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猫が亡くなったら冷やす場所はお腹と頭|火葬までの保存とケア

安置・保冷の方法
2024年08月21日
火葬までペットの遺体を美しく保存するには?冷やす方法をナビ

最終更新日:2026年7月23日(内容を全面的に見直しました)

猫が亡くなったとき、火葬の日まで自宅でしてあげられるいちばんのケアが「体を冷やすこと」です。ただ、同じ保冷剤でも、体のどこに当てるかで、火葬までのお姿の保たれ方は大きく変わります。

冷やす場所は、内臓が集まる「お腹」が最優先。次に「頭」です。腐敗は体の表面からではなく、胃や腸のある内側から進むためです。

この記事では、猫の飼い主さんを主な読者として(犬やうさぎなど、ほかのペットにも同じ考え方が使えます)、冷やすべき部位とその理由、保冷剤やドライアイスの当て方を解説します。あわせて、清拭・体勢の整え方・口や肛門のケア・お花の飾り方・お部屋の環境まで、火葬までのあいだ美しいお姿を保つためのケアをひととおりまとめました。

大切な家族を見送った直後で、気持ちの整理がつかないなかだと思います。すべてを完璧にする必要はありません。まず「お腹を冷やす」。それだけ覚えて、読み進めてください。

結論:冷やす場所は「お腹」が最優先、次に「頭」

大切なペットの遺体を冷やす方法や必要な物を解説

猫の遺体を冷やすときの優先順位は、次の表のとおりです。犬の場合もまったく同じ考え方で構いません。

優先度 部位 冷やす理由 当て方
1 お腹(みぞおち〜下腹部) 胃や腸などの内臓が集まり、腐敗がもっとも早く進む 横向きに寝かせ、タオルで包んだ保冷剤をお腹に沿わせて密着させる
2 (後頭部〜首の後ろ) 水分が多く傷みやすい。お顔の印象を左右する 頭の下〜後頭部に枕のように敷く。顔には直接当てない
3 背中 お腹側と挟むと胴体全体を冷やせる 保冷剤に余裕があれば背中側にも追加する

保冷剤が2〜3個しか手元にないときは、迷わず全部お腹へ。頭や背中はその次で構いません。

実際、メモリアルキャリーのご相談窓口でも「保冷剤はどこに当てればいいですか」というご質問をよくいただきます。お答えはいつも同じで、「まずお腹、次に頭」。その理由を次の章で説明します。

なぜお腹と頭なのか──腐敗は体の「内側」から進む

お腹を最優先にする理由は、腐敗が始まる場所がお腹の中だからです。

生きているあいだ、体内の細菌は免疫の働きで抑えられています。心臓が止まるとこの抑えが外れ、腸の中にいた細菌が増え始めます。同時に進むのが、消化酵素が自分自身の組織を分解していく「自己融解」という変化。どちらが先に起きるのも体の内側、とくに消化器が集まるお腹です。

体の表面は空気に触れて自然に冷めていきます。ところが、内臓にこもった熱には逃げ場がありません。外から見てきれいなままでも、変化は内側で先に進む——これが、なんとなく全体を冷やすのではなく「お腹を狙って」冷やす理由です。胃腸にはガスも溜まりやすく、腐敗が進むと体のふくらみやにおいの原因になります。

もうひとつ、猫ならではの事情があります。猫の被毛は密度が高く、断熱材のように働くため、毛の厚い背中側から冷気を当てても中まで届きにくいのです。毛が薄く、皮膚のすぐ内側に内臓があるお腹まわりは、冷却の入り口としても効率のよい場所。長毛種の子や、皮下脂肪の厚いぽっちゃり体型の子は熱がこもりやすいぶん、この「密着」がいっそう効いてきます。

頭を2番目にするのは、脳も水分が多く傷みやすい部位だからです。そして何より、お顔はお別れのあいだ、いちばん長く見つめる場所。頬や目元の印象を保つことは、飼い主さんの気持ちにとっても大きな意味があります。

なお、亡くなった直後の体は、しばらく温かいままです。触れてぬくもりが残っていても心配はいりません。ただ、この残った熱こそが内側の変化を進めるため、お別れの実感が追いつかないうちでも、冷やし始めるのは早いほどよいのです。

急ぐ度合いは季節でも変わります。室温が30℃近くなる夏は、内側の変化が数時間の単位で進むため、深夜でも気づいた時点で冷やし始めてください。冬は進みがゆるやかとはいえ、暖房の効いた居間に寝かせたままでは夏場と変わりません。安置する部屋の暖房は切る——これも「冷やす場所」の一部と考えてください。

