大切なペットの遺体の腐敗を防ぐには?火葬までの安置・保存方法まとめ
大切なペットといえども亡くなれば無情にも腐敗が始まってしまいます。
そのまま放置すると悪臭や虫が発生するばかりでなく、遺体も崩れてしまう恐れがあります。
葬儀や火葬をすぐにできれば問題ありませんが、それまでに期間が開いてしまう場合には遺体の腐敗を抑える処置が必要です。
葬儀・火葬まで遺体を良い状態で保存・安置するための方法をご紹介します。
ペットの遺体が腐敗しないための処置・安置方法とは
葬儀や火葬をおこなうまでの間、ペットの遺体の腐敗をできるだけ抑えるためにはどういった処置が必要なのか?
さらに、自宅できちんと保存・安置する方法を詳しく解説します。
まずは、亡くなったペットの遺体を綺麗にして安置する手順からご紹介します。
1.手足を曲げて体勢を整える
ペットが亡くなった際に不自然な姿勢になっていることがよくあります。
手足が伸びていたり、口や目が開いたままだったりする場合が多いようです。
そのままだと棺や箱に納めることが難しいので、目や口を閉じてあげて手足をやさしく折り曲げてあげましょう。
ちょうど丸まって寝ているような姿勢にしてあげるのが自然です。
ただ、死後2~3時間経つと体が硬くなる死後硬直が始まります。
硬くなってしまったら無理に折り曲げず、硬直が解け始める12~24時間後を待ってから体勢を整えてあげましょう。
2.体を綺麗に拭く
人間が亡くなる際にも同じですが、ペットの遺体も出血していたり体液や排泄物が流れ出したりしていることもあります。
筋肉が弛緩したり死後硬直の影響で血管やリンパ管が破れたりといったことでおこる現象なので、心配はいりません。
棺や箱に納める前にお湯でぬらしたガーゼやタオルなどで、汚れている部分を綺麗に拭き清めてあげましょう。
拭き清めたことで体毛がぬれていたら、ドライヤーで乾かしてブラシで毛並みを整えてあげましょう。
3.体液が出る箇所に脱脂綿を詰める
体液や排泄物は継続して流れ出る場合もあるので、その都度拭いてあげましょう。
死後硬直が起こったのちに体が再び柔らかくなる「解硬」が始まると、一旦止まっていた血液や体液、排泄物の流出が再度起こることがあります。
流れ出すのが止まらないようであれば鼻や口、肛門などに脱脂綿を詰めてあげると流出を止めることができます。
息苦しそうや可哀想だと感じる飼い主さんもいらっしゃると思いますが、流れ出た体液や排泄物は悪臭のもとになるのでしっかり処置しましょう。
4.箱や棺に納める
遺体の体勢が自然な姿勢になり、綺麗に拭き清められたら棺や箱などに納めましょう。
ペット用の棺があれば申し分ありませんが、段ボール箱や発泡スチロールの箱を代用しても問題ありません。
体液や排泄物の流出に備えて一番底にペットシートやビニールシートを敷き、その上に毛布やタオルなどを敷きましょう。
最後に遺体をそっと寝かせてあげて毛布などをかぶせてあげましょう。
お花や気に入っていたオモチャなどを一緒に入れてあげるのもよいでしょう。
ペットの遺体を腐敗させないための基礎知識
遺体を安置する前に、腐敗を抑えるために遺体を冷却する処置を行います。
安置する部屋は冬場なら暖房器具を使わず、夏場であれば冷房をかけて室温を低く抑えます。
20℃以より低めに設定するのが理想です。
ただ、それだけでは遺体の腐敗は防ぐことができませんので遺体を直接冷やす必要があります。
遺体は生命活動を終えた瞬間から腐敗が始まってしまいます。
腐敗が進むと悪臭や虫が発生するだけでなく、大事なペットの遺体が損傷してしまう恐れもあります。
遺体の腐敗によって起こる悪臭や虫、遺体の損傷を防ぐためには直接遺体を冷却するのが効果的です。
遺体を冷やすやり方やどんなアイテムがいいか、また遺体保存はどのくらいの期間可能なのかなどについて詳しく解説します。
遺体を保存できるのは何日まで?
ペットの遺体は、何の処置も施さない常温下では夏場なら1~2日、冬場でも2~3日が保存の限界です。
それ以上になると腐敗によって悪臭や虫が発生し、遺体の損傷が起こる可能性があります。
亡くなったその日に葬儀や火葬をおこなうのであれば問題ありませんが、そうでない場合には遺体を冷却する必要があります。
効果的なアイテムをペットの体重・体格に応じた量を使用し、適宜交換・補充することによって7~10日は保存可能になります。
冷却は「氷」「保冷剤」「ドライアイス」どれがベスト?それぞれのメリット・デメリット
では、遺体を冷却するアイテムは何が効果的なのでしょうか?
冷やすものと言えばまず「氷」が思い浮かびます。
氷を使うメリットは家庭でもすぐに手に入るので手軽に使える点ですが、冷却時間はおよそ3時間と短い点がデメリットです。
「保冷剤」も容易に入手可能で氷よりは効果的に冷やすことができますが、それでも冷却時間はおよそ6時間です。
「ドライアイス」は-78.5℃の超低温なので適切な量を使えば最大24時間効果が続きます。
ただ、超低温であるがゆえに直接触れると凍傷になる恐れがあるのと、気化することで発生する二酸化炭素ガスによる中毒に注意が必要なことです。
デメリットはありますが、やはりドライアイスが一番適した冷却アイテムといえそうです。
まとめ
ペットの遺体を腐敗から防ぐ方法についてご紹介しました。
「うちの子はまだ大丈夫」、飼い主さんならそう思いたいのは分かりますが、いつかはやってくるお別れの日に備えておくのも大事なことです。
大切なペットとのお別れは悔いのないものにしたいですね。