ペットの火葬まで後悔のない時間を…ドライアイスを使った遺体の安置方法
眠る時間が増えた…ご飯を食べなくなった…。
このような姿を見ると、ペットとの残りの時間を嫌でも実感してしまうと思います。
もっと長生きしてほしい、悲しくて何もする気にならない…。
弱っていくペットを前に悲しい気持ちもお察しします。
しかし、大切なペットをお見送りするための準備も必要です。
最後の火葬の時間まで、大切なペットのご遺体はきれいな状態で保管したいですよね。
本記事では、火葬までに必要なドライアイスと安置の方法をご紹介いたします。
最後の時間を大切に過ごせるよう、適切な準備を行ってペットを保管してあげてください。
ペットの遺体を火葬まで美しく安置・保存するためのドライアイスの使い方とは
ペットのご遺体は、どれだけ冷却できたかで見た目の綺麗さが決まります。
最後の時間を一緒にいるのはもちろん、ペットを最後まできれいなまま見送れるよう、適切に安置してあげましょう
ここでは安置の手順、冷却に使うドライアイスの特徴と効果的な冷やし方をご紹介いたします。
安置方法が全て理解できるとともに、ドライアイスの特徴を知ってご遺体をしっかり冷却できることでしょう。
ペットの火葬までのドライアイスを使った安置方法の手順
ここでは火葬までに必要な安置の手順をご紹介いたします。
ご遺体の安置にはドライアイスでの冷却が欠かせません。
ドライアイスを使って安置できる期間や注意点も解説しますので、安置の方法と合わせて試してみてください。
遺体の安置に必要なものを用意しよう
まずは安置に必要なものを用意しましょう。
①体を拭くためのお湯・タオル・ウェットティッシュ
②ご遺体を収める段ボールや箱
③箱に敷くペットシート・ご遺体の体を覆う布
④冷却のドライアイス・ドライアイスを巻く紙
⑤お供え用の花・おもちゃ・おやつ
急ぎの方もいらっしゃると思いますので、全てを準備できないこともあるかと思います。
その際はご自宅にある物の中で、できるだけ準備物に近いものを使用してください。
準備ができたらご遺体の安置に入りましょう。
死後硬直する前に体勢を整える
注意しなければいけないのは、ご遺体が固まってしまう前に体勢を整えてあげることです。
ご遺体は死後、数時間のうちに筋肉や関節が固まっていきます。
これは死後硬直といい、固まってしまってからは体を動かせません。
そのため最初に体の体勢を整えてあげましょう。
ペットが丸まって安らかに寝ているような体勢を作ります。
足はやさしく曲げて内側に寄せてあげ、尻尾は内側の方へ丸めます。
ひつぎや箱に収めやすくするためなので、無理に動かしてご遺体を傷つけるようでしたら無理に行わなくても良いでしょう。
タオルなどで清める
次に、ご遺体を拭いて清潔な状態にしてあげます。
お湯やタオルを用意してください。
亡くなった際、ご遺体から尿や唾液などの体液が漏れてくる場合もあります。
驚かれると思いますが安心してください。
ごく自然な反応ですので、汚れている部分があれば大まかにふき取ってあげましょう。
体全体を濡らした布などで拭き、きれいになったらブラシで毛をブラッシングします。
最後まで頑張ってくれたペットをねぎらい、心を込めて拭いてあげてください。
納棺する
ご遺体を安置する箱やひつぎを用意しましょう。
ひつぎは作りがしっかりしておりご遺体を安心して安置できる上、お供え物もきれいに収められます。
ひつぎはインターネットで購入でき、ペット葬儀業者のサイトではドライアイスとひつぎがセットになって販売されています。
急ぎで準備が間に合わない飼い主様もいらっしゃると思います。
その際は段ボールなどで代用しても問題ないでしょう。
ただ、火葬の際に段ボールがお骨に影響を与えたり、灰が多く発生するなどの不便が生じてしまいます。
火葬まで安置する間は段ボールを使用して火葬の時に業者に相談するのが良いでしょう。
体液でご遺体が濡れないようペットシートを敷き、箱の中心にやさしく置いてあげましょう。
ドライアイスで保冷する
ご遺体が安置できたら、ドライアイスで保冷してあげましょう。
ご遺体のなかで腐敗が進みやすい部分が頭部・おなか・背中です。
ご遺体は内臓が多い部分から腐敗が進んでいきます。
お腹と背中を挟むようにドライアイスを置きましょう。
残りのドライアイスで頭や体全体を冷やしてあげてください。
注意するべきは、ドライアイスをご遺体に直接つけないことです。
そのまま置いてしまうとご遺体の毛や皮膚とドライアイスがくっついてしまい、無理に取ろうとするとご遺体を傷つけてしまいます。
冷やす前にドライアイスを紙や薄い布で巻くと安心です。
ドライアイスを置いた後、薄い布を体全体にかけると冷却効果が高まります。
冷却は安置で欠かせない処理ですので、継続して冷やせるよう注意してみてあげてください。
お供えをする
お供えできるのは以下の物です。
・供花
ペットと関わりのある花、思い出の花を選んであげる飼い主様も多いです。
花に関して厳密なルールはないため、飼い主様のご希望に沿ってお気に入りの花を選べます。
火葬の際、お骨に影響を与えない淡いお花を選ぶのがおすすめです。
造花や野花は火葬の問題や衛生面から避けた方が良いでしょう。
・おやつやおもちゃ
ペットが生前好きだったおやつやおもちゃを入れられます。
おもちゃにプラスチックが含まれていると、火葬の際に有害な物質が生まれてしまうため火葬では一緒に入れられません。
事前に業者と確認できれば、思い入れある大事な物も安心して入れられますね。
ペットの火葬前に知っておきたいドライアイスの基礎知識
ここまで安置から火葬の方法までご紹介いたしました。
ご遺体の安置に欠かせないドライアイスですが、多くの飼い主様にとってあまりなじみのない物かと思います。
・ドライアイスはどこで買える?