部位別・保冷剤やドライアイスの当て方

ペットの遺体の冷やす箇所・当て方

ここからは、部位ごとの具体的な当て方です。冷却材は保冷剤でもドライアイスでも、当てる場所の考え方は共通します。どちらもタオルや新聞紙で包み、体に直接触れさせないのが大前提です。むき出しのまま当てると結露で毛が濡れ、その湿りがかえって腐敗を早めてしまいます。

お腹:体のカーブに沿わせて「密着」させる

体を横向きに寝かせ、タオルで包んだ保冷剤をお腹の丸みに沿わせます。ポイントは密着。保冷剤が浮いていると、冷気は思った以上に伝わりません。包むタオルは薄手を1枚にしてください。厚手のバスタオルでぐるぐる巻きにすると、断熱されて冷気がほとんど届かなくなります。薄いタオルやガーゼで包み、表面がぬるくなってきたら早めに交換を。

箱や棺に納めるときは、お腹側に保冷剤を置けるすき間を残した納め方にしておくと、あとの交換が楽になります。うつ伏せの姿勢は、肝心のお腹に冷却材を当てられなくなるため避けてください。横向きで、軽く丸まった姿勢がいちばんです。

頭:後頭部から首の後ろへ。顔には直接当てない

頭は、後頭部から首の後ろにかけて、枕を敷くような形で冷やします。頭の上にそっと乗せる置き方でも構いません。

避けたいのは、目・鼻・口のまわりに保冷剤を直接当てること。結露でお顔の毛が濡れると表情の印象が変わってしまいますし、濡れたままの部分は傷みも進みやすくなります。お顔まわりは「近くを冷やす」にとどめるのがコツです。

背中:量に余裕があれば「挟む」形に

保冷剤やドライアイスに余裕があれば、背中側にも追加しましょう。お腹側と両側から挟むと、胴体全体を効率よく冷やせます。葬儀社が安置を整えるときも、基本はこの挟む配置です。どちらか片側にしか置けないなら、迷わずお腹側を選んでください。

保冷剤の量・交換頻度・日数の目安は別記事で

この記事は「体のどこを冷やすか」と全体のケアに絞っています。保冷剤の個数や交換のタイミング、何日くらいもつのかは「ペットの遺体はドライアイスや保冷剤の使用で長期保存できる?」で、ドライアイスの必要量や包み方・入手方法は「ペットの遺体安置にドライアイスは必要?当てる量や場所を解説」で詳しくまとめています。

やってはいけない冷やし方・安置のNG集

先に、避けたいことをまとめておきます。どれも「良かれと思って」やってしまいやすいものばかりです。

  • 保冷剤やドライアイスを体に直接当てる──結露で毛が濡れ、濡れた場所から傷みが進みます。必ずタオルや新聞紙で包んでから。なお、ドライアイスは素手で触るとやけどのような凍傷を起こすため、扱いには軍手が必要です
  • うつ伏せで寝かせる──いちばん冷やしたいお腹に冷却材を当てられなくなります。横向きが基本です
  • 顔の上に冷却材を乗せる──お顔の毛が結露で濡れ、表情の印象が変わってしまいます。頭は後頭部側から冷やします
  • ビニール袋や密閉袋に早くから納める──袋の内側に結露がこもり、湿気で傷みが進みます。袋が役立つのは火葬場への移動時。自宅安置のあいだは、通気のある箱にタオルを敷いて寝かせてあげてください
  • 暖房の効いた部屋・日なたに安置する──保冷剤がすぐに緩み、冷やす効果が追いつかなくなります
  • 硬直した手足を力ずくで曲げる──関節を痛めます。硬直は時間が経てば自然に解けるので、そのまま納まる箱を選びましょう

冷やす前にしておくこと──手足は死後硬直が始まる前にたたむ

ペットの遺体を冷やす前にすべきこと

冷やし始める前に、5〜10分だけ、体勢と身じたくを整える時間をとってください。死後硬直が始まると手足の関節が動かせなくなり、あとから姿勢を直せなくなるためです。安置までの流れは次の6ステップです。

  1. 手足を胸のほうへ軽くたたむ(硬直が始まる前に)
  2. まぶたと口を閉じる
  3. ぬるま湯のタオルで体を清め、ブラッシングする
  4. タオルとペットシーツを敷いた箱に、横向きで納める
  5. お腹と頭を中心に冷却材を当てる
  6. 直射日光の当たらない涼しい部屋に安置する

手足をたたみ、眠るような姿勢に

猫や犬では、死後1〜3時間ほどで硬直が始まるといわれます。手足が伸びたまま固まると、箱や棺に納まりにくくなることがあります。前足と後ろ足を胸のほうへやさしく折り、丸くなって眠っているときの姿勢に整えてあげてください。

