ペットの遺体は発泡スチロールで保管OK?少しでも長く遺体を保存する方法
ご自宅でペットを看取ったあと、飼い主さんは、そのペットのためにお葬式や埋葬の支度をはじめることになります。
しかし、かならずしもその支度がすぐに済むとは限りません。
火葬場の予約が先になったり、飼い主さん自身の気持ちの整理がつかなかったり…。
さまざまな事情で、しばらく遺体をそばに置いておかなければいけないこともあります。
そんなときに役立つのが、発泡スチロール製の箱です。
今回は、ペットの遺体を長く保管しておく方法について、解説をおこないます。
ペットの遺体の安置・保管方法をガイド【発泡スチロール編】
生き物が亡くなってから、葬儀をして弔うまで。
遺体の状態が悪くならないように保管しておくことを安置と言います。
この安置には、あるといい道具がいくつかあります。
その中のひとつが、発泡スチロール箱です。
棺や保冷剤などは、どこのご家庭にもあるとは限らないので、この記事などを参考に準備をしておきましょう。
発砲スチロールとは?ペットの遺体保管に適している理由
冷蔵・冷凍が必要な食品の輸送などによく使われるように、発泡スチロールは非常に断熱性に優れた素材です。
そのため、中に氷や保冷剤、ドライアイスを入れて蓋をすることで、長時間低温状態を維持することができます。
一方で、動物の遺体は、時間が経つと腐敗していきます。
それを防ぐためには、とにかく温度を下げることが大切。
断熱性に優れた発泡スチロール箱に遺体と保冷剤を入れることで、温度を低く保ち、ご家庭でも比較的長く遺体を保管できるのです。
ペットの遺体を発泡スチロールで保管できる期間
遺体を保管できる期間は、季節や気温、保冷のために使用するものによって変わります。
一例として挙げると、もっとも温度を低く保てるドライアイスを入れた冬場を想定すると、1週間から10日ほど。
逆に夏の猛暑日になると、ドライアイスを使っても3日から7日ほどまで短くなります。
ペットの大きさや保冷剤の量によっては、もっと短くなることも。
保管期間はなるべく短く済むように、できるだけ早く葬儀の準備を進めたほうがいいでしょう。
発砲スチロールを使用したペットの遺体安置の手順
では、発泡スチロール箱を使用した安置は、どのようにおこなえばいいのでしょうか。
ここからは、遺体安置について、以下の手順に沿って解説します。
・死後硬直の前に体制を整える
・タオルやブラシで体を清める
・発泡スチロールに遺体を納める
・ドライアイスや保冷剤を入れる
死後硬直の前に体勢を整える
動物は亡くなってからしばらくすると、体の関節と筋肉が硬くなります。
これは死後硬直と呼ばれる現象で、死後1~2時間ほどで始まり、硬直は徐々に全身に広がっていきます。
一度死後硬直が始まってしまうと、遺体の体勢を変えることは困難になります。
息を引き取ったことが確認されたら、できるだけすみやかに手足を畳んだ姿勢に変えてあげましょう。
目や口が開いたままになっていたら、それも閉じてあげましょう。
タオルやブラシで体を清める
死後硬直前に姿勢を変えたら、体を綺麗に拭いてあげましょう。
使うのは普通のタオルやペット用ボディシートなどで問題ありません。
亡くなる直前は、体が弱ったことでトイレを失敗したり毛づくろいができなくなったり、どうしても汚れがちになります。
飼い主さんからの感謝を伝えるためにも、丁寧に清拭してあげましょう。
ただし、拭いたあとに体が濡れたままだと、そこから腐敗が進みやすくなってしまいます。
最後はブラッシングなどもおこない、濡れや汚れが残っていないか丁寧に確認しましょう。
発泡スチロールに遺体を納める
姿勢を整えて綺麗にしたら、いよいよ発泡スチロール箱に遺体を入れます。
ただし、大型犬などは、一般的に見られる発泡スチロール箱では体が入り切らないことがあります。
可能ならば、事前にサイズを測ったうえで、余裕のある大きさの箱を用意しておきましょう。
遺体を入れるときは、底にタオルや布団を敷き、安らかに眠れるようにしておきます。
また、死後しばらくして尿やよだれなどの体液が漏れ出ることもあります。
それらを受け止めるためにも、底に敷物を置くことは大切です。
ドライアイスや保冷剤を入れる
発泡スチロールに遺体を入れるだけでは、安置には足りません。
ドライアイスや保冷剤といったものを入れて、温度を下げなければいけません。
スティック状のドライアイスをお腹側と背中側に置いて冷やすのが理想です。
ドライアイスはスーパーなどでは取り扱っていないので、あらかじめ専門のショッピングサイトなどで購入しておくことになります。
もしドライアイスがない場合は、保冷剤でも代用できます。
ただし保冷剤では安置できる期間も短くなるので、その点は理解しておきましょう。
まとめ
大切な家族であるペットが亡くなるというのは、とてもつらいことです。
なかなか飼い主さんの気持ちの整理がつかず、さまざまなことに手を付けられないこともあるでしょう。
そうした状況での猶予を作るためにも、安置は重要です。
考えるのも苦しいことではありますが、ペットが亡くなったときの準備は、あらかじめ整えておきましょう。