ペットの遺体の安置方法は?火葬まで美しく保存する手順や期間とは
いつか来るペットとのお別れ。
その最期をご自宅で迎えたときには、火葬の手続きが済むまでちゃんと安置してあげなければいけません。
今回は、ペットが亡くなったあと、そのご遺体を綺麗に安置する方法や必要な道具について解説します。
大切な家族の一員を綺麗なまま送り出してあげるために、ぜひご参考にしてください。
大切なペットの遺体の正しい安置方法・手順を解説
遺体の安置は、複数の手順を踏んで進められます。
・遺体を箱などに収めて姿勢を整える
・汚れや乱れを綺麗に拭き清める
・腐敗の進行を抑える環境を作る
適切に安置するためには、事前に知識を備えて道具を用意しておくのはもちろん、心の準備をしておくことも大切になります。
ここからは、これらの手順についてより詳しく説明をおこないます。
ペットの遺体を安置する前にすべきこと
ペットが亡くなって、弔うための心の準備ができたら、まずはペット霊園や火葬業者へと連絡をおこないましょう。
そのあとに、事前に準備しておいた手順に従い、安置を進めてください。
また、場合によっては、業者さんからペットの安置方法について指示をもらえることもあります。
その際には、飼い主さん自身の準備状況と照らし合わせながら安置を進めましょう。
死後硬直の前に自然な体勢に整える
生命活動を終えた生物には、関節や筋肉が固まって動かなくなる、死後硬直という現象が起こります。
死後硬直は、死後およそ二時間で始まります。
この硬直が始まってしまう前に、遺体は手足を畳んだ姿勢に整えます。
無理のない自然に眠っているような姿勢で、用意しておいた棺や箱のなかに収めてあげられるとよいでしょう。
ただし、もしすでに死後硬直が始まっていた場合は、無理やり関節を動かしてはいけません。
遺体が損傷する原因になります。
ブラシやガーゼで遺体を清める
遺体を安置する場所に収めてあげたら、ブラシやガーゼを用意して遺体を清めてあげましょう。
乱れた毛並みをブラッシングしてあげて、汚れを拭き取り、きれいな姿で送り出してあげる準備をしてください。
また、遺体の弛緩した口や排泄器官から体液が漏れ出ることがあります。
戸惑うかもしれませんが、落ち着いて綺麗に拭き取ってあげてください。
床や棺が汚れないように、遺体を安置する際にはきれいなタオルやペットシーツを下に敷くのもよいでしょう。
ペットの遺体の安置に必要な物を用意しよう
遺体を綺麗に安置しておくためには、いくつかの道具を用意しておく必要があります。
亡くなってから揃えるのは難しい物もあるため、あらかじめ購入しておいたり手に入る場所を調べておきましょう。
棺・箱
葬儀まで遺体を収めておく場所として、箱や棺を用意しなければいけません。
ペットが生前から気に入っていた箱などがあればそれを用いるのもよいですが、火葬業者や霊園に持っていったあとにその箱をどうするかは事前に決めておきましょう。
棺は、ペット専用のものが販売されています。
購入の際には棺のデザインだけでなく、専用のクッションや一緒に入れるためのお花など付属品、対応サイズなどを必ず確認しましょう。
ペットシート・新聞紙
遺体を安置する場所を決めたら、そのなかにはペットシーツや新聞紙などを敷きましょう。
心臓が止まり、生命活動が終わると、遺体は各部から体液を漏れ出させるようになります。
体内に残っていた尿や便、唾液などが出てくることもあるため、それを受け止めるためのものが必要です。
新聞紙は耐水性が低く、また濡れるとインク汚れが遺体に付く原因にもなります。
可能ならば、遺体の下にはペットシーツを敷いてあげましょう。
ドライアイス・保冷剤
遺体はそのまま放置しておくと、腐敗が進行していきます。
すこしでも綺麗なまま保ってあげるために、冷却によって腐敗を抑えてあげましょう。
ドライアイスや保冷剤など遺体の温度を下げるものを、安置した遺体に当ててあげましょう。
数が足りない場合は、腐敗が進みやすいとされる頭やお腹を優先してください。
また、冷却のためでもドライアイスや保冷剤を直接遺体に当ててはいけません。
結露によって遺体が濡れると、そこから腐敗が進んでしまいます。
薄手のタオルなどで包んで当ててあげましょう。
特にドライアイスは、扱う飼い主さんも凍傷を起こす可能性があります。
取り扱いには充分注意してください。
花・おやつなどのお供えもの
必要なものを遺体と一緒に棺に入れたら、空いているところには生前好きだったおもちゃやおやつなどを供えてあげてください。
火葬や埋葬を待つ間は、飼い主さんにとってもペットにとっても、お別れを惜しむ時間になります。
思い出の詰まったお供えとともに、旅立つペットが心安らかでいられるようにしてあげましょう。
ただし、火葬場によっては棺に入れてはいけない物が決まっています。
入れてはいけないおもちゃなどがないか、あらかじめ確認しておきましょう。
ペットの遺体安置の手順・方法
ここまで、ペットの遺体安置について一つずつ解説しました。
もう一度、その手順や方法をまとめておきましょう。
・遺体を安置しておく箱や棺を事前に用意する
・ペットが亡くなったことを、あらかじめ決めておいた火葬業者やペット霊園に連絡する
・死後硬直が始まる前に楽な姿勢にしてあげて、棺に安置する
・毛並みの乱れを整えて、汚れは拭き清める
・腐敗を抑えるためのドライアイスや保冷剤を当てる
・花やおやつなどのお供え物を入れてあげる
何日まで一緒にいれる?ペットの遺体を安置できる期間
飼い主さんは、亡くなったペットとお別れする気持ちが整うまで時間がかかるかもしれません。
また、すぐには火葬場などへの連絡を取れないこともあるでしょう。
しかし、ご自宅に遺体を安置していられる期間は、夏場でおよそ1~2日、冬場でも3~4日とされています。
専用の設備もない家庭ではそれよりも長く腐敗を抑えることが難しいためです。
業者への依頼は、上記の日数以内に火葬ができるように早めに済ませましょう。
まとめ
ペットが亡くなるということはつらいものです。冷静でいられず途方に暮れてしまうことも少なくありません。
そんなときのためにも、ペットが亡くなったときにどうするかは、あらかじめ手順をまとめて準備しておくべきです。
大切な家族とのお別れになります。丁寧に安置をしてあげて、きれいな姿のまま送り出してあげましょう。