すぐに火葬したくない…!ペットの遺体を冷凍保存する方法
大切なご家族であるペットが亡くなると、言いつくせない悲しみに襲われることでしょう。
昨日まで一緒に過ごしていたペットと突然離れてしまうのはさみしく、最後の時間をもっと一緒に過ごしたいと思う方も少なくありません。
不安と悲しみの中で、葬送の手続きをし、準備するにはかなりの労力を要します。
飼い主様にとっても大きな精神的負担となるでしょう。
そこで、亡くなったペットの体を一度冷凍保存するという方法をご紹介いたします。
あまり聞き慣れない方法だと思いますが、飼い主様の一助になりえる保存方法だと考えます。
本記事では、亡くなったペットを冷凍保存するメリットやデメリット、具体的な方法をご紹介いたします。
・ペットの体を本当に冷凍して大丈夫…?
・冷凍でペットの体が傷んでしまわないか心配…
・冷凍するまでに何をしておけばいい?
・心の整理がついたが、冷凍したペットはどうしたら良い?
本記事ではこれらの疑問をすべて解決いたします。
正しい冷凍方法を参考にし、大切なペットを大切に見送ってあげてくださいね。
亡くなったペットを冷凍保存するのは可能?
そもそも、亡くなったペットを冷凍保存するのは可能なのでしょうか。
ペットのご遺体を冷凍庫で保管するのは問題ありませんが、ご自宅での冷凍はメリットだけではないことを把握しておきましょう。
冷凍保存のメリット、デメリット、具体的な内容をよく吟味してくださいね。
冷凍保存するメリット
ペットを冷凍保存するメリットはどのようなものでしょうか。
室内でご遺体を安置する時は、保冷剤やドライアイスを使ってご遺体を冷やし続ける必要があります。
保冷剤は次第に溶けていきますので、こまめに交換しなければいけません。
しかし冷凍庫にご遺体を安置すれば、保冷剤を交換する手間もありません。
一定の温度でご遺体は冷やされ、きれいな状態を保つことができます。
例えば、飼い主様が用事で留守にしないといけない時も安心ですよね。
ペットの葬送方法に悩まれていたり、もう少しだけ一緒にいたいと思われる方にも冷凍保存はお勧めです。
室内での安置より腐敗は比較的遅くなるため、葬送までにある程度時間の余裕が生まれます。
気持ちを落ち着けたら、葬送や届け出の準備を始めてくださいね。
冷凍保存するデメリット
ご遺体をある程度の期間保存できる一方で、冷凍保存にはデメリットもあります。
ご自宅で冷凍保存するには、ご家庭の冷凍庫を使用すると思います。
やはりご家族の食べ物が入っていますので、ご遺体を冷凍保管するには衛生面に十分配慮しなければいけません。
さらに長期間ご遺体を冷凍保管していると、霜がついてご遺体にも負担がかかってしまいます。
1週間以内にはペットの葬送方法を決め、冷凍庫から取り出してあげましょう。
ペットの遺体を冷蔵保存する方法
では、実際にペットを冷凍保存するにはどのような手順があるのでしょうか。
ただ亡くなったペットのお体を冷凍庫に入れるだけでは、ご遺体の状態を悪化させてしまいます。
ペットのご遺体は死後硬直と腐敗が始まっていることを念頭に置き、きれいな状態を保つために丁寧な処置を心がけましょう。
硬直する前に体勢を整える
ペットの体は時間が経つごとに固まっていきます。
これは死後硬直といい、数時間後には体の筋肉や関節が固定されてしまいます。
数十分~数時間で体全体が固まっていくため、時間が経ってしまうとペットの姿勢を動かせず箱や棺に収まりづらくなってしまいます。
ペットのご遺体は早めに体勢を整えてあげましょう。
足をやさしく曲げて体の内側に寄せ、尻尾も内側に入れてあげると良いですね。
体を清拭する
体勢を整えたらペットの体全体を拭いてあげましょう。
まず、お湯・ガーゼやタオルを用意します。
汚れた部分があればタオルを濡らして丁寧に拭いてあげましょう。
ペットが亡くなった際に体液や尿が出てくることがありますが、ごく自然な反応ですので問題ありません。
