐敗していきます。
これは体内の免疫機能が停止してしまうことによって起きる、避けられない現象です。
しかし、遺体を冷やすことで腐敗を遅らせることはできます。
ここからは、遺体を冷やすために必要なことやすべきことについて順を追って解説します。
ペットの遺体を冷やす前にすべきこと
遺体を冷やすことは重要ですが、その前にしておきたいこともいくつかあります。
ペットが亡くなったら、まずは綺麗に清拭してあげましょう。
体についた汚れや乱れた毛並みを整えてから、ダンボール箱などでできた棺に納めます。
そうして安置する場所が決まってから、冷やす準備を始めましょう。
ペットの遺体を冷やすために必要なものとは?それぞれのメリット・デメリット
遺体の腐敗をおさえるには、とにかく冷やすことが大切です。
しかし一口に冷やすといっても、何を使うかによってその効率は大きく変わります。
もっとも手軽なのは、ただ水を凍らせただけの氷でしょう。
しかし、多くの場合遺体を冷やすのに使われるのは、ドライアイスです。
なぜ、手に入れづらいドライアイスが推奨されるのでしょうか。
ここからは、以下の3つの冷却材におけるメリット・デメリットについて説明します。
・氷
・保冷剤
・ドライアイス
氷
氷は、おそらくもっとも手軽に用意できる冷却材でしょう。
コンビニやスーパーなどで簡単に購入できて、ご家庭の製氷機で作ることもできます。
しかし、手軽ではありますが、遺体の冷却にはあまり向いていません。
理由は、腐敗をおさえるには温度の低さが十分ではないというのがひとつ。
そしてもうひとつ、溶けることで水になり、結露も起こりやすいという点です。
濡れや湿りもまた、腐敗を進める原因になってしまいます。
もし氷を遺体の安置に使う場合には、容器や氷自体による水分にも注意しましょう。
保冷剤
保冷剤は、ドライアイスを用意できないときの代替手段として使うことができます。
氷よりも長時間保冷ができて、溶けて形が大きく変わるようなことも少ないためです。
こちらもスーパーやドラッグストアなどで比較的簡単に入手できるので、特に、事前にペットを見送る準備ができていなかったときに重宝するでしょう。
ドライアイス
ドライアイスは、遺体の保存をするときには用意しておきたいものの1つです。
非常に低い温度を保てるうえに、溶けても液体には変わらず、気体の二酸化炭素に変わるため遺体を汚しません。
ただし、入手性がとても悪いという欠点もあります。
スーパーなどでは取り扱っていないため、購入するにはインターネットショッピングサイトや一部の氷屋さんなどを利用することになります。
ペットの様子を見て、お別れが近いと判断したら、棺と一緒にあらかじめ用意しておくことになるでしょう。
ペットの遺体の冷やす箇所・当て方
ペットの遺体を冷やすには、とりあえず箱にドライアイスを入れればいいというわけではありません。
より効率的で確実な安置をするために、遺体には優先的に冷やすべき箇所があります。
ここからは、遺体で特に冷やしておくべき以下の3箇所について解説します。
・頭部
・腹部
・背部
頭部
脳のある頭部は死後も熱がこもりやすいため、冷やす必要があります。
頭の上に置くように、あるいは後頭部から前頭部にかけて囲うようにして冷却材を配置して冷やしましょう。
また、口や鼻などからは体液が漏れ出てくることもあります。
人間の遺体はそれらを防ぐために詰め物をしますが、ご家庭でペットに同じような処置をするのは難しいでしょう。
こぼれた体液を受け止められるように、清拭中は床にタオルやペットシーツを敷いておきましょう。
腹部
腹部は特に臓器が多く、腐敗が進みやすい箇所です。
臓器は温度が下がりにくく、胃腸にはガスなども溜まります。
そのままにしておくとすぐに腐ってしまい、体内から悪臭が漏れ出す原因になってしまいます。
ドライアイスを十分な量用意できなかったときなど、冷やす箇所を限定しなければいけないときには、まず腹部を優先して冷やしましょう。
遺体を棺に入れるとき、おなか側にドライアイスを置けるスペースを確保しておくのも大切です。
手足を畳んで横たえるような姿勢にして、うつ伏せにはならないようにしましょう。
背部
背部も腹部と同様、胴体部分の臓器による腐敗をおさえるために冷やさなければいけません。
腹部側および背部側にドライアイスを添えて、挟むような形での冷却が理想です。
ただし、どちらか一方にしか置けない場合は、多くの臓器が近いおなか側を優先して冷やすようにしましょう。
季節によって違う?遺体を自宅で保管できる期間
遺体の状態が悪化する速さは、湿度や気温によって変わります。
除湿をせず常温で放置している場合、夏場は1~2日、冬でも3~4日で腐敗してしまいます。
冬場ならば火葬や納骨の手配も間に合うかも知れませんが、夏場は難しいでしょう。
ペットの体が弱ってきて別れが近いと思ったら、葬儀や安置の準備をすることも重要です。
特に棺やドライアイスなどは入手が難しいため、あらかじめインターネットショッピングサイトで購入しておくべきでしょう。
まとめ
ペットも大切な家族であり、その死と向き合うのはとても困難なことです。
しかし、しっかりと葬儀をして見送ってあげるのは、ペットのためであると同時に、飼い主さんの気持ちを少しでも前向きにするために必要なことでもあります。
そして、そのお別れをあとから悔いることのないように、十分な準備をしておきましょう。