後悔のないお別れを…愛猫を火葬するときに知っておきたいこと
愛猫が亡くなったとき、飼い主さんはどのようにしてその遺体を弔うか考えなければいけません。
そして多くの場合は、遺体を焼いてお骨にする火葬を選ぶでしょう。
では、猫の火葬とはどのようなもので、人の火葬とはどこが違うのでしょうか。
今回は、猫を火葬する際に知っておきたいことについて解説します。
大切な愛猫の最期をちゃんと見送ってあげるために、ぜひ参考にしてください。
大切な猫の遺体を火葬する際に知っておきたい基礎知識
まず知っておきたいこととして、ペットの火葬は各市区町村の保健所でもおこなえることが多いです。
ただし、保健所による火葬の多くは合同火葬となっています。
合同火葬とは、他のペットの遺体と一緒に火葬をおこなう形式。
当然、遺骨は混ざってしまうため、飼い主さんへのお骨の返却は望めません。
対して、専用の業者がおこなう個別火葬は、一度に一匹だけを火葬します。
手厚く弔いたいのであれば、個別火葬を選びましょう。
猫の火葬費用の目安は?
猫の火葬にかかる費用は、どれくらいなのでしょうか。
これは、亡くなった猫の体重と火葬のプランによって異なってきます。
以下は、東京のとある火葬業者で1~5キログラムの猫の火葬を依頼する場合の例です。
・合同火葬 22,000円
・個別火葬 25,300円
・個別火葬(立会) 27,500円
個別火葬でも、飼い主さんが立ち会ってお骨を拾うかどうかで料金は変わります。
業者へ依頼する前に、必ずホームページなどで希望のプランと費用に問題がないかを確認してから依頼しましょう。
猫の火葬場はどんなところ?火葬以外のサービスは?
ペットの火葬場は、人間の葬儀場に比べると小さいところが多いです。
ペット霊園併設の火葬場もあり、人間の葬式と同じように式をあげてもらえることもあります。
また、火葬から納骨までをスムーズにおこなえるというメリットもあります。
業者によっては出張火葬プランを用意していることもあります。
これは小型の炉を搭載した車で遺体を引き取りに来てくれるサービスで、近くに火葬場がなくても火葬をおこなうことができます。
愛猫を火葬場まで持ち込むことが困難な場合には、利用を考えてみましょう。
猫の火葬にかかる時間
火葬にかかる時間は、亡くなった猫の大きさにもよりますが、1時間ほどとされています。
メインクーンなど大型の猫であれば、もう少し長く、逆に、マンチカンなどの小型猫であれば短くなることもあります。
また、個別火葬や立会火葬などは準備の時間もあるため、業者に任せての合同火葬よりも長い時間がかかります。
具体的な所要時間については、依頼した業者に確認を取りましょう。
猫の火葬にお花は必要?
猫の火葬に必ずしもお花を供える必要はありません。
しかし、棺の中にいる愛猫にお花を手向けたいと思うのであれば、当然お供えしてあげることはできます。
お花は花屋で購入するほか、棺を購入する際に付属品として用意されていたり、葬儀をする霊園で用意してもらえることもあります。
どのようなお花を手向けたらいいのか、しきたりやルールはありません。
飼い主さんや生前の愛猫が好きだったお花を添えてあげるといいでしょう。
猫の火葬で棺に入れられる物
火葬をする際、お花以外にも愛猫の旅立ちに供えたいと用意するものはあるでしょう。
キャットフード、おやつ、布製のおもちゃなどは、一緒に燃えるため基本的には問題ありません。
ただし、食べ物は容器から出して、ティッシュやペーパータオルに包んで入れましょう。
最近では、愛猫へのお手紙を入れる飼い主さんも増えています。
ひとりで旅立つ愛猫がさみしくないように、あるいは飼い主さん自身の気持ちの整理をつけるために、思い出や感謝をお手紙につづるのもいいでしょう。
猫の火葬で棺に入れられない物
基本的に、燃えないものはすべて棺には入れられません。
ゴムやプラスチック製のおもちゃ、金属部分のある首輪は気付かずにお供えしてしまうこともあるため、注意しましょう。
また、キャットフードであっても缶詰をそのまま入れることはできません。
できるだけ、他のおやつを入れましょう。
ダンボールや色の濃いお花は可燃性ですが、燃え残ったススで遺骨を汚すとして断られることもあります。
猫ちゃんの火葬の前に飼い主がしておくべきこと
愛猫が亡くなったあと、業者に連絡して実際に火葬されるまでは少し時間があります。
その間に、飼い主さんは何をしておけばいいのでしょうか。
ここからは、愛猫が亡くなってからお別れまでの短い時間、遺体をどのように取り扱うかについて解説します。
遺体の安置・保存
愛猫が亡くなったら、まず、飼い主さんの気持ちを落ち着けましょう。
落ち着いたら、愛猫の遺体の安置を始めましょう。
遺体は、そのまま放っておくと腐敗してしまいます。
死後硬直が始まる前に楽な姿勢に整えてあげてから、棺や箱に入れてあげましょう。
尿やよだれが漏れてくるため、中にはペットシーツを敷くことを推奨します。
体の汚れは拭き取り、ドライアイスや保冷剤で温度を下げて腐敗の進行を抑えます。
そのまま火葬する棺であれば、お供え物もこのときに一緒に入れてもいいでしょう。
最後の時間を一緒に過ごす
安置が済んだら、あとは火葬まで待つことになります。
愛猫を弔いたい人たちへの連絡をして、お供え物に不足がないか確かめておきましょう。
また、火葬後に遺骨をどうするか考えておくことも大切です。
しかし、飼い主さんにとっては愛猫を送り出す前の最後の時間になります。
思い出を振り返ったり、大切な家族に感謝を示す時間にしてもいいでしょう。
重要なのは、これからお別れをするという事実と向き合うことです。
まとめ
一緒に暮らしてきた愛猫が亡くなるというのは、とてもつらいことです。
だからこそ、飼い主さんは丁寧に見送ってあげなければいけません。
悔いなく家族を見送るというのは、飼い主さんが悲しみと向き合うためにも必要です。
そのときが来たのにどうすればいいのかわからないということがないように、あらかじめ利用する火葬業者や霊園は控えておきましょう。