すでに硬直が始まっていて動かないときは、無理に曲げないこと。関節を痛めてしまいます。硬直は時間が経てば自然に解けていくものなので、そのままの姿勢で納められる箱を選べば大丈夫です。

まぶたと口を閉じる

まぶたや口が開いたままなら、指の腹でそっと閉じます。戻ってしまう場合は、数分間やさしく押さえ続けてみてください。それでも閉じきらないことはありますが、ご自身を責める必要はまったくありません。よくあることです。

体を清める(清拭)

ぬるま湯で固く絞ったタオルやガーゼで、顔から順に体を拭いていきます。目やにや口元の汚れはコットンで丁寧に。仕上げにいつものブラシで毛並みを整えると、ふだんの寝顔にぐっと近づきます。最後に、肉球と足先もそっと拭いてあげてください。たくさん歩いた足です。

ひとつだけ注意があります。濡らしすぎないこと。湿った毛は雑菌が繁殖しやすく、腐敗を早める原因になります。「固く絞る」を守ってください。

口・鼻・肛門のケア

亡くなったあと、口や鼻、肛門から体液が出てくることがあります。全身の筋肉が緩むために起こる自然な現象で、決して汚いものではありません。驚かないでくださいね。

ガーゼやコットンを軽く当て、体の下にはペットシーツやタオルを敷いておきます。人のご遺体のような詰め物の処置はご家庭では難しいので、無理をしなくて大丈夫。数時間おきに様子を見て、汚れていたら拭き取り、ガーゼを取り替えてあげてください。

安置する部屋と環境の整え方

安置場所は、直射日光の当たらない、家の中でいちばん涼しい部屋を選びます。体を冷やしても、部屋そのものが暑ければ保冷剤の消耗が早まるだけ。部屋の温度を下げることは、体を冷やすことと同じくらい効きます。

  • 部屋選び:直射日光の入らない北側の部屋や玄関まわりなど、涼しい場所に。人の出入りで温度が上がりにくい部屋が向いています
  • 室温:夏はエアコンを強めにかけ、20℃前後まで下げられると理想的。冬は暖房を切った部屋で十分です
  • 湿気:湿度が高いと腐敗が進みやすくなります。除湿機能があれば併用を
  • 避ける場所:窓ぎわの日だまり、ホットカーペットや床暖房の上
  • 箱・棺:段ボール箱でも十分です。底にタオルを敷き、その下にペットシーツを重ねておくと体液を受け止められます

あの子は日なたが好きだったから——その気持ちで、つい日の当たる場所に寝かせてあげたくなる方もいます。お気持ちはとてもよく分かるのですが、安置のあいだだけは涼しい場所を選んであげてください。日光は室温以上に体を温めてしまいます。

安置が数日に及ぶと、部屋のにおいが気になってくることがあります。このとき、消臭スプレーを体に直接かけるのは避けてください。毛と皮膚を湿らせてしまい、逆効果です。換気と置き型の消臭剤で部屋側を整え、体そのものは「冷やす・乾いた状態を保つ」で守ってあげてください。

ハムスターや小鳥など小さな動物も、考え方は同じです。体が小さいぶん外気の影響を受けやすいので、涼しい部屋に安置したうえで、タオルで包んだ小さな保冷剤を体の下や横に添えて温度を保ちます。

火葬までの毎日のケア──美しいお姿を保つ習慣

季節によって違う?遺体を自宅で保管できる期間

安置が整ったら、あとは朝晩2回の見守りを続けるだけです。1回5分もかかりません。この時間はケアであると同時に、あの子と静かに向き合うお別れの時間にもなります。

朝晩のチェック項目

  1. 保冷剤が緩んでいないか(緩んでいたら凍ったものに交換)
  2. タオルや体が結露で濡れていないか(濡れていたら乾いたものへ)
  3. 口・鼻・肛門から体液が出ていないか(出ていたら拭き取り、ガーゼを交換)
  4. お腹への密着がずれていないか

チェックのついでに顔まわりをそっと拭き、ブラシをかけてあげてください。声をかけながらで大丈夫です。むしろ、そうして手をかけた時間が、あとから振り返ったときの支えになります。

お花や思い出の品を飾る

顔のまわりに生花を飾ると、小さな祭壇のような美しいしつらえになります。ただし水分は大敵。切り花は保水キャップやゼリーを外し、体に直接触れない位置に置いてください。

好きだったおやつやおもちゃをそばに供えるのもよいお見送りです。ここで知っておきたいのが、火葬の際に一緒に入れられる品には制限があること。安置中に飾るのは自由でも、当日納められるものは別なのです。

