愛犬の遺体を美しく保存するためのドライアイスの置き方とは
残酷な話ですが、どんなに大事な愛犬だとしても亡くなってしまえばただの遺体で、その瞬間から腐敗が始まってしまいます。
しかし、ドライアイスを使って適切な処置を行うことで大切なペットの遺体を良い状態で保存することが可能です。
愛犬の遺体を美しいまま保存するドライアイスの上手な置き方について詳しくご紹介します。
大切な愛犬の遺体を安置・保存するためのドライアイスの置き方
人間もペットも命の火が消えてしまえば、その肉体を維持する活動が止まってしまうためその瞬間から腐敗が始まってしまいます。
遺体の腐敗が進行すると、腐敗臭や虫が発生しますし、なにより愛犬の遺体が損傷してしまうことで、飼い主さんの悲しみもさらに深くなってしまいます。
そこで、遺体を安置する場所の温度を低くすることが必要になりますが、それだけでは腐敗を抑えきれません。
遺体を直接冷やす処置を施すことで腐敗の進行をかなり遅らせることができます。
その際に使うアイテムがドライアイスです。
ドライアイスの基本情報から扱う際の注意点、上手な配置の仕方をひとつずつ解説していきます。
そもそもドライアイスとは?保冷剤との違い
遺体の腐敗を遅らせるには冷やすことが重要ですが、一般的に冷やすアイテムといえば保冷剤がすぐに思い浮かびます。
簡単に手に入るものですから手軽に使えますが、それほど強い冷却力はありません。
ほとんどの保冷剤は0℃タイプで、冷却の続く時間も30分~1時間と短いものがほとんどです。
一方、ドライアイスは固体の二酸化炭素で約-78.5℃の超低温です。
愛犬の大きさに合わせた重さのドライアイスをタオルや紙にくるんで使用すれば、1~2日は冷却できます。ドライアイスを扱う際の注意点
強力に冷却できるドライアイスは、愛犬の遺体の保管・安置にはとても便利なアイテムですが、その取扱いについていくつか注意点があります。
・素手で触らない
ドライアイスは約-78.5℃の超低温なので直接皮膚に触れると凍傷になる危険があります。
・密閉しない
固体の二酸化炭素であるドライアイスは、昇華(固体から直接気体に変化)すると体積が約750倍になります。
・換気する
ドライアイスは昇華の際に二酸化炭素が発生するため、閉め切った部屋に充満した二酸化炭素で中毒を起こす恐れがあります。
・遺体に直接触れさせない
愛犬の遺体にドライアイスを直接触れさせると、凍傷で遺体が損傷する場合や体毛がくっついて取れなくなる恐れがあります。
ドライアイスを置く場所
愛犬の遺体を冷やすためにドライアイスを使いますが、適当な場所に入れてしまうと効果が薄れることがあります。
小型犬なら5kg、中型犬なら10kgが1~2日分のドライアイスの目安ですので、このドライアイスを2つに分けて、腐敗が進みやすい内臓部分を冷やすためにお腹と背中の部分に配置しましょう。
タオルやガーゼ、紙などに包み直接遺体に触れないように気をつけます。大型犬などの場合、顔回りやお尻のあたりを冷やす場合もあります。
遺体の保存期間はどのくらい?
愛犬の遺体をすぐに火葬してしまうのであれば、保存期間を気にする必要はありませんが、すぐに火葬できない、したくないという場合には気をつけておかなければなりません。
遺体を保存しておける期間は季節や環境、遺体の外傷や疾病の有無などで違ってきますが、夏場なら1~2日気温が低い冬場でも2~3日が限度です。もちろん、これは常温で何の処置もしない場合の保存期間ですから、ドライアイスで遺体を冷やせばその期間を伸ばすことは可能です。
ドライアイスを交換することで最大7~10日遺体を保存できます。愛犬の遺体にドライアイスを置く前にすべきこと
ドライアイスを使って愛犬の遺体を冷やす手順をご紹介しましたが、実はその前にやっておかなければいけない事がいくつかあります。
死亡の約2時間後から死後硬直が始まるので、その前に遺体の体勢を整えてあげる必要があります。
目が開いていたら瞼を閉じてあげ、手足が伸びていたりしたらやさしく折り曲げてあげましょう。
丸まって寝ているような状態にするのが良いでしょう。
また、出血していたり排泄物や体液が出ていたりしたらきれいに拭いてあげましょう。
そして、火葬するまでの間保存・安置する場所を用意しましょう。
さらに、愛犬を登録している市町村に死亡の届出をしなければいけません。
これは30日以内と定められています。
安置の方法と手順
安置する場所が決まったら、遺体を入れておく器を用意しましょう。
ペット用の棺を購入するのも良いですし、なければ段ボール箱や発泡スチロールの箱でも問題ありません。
保冷剤やドライアイスによって結露が生じたり、体液や排泄物が流れ出たりといった可能性もあるので、ビニールシートやペットシートを敷いておきましょう。
その上に毛布などを置いてドライアイスを遺体のおなかと背中の2箇所に配置し、体勢を整えた愛犬を丸まって寝ているような状態に安置します。
生前好きだったおやつやおもちゃ、お花などを供えてあげるのも良いですね。
まとめ
亡くなった愛犬を美しいままで保存・安置するためのドライアイスの置き方についてご紹介しました。
遺体の損壊などの心配や悲しい思いをすることなく、飼い主さんが大事なペットと最後のお別れができる手助けになれば幸いです。