・費用はどのくらい?
・冷却に必要な量は?
・ドライアイスで安置できる期間は?
こうした疑問にお答えいたします。
ドライアイスの購入方法
ドライアイスはお近くの氷屋、またはネット通販で購入できます。
スーパーやホームセンターでは購入できないため注意してください。
氷屋は「お住いの地域+氷屋」と検索すればお近くの店舗を探せます。
買いに行ったらすぐに使用できる上、ネット通販と比べて安価で手に入るのが特徴です。
ネット通販ではドライアイスとひつぎがセットで購入できます。
サイトによっては即日配送+日時指定できる場合もあります。
送料がかかり少し値は張りますが、氷屋を調べて買いに行く手間もなく、自宅に届くため大変便利です。
必要な量や費用の目安
ペットの大きさや安置期間、ネットか直接買いに行くかでも費用が変わってきます。
ネット通販の場合、1kgあたり850~900円 氷屋で購入する場合1kgあたり550円~が相場です。
安置期間が1~2日の場合、必要な目安量は以下の通りです。
・チワワ、ハムスターなどの小型ペット…5㎏
・柴犬、猫などの中型ペット…10kg
・大型犬以上のペット…10kg以上
安置期間が2日以上になる場合、同じ量を追加分用意できていると良いでしょう。
購入方法やペットの大きさに合わせて必要な量を準備しましょう。
当てる場所・当て方
ドライアイスの当て方に気を付けて、ご遺体をしっかり冷却しましょう。
・ご遺体にドライアイスが直接ついて傷つけないよう、紙や布を巻く
・臓器の多いお腹と背中が冷却できるよう、挟むようにドライアイスを置く
以上2点に気を付ければ、ドライアイスで効果的にご遺体を冷却できます。
さらに、室内の温度を下げてあげるとドライアイスの冷却効果が高まり、火葬まできれいな状態を保つことができます。
保冷できる時間や日数
ドライアイスを使用して安置できる期間は、夏場で1〜2日、冬場で2~3日です。
これは目安であり、その場の環境によって期間は左右されます。
冷却効果の高いドライアイスとはいえ、ご遺体の腐敗を完全に止められるわけではありません。
あくまで腐敗を遅らせる目的で冷却を行いますので、ご自宅に長く保管するのは避けた方が良いでしょう。
最後にお別れの時間を過ごす間、自治体や民間の火葬業者を検討して火葬の日程を決めます。
火葬の種類には、手軽に火葬を委託できる集団火葬、ご家族のペット1匹のみ火葬してお骨を返してもらえる個別火葬などがあります。
飼い主様のご希望に沿って葬送方法を検討してください。
使用する際に注意すること
ドライアイスを扱う際は低温やけど、凍傷に十分気をつけましょう。
ドライアイスを直接手で触らず軍手をはめ、トングを使用するなどの工夫をしましょう。
さらに、ドライアイスは二酸化炭素中毒の危険もあります。
ドライアイスで安置する際は、締め切った場所で使用せずに適度な換気を心がけましょう。
最後の時間は一緒に過ごしたい、夜も一緒にいたいという気持ちも分かります。
しかし、二酸化炭素中毒の危険を考慮して寝室に安置するのは控えてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
大切なご家族の一員であるペットを亡くし、深い悲しみの中にいる飼い主様もいらっしゃることでしょう。
・安置は丁寧かつ早めに行い、火葬までご遺体を綺麗に保つ
・ドライアイスは扱いに気をつけて効果的な置き方で
以上の点をつけて火葬までの期間、ペットを大切に保管してあげてください。
ペットが安らかに旅立てるよう、思いを込めて最後の時間を一緒に過ごしてください。
飼い主様が悔いの残らぬよう、ペットとの時間を過ごせることを祈っております。