お別れまで可愛いままで…愛犬の遺体を葬儀まで保存する方法をガイド
飼い主さんにとっては家族同然、それ以上だという場合もある大切な愛犬ともいつかはお別れの時がやってきます。
悲しいことですが、人もペットも生き物である以上亡くなってしまうとその遺体は、時と共に腐敗していきます。
ただ、適切な処置をすることで葬儀・火葬をするまで生前のままに近い状態で保存することもできます。
愛犬を生きていたころの可愛いままで保存する方法・手順について詳しくご紹介します。
考えたくないことですが、いつかはやってくるその日のためにぜひご一読ください。
大切な愛犬の遺体をお別れまで美しく保存するには
生き物は命が尽きてしまうと、その瞬間から腐敗が始まってしまいます。
腐敗が進むと異臭がしたり虫が発生したり、見た目が劣化する場合もあります。
亡くなってすぐに火葬をするのなら問題はありませんが、葬儀・火葬の手配がすぐにできない場合や、もう少し一緒にいたい、まだ別れたくないといった場合に困ったことになります。
そこで、遺体を冷やすことで腐敗の進行を遅らせることができます。
また、遺体が不自然な状態になっていたり、遺体が汚れていたりすることもあるので、そういったことにも対処する必要があります。
では、愛犬を美しく保存する方法について詳しく解説します。
愛犬の遺体を保存する手順
それでは、愛犬の遺体をきれいな状態で葬儀・火葬まで保存するための手順をご紹介します。
1. 遺体の保存に必要となる物を用意します
2. 死後硬直が始まる前に自然な態勢に整えます
3. 遺体を拭いて毛並みを整えてきれいにします
4. 葬儀まで安置する棺や箱などに遺体を納めます
5. 保冷剤やドライアイスなどで遺体を冷やします
6. お花・おもちゃ・おやつなどを供えます
方法や手順をひとつずつ詳しくご紹介します。
まずは遺体の保存に必要な物を用意しよう
遺体をきれいに保存するために用意しておきたいものを準備します。
まずは、遺体を清めるのに使うガーゼやティッシュ、タオルなどと毛並みを整えるブラシが必要です。
次に、遺体を安置する棺や箱を用意します。
そして、遺体を冷やすのに使う保冷剤やドライアイスを用意します。
保冷剤は簡単に手に入りますが、ドライアイスは少し購入に手間がかかります。
最後に、遺体と一緒にお供えする物、お花や生前気に入っていたおもちゃやおやつなどを用意しましょう。
それでは、遺体保存の具体的な方法を見ていきましょう。
死後硬直の前に自然な体勢にしてあげる
愛犬の遺体は、死後2時間くらいから硬くなり始めます。
死後硬直が進んでしまうと、関節などを動かすことが難しくなり、棺や箱に納まらなくなってしまうのでその前に遺体の姿勢を直してあげましょう。
手足が伸びている場合にはやさしく折り曲げて、寝ているような姿勢にしてあげ、目が開いていればそっとまぶたを閉じてあげましょう。
棺や箱に納めた際に、丸くなって寝ているように見える状態にしてあげるのが良いでしょう。
もし、死後硬直が始まってしまった場合には無理に手足を折り曲げずそのままにしておきましょう。
犬種や年齢、体格などで個体差がありますが、半日から1日で硬直が解け始めるのでそれを待ってからやさしく折り曲げてあげましょう。
体を拭いて毛並みを整えてあげる
自然な体勢にすることできたら、次に遺体をキレイにしてあげましょう。
出血していたり遺体が損傷していたりする場合には、その部分を濡らしたガーゼなどできれいに拭き清めてあげましょう。
また、死後は排泄物や体液が流れ出ることもあるのでそれもきれいにしてあげて、もし流れ続けるようであれば脱脂綿などをその部位に詰めておきましょう。
さらに、ブラシなどでやさしく毛並みを整えてあげ、生前の可愛い愛犬の姿を取り戻してあげましょう。
愛犬が自然で美しい姿になることで、飼い主さんの悲しい気持ちも少しは和らぐのではないでしょうか?