  • 入れられることが多いもの:生花(少量)、手紙、少量の写真やおやつ
  • 入れられないことが多いもの:プラスチック製のおもちゃ、金具付きの首輪、缶・ゴム製品

基準は葬儀社ごとに異なります。火葬を予約するときにあわせて確認しておくと、当日慌てずに済みます。

小さなお別れのスペースをつくる

箱のそばに、写真立てと小さな器のお水、好きだった食べものを。それだけで、そこがもうお別れの場所です。祭壇というと大げさに聞こえるかもしれませんが、家族が自然に手を合わせられる場所があると、火葬までの数日間の過ごし方が変わります。

お線香をあげる場合は、換気と火の始末にだけ気をつけてください。線香の香りには、部屋のにおいをやわらげる働きもあります。宗派やしきたりに厳密な決まりはないので、あの子に合ったやり方で構いません。

写真を撮ることを、ためらわないで

ご遺体の写真を撮ることに抵抗を感じる方は少なくありません。ただ、後日「眠っているようなあの姿を残しておけばよかった」と悔やむ声も多く聞きます。きれいなお姿のうちに、手を合わせてから1枚。撮る・撮らないに正解はありませんが、選べることだけ知っておいてください。

夏場や、火葬まで日数が空くときの注意点

夏場の安置や、火葬まで3日以上空く場合は、保冷剤だけで美しいお姿を保つのは正直難しくなります。

何もせず常温に置いた場合、夏場は1〜2日、冬でも2〜3日ほどで腐敗が進むといわれます。冷やせばこの期間は延ばせますが、夏の保冷剤は数時間で緩むため、昼も夜も交換に追われる数日になりがちです。ドライアイスなら冷却力は足りても、毎日の買い足しと補充の手間が続きます。

火葬までの日数が空くのは、決して珍しいことではありません。遠方に住む家族の帰りを待ちたい、希望する葬儀社の予約が取れない、気持ちの整理がつくまでそばにいたい——私たちがご相談を受けるなかでも、よくある事情です。

そうしたときの選択肢のひとつとして、私たちはペット専用の安置装置「メモリアルキャリー」(特許取得済)のレンタルを提供しています。ペルチェ式の冷却で装置の内側全体から熱を吸い取る仕組みなので、「どこに保冷剤を当てるか」を考える必要がなく、交換の手間もありません。凍らせずに冷やすため、最長約20日間、きれいなお姿のままお別れの日を迎えられます。対応エリアは関東(東京・神奈川・千葉・埼玉)と東海(静岡・愛知)です。

よくある質問

猫が亡くなったら、保冷剤はどこに当てればいいですか?

内臓が集まるお腹が最優先です。体を横向きに寝かせ、タオルで包んだ保冷剤をお腹に密着させてください。次の優先は後頭部から首の後ろにかけて。目・鼻・口のまわりには直接当てず、結露で顔の毛を濡らさないようにします。保冷剤が2〜3個しかないときは、すべてお腹に集中させ、買い足せたら頭、背中の順に追加を。

猫の遺体を冷蔵庫で保存してもいいですか?

おすすめしません。猫の体格では庫内のスペース確保が難しく、食品と同じ場所に安置することへの心理的な負担も大きいためです。涼しい部屋に安置し、保冷剤やドライアイスでお腹を中心に冷やす方法が現実的です。ハムスターなどごく小さな動物では検討する方もいますが、その場合も食品と隔てる工夫と、同居するご家族の同意が前提になります。

火葬まで何日くらい保存できますか?

冷やし方と季節で大きく変わります。常温なら夏は1〜2日、冬は2〜3日が目安で、冷却すれば延ばせます。季節や方法、体の大きさ別の詳しい日数は「何日保存できる?ペットの遺体の安置期間や方法・手順ガイド」で解説しています。

犬の場合も、冷やす場所は同じですか?

同じです。内臓の集まるお腹が最優先、次に頭という優先順位は変わりません。ただし中型犬・大型犬は体に熱がこもりやすく、冷えるまでにも時間がかかるため、保冷剤の数を増やし、お腹と背中で挟む配置を早めに作ることがより大切になります。

安置中、棺にお花を入れても大丈夫ですか?

大丈夫です。生花を顔のまわりに飾ると美しいお見送りのしつらえになります。ただし保水キャップやゼリーは外し、水分が体に触れない位置に。火葬当日に一緒に納められる品は葬儀社ごとに基準が異なるため、予約時に確認しておくと安心です。

執筆:メモリアルキャリー編集部(株式会社ペトリー)
ペット専用遺体安置装置「メモリアルキャリー」(特許取得済)を提供し、これまで500件以上のご安置をサポートしてきました。ご遺体の安置に関するご相談は24時間365日承っています。

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