大切なペットが死亡したら?遺体安置のためのドライアイスガイド
一緒に暮らしてきたペットが亡くなれば、飼い主さんはその遺体を弔ってあげることになります。
しかし、生命活動を終えた遺体の安置は、なかなか簡単なことではありません。
葬儀の手配にも、時間がかかるかもしれません。
そんなときには、遺体の温度を低く保つドライアイスが役に立ちます。
今回は、ドライアイスの使用を中心に、ペットの遺体安置のために飼い主さんがすることについて解説します。
大切なペットをきれいな姿のまま見送ってあげるために、ぜひ参考にしてください。
ペットが死亡したらドライアイスを使って遺体の安置を
ペットが亡くなったあと、ご家族とのお別れや火葬・葬儀をおこなうまでは時間がかかり、その間ずっと常温で放置しておくと、腐敗が進行してしまいます。
そのため、まずは、遺体を安置する作業が必要になります。
安置とは状態をできるかぎり維持して置いておくことで、主に姿勢を変えて汚れを拭き取り、温度を低く保つことが含まれます。
遺体の温度を低く保つ際に使用されるのが、ドライアイスです。
そもそもドライアイスとは?ペットの死亡後に利用するメリット
まずは、そもそもドライアイスというのはどのような物体なのか紹介します。
自身が低温で冷却に使うという点では氷に似ていますが、まったく違う物体です。
ドライアイスは二酸化炭素を加工して個体にしたものであり、通常の環境下ならば、溶けた際には液体にならずそのまま二酸化炭素に変わります。
遺体や棺を濡らすことがなく、また氷よりもはるかに低い温度を保つため、人間でもペットでも広く遺体の安置に使われています。
ペット死亡後の遺体安置に適したドライアイスの入手方法
スーパーやコンビニなどの身近なお店では、ドライアイスは購入できません。
常に昇華して二酸化炭素に変わり続けてしまい、その温度の低さから取り扱いにも注意が必要なため、在庫の管理が難しいのです。
購入の際には、インターネット通販を使用することになるでしょう。
注文から届くまで時間はかかりますが、必要な量を簡単に用意することができます。
また、葬儀会社によってはドライアイスの販売もおこなっています。
事前予約が必要なこともありますが、連絡してみるのもいいかもしれません。
ペット死亡後のドライアイスを使った遺体安置の手順
息を引き取ったペットは、そのままにはしておけません。
火葬にしろ土葬にしろ、葬儀をするまで遺体を安置しておくことになります。
安置には腐敗をおさえるためにドライアイスを使用しますが、その前にやることもいくつかあります。
簡単にまとめると、姿勢を変えて、綺麗に清拭して、納棺、お供えをするというのが一連の流れです。
ここからは、ペットの遺体安置の手順について、順番に解説します。
手足を優しく折って自然な体勢に
動物は生命活動を停止してしばらく経つと、死後硬直という現象が起こります。
この死後硬直が起こると体の関節や筋肉が固まってしまい、姿勢を変えることが困難になってしまいます。
そのため、亡くなったらできるだけ速やかに遺体の姿勢を変えてあげましょう。
手足を畳んで、自然に眠っているような体勢にしてあげられることが望ましいです。
もし目や口が開いていたら、閉じてあげるのも忘れずに。
タオルやブラシで清拭する
ペットが老いや病気によって弱っていると、自分での毛づくろいや飼い主さんによるシャワーの頻度が下がり、汚れがちになります。
ペット用のボディシートやタオルを使い、死亡時に漏れ出た体液や排泄物も含めてきれいに体を拭いてあげましょう。
汚れを落としたら、ブラシで毛並みを整えてあげます。
お別れの前に触れ合う時間にもなります。丁寧に、これまでの感謝を伝えながら遺体をきれいにしましょう。
適切なサイズの棺や箱に納める
遺体をきれいにしたら、棺に入れてあげましょう。
ペット用の棺は、主にインターネット通販で購入することができます。
ペットが入るサイズか必ず確認したうえで、お花やお布団などの付属品も必要に応じて選びましょう。
もし棺が無ければ、段ボール箱で代用することもできます。
底にはペットシートやタオルを敷き、安らかに眠れるようにしてあげてください。
遺体の痛みやすい箇所にドライアイスを置く
ドライアイスを使うのは、遺体を棺に納めてからです。
非常に低い温度であるドライアイスは、そのまま触れると凍傷を起こしてしまいます。
取り扱いの際、飼い主さんは手袋をしましょう。
また、置くときにも遺体に直接触れさせてはいけません。
薄手のタオルなどで包んでおいてください。
置く場所は、お腹や背中、頭などの痛みやすい箇所です。
花やおやつをお供えする
棺の空いているスペースには、お供え物を入れてあげましょう。
飼い主さんのもとから離れて一人で旅立つペットのために、生前好きだったものを置いてあげるといいでしょう。
お供えはおやつやお花が多く、手紙を入れる飼い主さんもいます。
ただし、火葬する場合には、焼いていいものでいいか確認しておく必要があります。
特に生前使っていた首輪などは燃やせない金具部分がないか注意しましょう。
まとめ
遺体を安置できる期間は、季節や温度によって変わります。
ドライアイスを使えばある程度その期間を伸ばすことはできますが、それでもずっと遺体を置いておくことはできません。
お別れはつらいことですが、できるだけ早く、ペット葬の手配をしましょう。
それまで一緒に暮らしてきた大切な家族です。
最期まできれいなまま、見送ってあげましょう。