目や口、おしりは丁寧に拭きましょう。ペットの体に負担が無いように、強くこすらないようにしてください。
全体がきれいになったら体全体をフラッシングし、毛並みを整えてあげます。
サイズに合った箱に納めて冷凍庫に入れる
ペットの大きさに合わせて箱や棺を用意します。
ご自宅にぴったりの箱が無い場合もあるでしょう。
その時は段ボールでも問題ないですが、底が抜けないようなしっかりしたものを選ぶと良いでしょう。
箱にバスタオルやペットシートを敷いてあげると、ペットのご遺体を傷つけることなく保管できます。
ペットを箱にやさしく寝かせ、姿勢を整えてあげたら冷凍庫に入れてあげましょう。
ペットの遺体の冷凍保存後に心の整理が付いたら
ペットを無事に冷凍してきれいな状態を保ってあげたら、飼い主様の気持ちも少しは落ち着けるかもしれません。
悲しいことですが、ペットとはいつかお別れしなくてはいけません。
腐敗を遅らせたとはいえ、家の冷凍庫にいつまでも置いておくわけにはいかないですよね。
ご遺体を冷凍保存してから1週間以内には葬送を検討し、最後のお別れまで準備を進めてくださいね。
では、葬送にはどのような種類があるのでしょうか。
ここでは、「火葬」「埋葬」「剥製葬」の3種類をご紹介いたします。
火葬する
ペットをお見送りする際、多くの飼い主様が火葬を選択されています。
火葬には合同葬と個別葬の2種類があります。
合同葬とは、複数のペットを一度に火葬する方法です。
自治体が行う火葬のほとんどが合同葬で、ご遺体は他のペットや一般廃棄物と一緒に処理されてしまいます。
そのため、遺骨がご家族のもとに戻ってきません。
さらにお別れの時間も少ないというデメリットがあります。
一方で個別葬は、ご家族のペット1匹のみを火葬します。
民間の業者であればお別れの時間も十分に取ってくれ、お骨もご家族のもとに返してくれます。
合同葬に比べて値段が高くなりますので、お近くの業者に連絡して相場を確認してみましょう。
埋蔵する
広い庭をお持ちの飼い主様であれば、埋葬も1つの選択肢になります。
家のそばにご遺体を埋めれば、亡くなったペットも身近に感じられますよね。
骨壺やビニール袋でご遺体を包むのも問題ないですが、ペットの体が自然に還るのに長い時間がかかってしまいます。
そのため、布などでくるんで埋葬してあげると良いでしょう。
火葬などに比べてコストが低く、ご自宅でお別れの時間を過ごせるのも埋葬の良さと言えます。
剥製にする
どうしてもペットと離れたくない。
ずっと一緒にいたいと希望する飼い主様も少なくありません。
もしこのような気持ちを抱えていましたら、剥製葬を一度検討してみてはいかがでしょうか。
剥製葬は、業者にご遺体を依頼してペットを剥製にし、ご家族のもとにお返しする方法です。
ペットを剥製にするのには賛否両論あるかと思います。
しかし大切なペットと一緒にいられて飼い主様の寂しさも和らぎますし、ペットの体を生きている時のまま、半永久的に保存できます。
他の葬送方法にはないメリットですよね。
一方で、剥製にするためには技術を要するため、お値段はかなり高くつきます。
例えば小型犬で15万~とかなり相場は高めです。
さらに、剥製にしたペットを長期間保管し続ける責任が生まれますので、ご家族でしっかり相談された上で決めるのがよいでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。本記事ではペットの冷凍保存をご紹介いたしました。
・ペットのために少しでもでも長く葬送方法を検討したい…
・ペットのご遺体を自宅に安置しているが、家を長時間留守にしないといけない…
・ペットが亡くなり精神的負担が多く、今は何も準備できない…
ご遺体の冷凍保存はこのような思いを抱えた方に寄り添う方法ではないでしょうか。
メリット、デメリットの両方を検討して飼い主様の希望する、より良い形でペットを見送ってあげてくださいね。
大切なペットとの安らかな時間が過ごせるよう、心から祈っております。