棺や箱に遺体を納めてあげる
愛犬の遺体を自然で可愛い状態に戻せたら、葬儀・火葬までの間安置しておくための器を用意しましょう。
ペット用の棺もいろいろ販売されていますが、もし無ければ段ボールの箱や発泡スチロールの箱でも構いません。
ペットの遺体よりもやや大きい物が用意できたら、排泄物や体液が流れ出た場合に備えて底にビニールシートやペットシートを敷きましょう。
その上に毛布やタオルなどを敷いて、愛犬が寝ているような状態に納めてあげましょう。
愛犬を安置する場所ですが、遺体の腐敗を抑えるためできるだけ室温を低めにして直射日光が当たらないやや暗い部屋に置いてあげましょう。
ドライアイスや保冷剤で遺体を冷やしてあげる
遺体は死の瞬間から腐敗が始まります。
腐敗が進むと異臭がしたり虫が発生したりしますし、遺体の損傷にもつながりかねません。
そこで、腐敗を少しでも遅らせるために、保冷材やドライアイスなどを使って遺体を冷やす処置を行います。
保冷剤はご家庭にもあると思いますし手に入れるのも簡単ですが、ほとんどの保冷剤は-0℃タイプなので、それほど冷却力はありません。
ドライアイスは、約-78.5℃の超低温なのでかなり遺体を冷やすことができ、腐敗を遅らせる効果が期待できます。
腐敗のスピードが速い内臓を冷やすため、お腹と背中の2カ所にドライアイスを配置しますが、そのまま置くのではなくタオルや紙で包んだドライアイスを配置します。
直接触れさせると凍傷で遺体が損傷する恐れがあることと、体毛がくっついて取れなくなる可能性があるので避けましょう。
花やおもちゃ・おやつなどを置いてあげる
生前の可愛い状態をできるだけ保つ保存・安置の用意が整いました。
最後に愛犬にお供えをしてあげましょう。
お花や生前気に入っていたおもちゃ、大好きだったおやつなどを遺体のそばにおいてあげましょう。
また、火葬する際に副葬品として一緒に入れてあげることもできる場合があります。
金属やプラスティックなど、燃えない物や燃やしてはいけない物を入れてはいけませんし、ペットを扱う葬儀社や斎場で副葬品として禁止されている場合もあるので確認しておきましょう。
愛犬の遺体を保存できる期間は?
季節や環境などで変わってきますが、愛犬の遺体を保存できる期間は夏場なら1~2日、冬場でも2~3日が限度です。
それ以上になると腐敗が進み、異臭や虫の発生が気になってきます。
これは常温でなんの処置もしない場合の保存期間なので、遺体を冷やすことでこの保存期間は延長することができます。
効果的に遺体を冷やすことができるドライアイスは、スーパーやホームセンターでは販売されておらず、製氷業者や町の氷屋さん、ペット用葬祭社などで購入することができます。
また、Amazonや楽天といったインターネットショッピングサイトでも手に入れることができます。
ドライアイスを適切な量を使用し何度か取りかえることで、最長7~10日遺体を保存することも可能です。
犬は死後も耳が聞こえる?
科学的な裏付けはありませんが、犬は死後24時間ほど耳が聞こえているという説があります。
人間も動物も、死の瞬間にスイッチを切るようにすべての機能が一斉に停止するわけではありません。
また、耳の神経が脳のすぐ近くにあることから、最後まで残る感覚は聴覚だともいわれています。
ただ聞こえていても何か反応をすることはできませんが、飼い主さんの声が届いている可能性はないとは言えません。
飼い主さんの気持ち次第ですが、葬儀・火葬までの間愛犬にやさしく話しかけてあげるのもいいかもしれませんね。
まとめ
大切な愛犬をお別れまで生前の可愛いままで過ごす方法や手順などについてご紹介しました。
お別れしてしまうのはとても悲しいことですが、せめて可愛かった姿のままで最後の時を過ごせたら…
そんな飼い主さんの気持ちは、旅立つ愛犬にも届いているのではないでしょうか?