ペットの遺体を美しく安置するためのドライアイスの使い方
大切なご家族であるペットが亡くなってしまうと、深い悲しみと混乱を感じることとお察しします。
最愛のペットの姿はきれいに残したいものですよね。
そのためにはご遺体の冷却処理が欠かせません。
本記事では、ご遺体の冷却にドライアイスを使うメリット、デメリット、具体的な使用方法についてご紹介いたします。
・ペットの冷却になぜドライアイスがおすすめ?
・ドライアイスを使うデメリットは?
・ドライアイスの使い方は?
・ペットを安置するにはどうしたら良いの?
こうしたお悩みを持つ飼い主様におすすめの記事です。
飼い主様が安置や冷却の処理をしっかり行うことで、ペットのご遺体をきれいに保ってあげられます。
大切なペットを心を込めて見送れるよう、ご遺体の冷却やドライアイスについてしっかり理解を深めてくださいね。
火葬までペットの遺体を安置するためにドライアイスを正しく使おう
ドライアイスは他の保冷剤と比較してどのような特徴があるのでしょうか。
さらに、ペットの死後、ドライアイスはどのように使えば良いのでしょうか。
ここでは、ドライアイスのメリットとデメリット、扱う際の注意点と効果的な冷却方法をご紹介いたします。
ドライアイスとは?取り扱う時の注意点
ドライアイスとは、二酸化炭素を急激に冷却して個体にしたものです。
冷たいスイーツ等を買って持ち帰り用のドライアイスをもらった時、白い煙がふわふわと発生するのを見たことがあるでしょうか。
その正体は二酸化炭素です。
ドライアイスは-79度と超低温なので、外気に触れて溶ける際には液体を飛び越えて気体になります。
そのために白い煙が生まれるのです。
普段扱うことのないドライアイスは扱う際の注意点もいくつかございます。
最悪の場合けがにも繋がりますので、本記事を参考に安全に配慮しながら冷却の処理を行いましょう。
ペットの遺体の安置にドライアイスを使うメリット
他の保冷剤に比べ、ドライアイスは冷却効果が圧倒的に優れています。
氷や保冷剤は0度を境に溶けてしまい冷却効果が失われていきます。
一方でドライアイスの冷却時間は、環境にもよりますが約24時間にも及びます。
そのためこまめに保冷剤を変える手間がかからず、安心してご遺体を冷却できます。
さらに、ドライアイスは溶ける時に気体へ変わるため、溶けた水がご遺体を濡らしてしまう心配もありません。
ペットの遺体の安置にドライアイスを使うデメリット
ドライアイスは超低温のため、扱いを間違えれば怪我につながる場合もあります。
人の皮膚に直接ついてしまうと、ドライアイスに触れた部分が急速に冷やされ、血流が悪化します。
最悪の場合凍傷にもなりかねないため、ドライアイスの扱いは十分に気をつけましょう。
ドライアイスはなるべくトングなどを使い、人の手で触れない様にしましょう。
手で触る時は軍手を忘れないでください。
ご遺体に直接ドライアイスを置いてしまうとドライアイスに毛や皮膚がくっついてしまい、ご遺体が傷んでしまう場合があります。
そのため、冷却の際にはドライアイスを布や紙で包んであげてください。
ドライアイスを置く場所
ご遺体の中で最も腐敗が進みやすいのは、「頭部と腹部」です。
体の中でも内臓が多い部分から先に腐敗が始まります。
腐敗の進行を効果的に遅らせるため、頭と腹部を中心にドライアイスを置いてあげましょう。
ドライアイスでご遺体のお腹と背中を挟むように置いてあげると体全体を効果的に冷やせます。
残ったドライアイスは体全体に置いてあげてください。
ペットの安置にドライアイスを使うと何日間遺体を保存できる?
ドライアイスを使ってペットを安置できる期間は夏場で1〜2日、冬場で2〜3日です。
冷却時間が長いものの、室内での温度管理には限界があります。
ドライアイスでご遺体の腐敗を遅らせることはできますが、それでも腐敗が止まっているわけではありません。
安置期間が長くなるほどご遺体は傷んでいきますので、火葬までの繋ぎとしてドライアイスを使用するのが最適でしょう。
より長く保管したいとなればご遺体を冷凍保存する必要がありますので、ご希望に合わせて早めに対応するようにしましょう。
ペットの遺体をドライアイスで安置する前にすること
ドライアイスで冷却する前には適切な処置が必要です。
手順は大きく分けて3つに分かれます。
①体勢を整える
②清拭する
③棺や箱に収める
以上の3点です。
それぞれに細かいポイントや注意点があるので、記事を参考に丁寧に処理を進めてくださいね。
体勢を整える
まずはご遺体の体勢を整えて上げましょう。
腕を優しく曲げ、体の内側に寄せてあげます。
尻尾はお尻の内側にいれてあげましょう。
目が開いていれば優しく閉じてあげてください。
ご遺体は、死後数十分〜数時間で死後硬直が始まります。
筋肉が硬直して、最後にはカチカチになり動かなくなってしまいます。
時間が経ってからでは体が動かなくなってしまうため、完全に固まってしまう前になるべく早く体勢を整えてあげるのがポイントです。
清拭する
体の体勢を整えたら体を拭き、最後まで頑張ってくれたペットを労ってあげましょう。
まずはお湯とタオルを用意します。
タオルを濡らして固く絞り、体全体を優しく撫でるように拭いてあげます。
汚れた部分があるからとゴシゴシ拭いてしまうと、ご遺体を傷つけてしまう可能性があります。
完璧に綺麗にする必要はないため、ご遺体に無理のない範囲で拭いてあげてください。
最後はブラッシングで毛並みを整えてあげましょう。
棺や箱に納める
ペットの大きさに合わせて箱や棺を用意しましょう。
ご遺体の冷却のために保冷剤をいくつか入れるため、少し余裕のある大きさが良いでしょう。
箱やペット用の棺がないご家庭も多いかと思います。
その際は段ボールでも問題ありません。
段ボールの底にペットシートをひくとご遺体を濡らさず安全に安置できます。
体勢を整え、箱の中心に優しく置いてあげましょう。
ドライアイスで遺体を保冷したらお供えをする
箱に安置できたら、ドライアイスを敷き詰めて冷却を始めましょう。
ペットの体にドライアイスが直接つかないよう、紙などを巻いてあげてください。
頭とお腹を中心に置いてあげると効果的に冷却できるでしょう。
ドライアイスを置いたら、お供えをしてあげましょう。
最近では、供養のためのお花について厳格なルールはありません。
思い入れのある花や、遊んでいたおもちゃなどを一緒に入れてあげる飼い主様も多いようです。
火葬の際、プラスチック等のおもちゃは一緒に入れられないため事前に確認しておくと良いですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
ご遺体の冷却にはドライアイスがもっとも効果的です。
「超低温」で「長時間」持つドライアイスはご遺体を綺麗に保てるため、飼い主様も安心できる冷却方法だと考えます。
上記の方法を参考に、大切なペットを心を込めて見送ってあげてください。
ご家族の一員であるペットを安らかに見送れるよう、心から祈っております。