大切なペットが亡くなったら?安置から火葬・供養までを徹底ガイド
ご家族の一員である大事なペットが亡くなったら、悲しくて何も考えられなくなってしまうことでしょう。
しかし、ペットとの最後の時間を大切に過ごしていただくためにも、必要な準備は丁寧に進めたいものです。
ペットの死後、どうするのが最愛の家族のためになるのでしょうか。
本記事では、ペットが亡くなってから、お見送りするまでの手順を全てご紹介いたします。
・突然ペットが亡くなってしまったが、何をすればいいか
・届出はどこに出せばいいのか
・葬送までペットをどのように保管したらいいのか
・埋葬、火葬の違いは何か
本記事では、以上の疑問を全て解決いたします。
大切なご家族が亡くなり不安や悲しみもあるかと存じます。
ペットを丁寧に見送れるよう、本記事を参考にご準備くださいね。
ペットが亡くなったらどうする?飼い主がすべきこととは
ペットが亡くなった際、まず私たちは何をするべきなのでしょうか?
こちらでは、亡くなった時に必要な届け出から、ご遺体の安置方法を順にご紹介いたします。
ペットの体は、死後少しずつ腐敗と硬直が進んでいきます。
必要な手順を参考にしながら、火葬まできれいな状態を保ってあげてください。
ペットが亡くなったら動物病院や自治体への連絡は必要?
ペットが亡くなった時には、どのような届出が必要なのでしょうか。
実は、自治体への連絡が必要なのは犬が亡くなった時です。
さらに、人に危害を与える可能性のある特定動物が亡くなった際にも必要です。
犬だけ届け出が必要なのは、犬の飼い主様には狂犬病ワクチンを打つ義務があり、自治体ごとに毎年管理する必要があるためです。
猫、うさぎ、鳥、ハムスターなどのペットが亡くなった時には自治体に届け出る必要がありません。
犬の飼い主様は、ペットの死後30日以内に自治体に届け出の手続きを行いましょう。
届け出には、わんちゃんをお迎えする時にもらった犬鑑札、狂犬病予防注射済票、死亡届が必要です。
死亡届はお近くの役場に行って用紙をもらうか、自治体によってはホームページからダウンロードできる場合もあります。
あらかじめ「住所、氏名、犬の死亡年月日、犬の登録番号」を準備しておくと、スムーズに届け出ができます。
わんちゃんのお見送りが終わって気持ちが落ち着いたころ、届け出に行けると良いですね。
動物病院への連絡は必須ではない
ペットが亡くなったことを動物病院に必ず連絡する必要はありません。
しかし、ペットが生前とてもお世話になり、感謝を伝えたい方もいらっしゃると思います。
ご自身が落ち着いたタイミングで、お好きな時に電話や直接感謝の気持ちを伝えましょう。
お礼の贈り物を持っていかないといけないというルールもないため、ご自身のタイミングで安心して連絡してください。
ペットが亡くなったら最初に遺体を安置
届け出の有無を確認しましたら、次は亡くなったご遺体を安置していきます。
ここでは、体をきれいにして体勢を整え、ご遺体を箱に安置・冷却するまでの手順をご紹介します。
葬送前のご遺体の見た目や綺麗さに関わる処理になりますので、素早く、丁寧に対応していきましょう。
死後硬直前に手足を優しく曲げる
人と同じように、ペットも死後硬直が始まります。
死後数十分〜数時間かけて筋肉が硬直し始めるため、時間がたつと同じ姿勢のまま動かなくなってしまいます。
死後時間が経ってしまうと、体がうまく動かずに箱や棺に収まりづらくなってしまいます。
安置を行う際は、まず足を内側に優しくまげて身体の方においてあげましょう。
尻尾も内側に寄せてあげると良いですね。
ペットの体に負担がかからない範囲で大丈夫です。
ブラシやタオルで体をきれいにしてあげる
お湯とタオルを用意して、汚れている部分があれば優しく拭いてあげましょう。
亡くなった時に体液や尿などが出てくる場合がありますが、亡くなる時にしばしば起こりえる反応なので心配しないでください。
目や口、お尻などを丁寧に拭いてあげれば問題ないです。
体の汚れが取れてきれいになったら、ブラシやくしを使って体全体をブラッシングし、毛並みを整えてあげましょう。
亡くなったペットを火葬や埋葬まで保存する
ペットを火葬するまでは、ご自宅で安置して最後の時間を過ごす方が多いでしょう。
一緒に過ごす間にも、大事なペットの体は腐敗が進んでしまいます。
そのため、安置している間はペットの体をしっかり冷やす必要があります。
亡くなったその日に火葬できない場合もあるため、正しい方法で効果的に冷却しましょう。
ペットが綺麗な状態でいられるよう、正しい安置方法を参考に準備してみてください。
保冷剤やドライアイスで冷やす
ペットの体は死後、少しずつ腐敗がはじまります。
腐敗を遅らせるのに効果的なのがご遺体の冷却です。
ご遺体と周囲の環境によりますが、夏場では1~2日、冬場では2~3日で腐敗が進みます。
頭やお腹は特に臓器が多く腐敗が進みやすい部分ですので、保冷剤やドライアイスをお腹と背中を挟み込むように置いてください。
この時、保冷剤を直接体につけてしまうと体を傷つけたり毛がくっついてしまう原因となります。
冷剤は布や紙などを巻いてから使用するようにしましょう。
冷却作用に優れており、ご遺体の冷却におすすめなのがドライアイスです。
−75度と超低温で、約24時間冷却効果が続くと言われています。
しかし、ご自宅にドライアイスのないご家庭も多いと思います。
その際は保冷剤を多めに使い、溶けたらすぐに新しいものと交換できるよう、こまめに確認してあげましょう。
棺や箱などに安置する
保冷剤やドライアイスで冷却しやすいように、少し大きさに余裕のある箱を選びましょう。
ご自宅に手頃な箱がない場合、段ボールなどでもかまいません。
底がしっかりしたものを選ぶと良いでしょう。
箱の上にバスタオルやペットシートを敷き、その上にご遺体をおくと体を傷つけず安置できます。
足を内側にまげ、体に寄せてあげながら箱に置き、箱とご遺体の隙間に保冷剤をしきつめます。
この時、体全体を包み込むようにバスタオルや布を被せてあげると、冷却効果があがり腐敗を遅らせることができます。
空調やエアコンで室内の温度を下げると、保冷剤が溶けにくくなるのでおすすめです。
ペットが亡くなったら葬送方法を決める
ご遺体の処理が終わったら、自治体や民間の葬送業者を検討しましょう。
連絡を取り、葬儀の日程や流れを確認していきます。
葬送もいくつか種類があり、かかる費用や流れも変わってきます。
飼い主様のご希望や日程に合わせて葬送方法を選び、後悔のないようお見送りしてください。
葬送に関する相談を受け付けている自治体もありますので、悩まれた際はお近くの役所などに連絡してみてください。
遺骨を残す「火葬」
「火葬」は多くの飼い主様が選ばれている方法です。
自治体が行っている火葬場では、ご遺体を他の廃棄物といっしょに火葬してしまいます。
そのためお別れの時間がなく、遺骨を持ち帰れないことがほとんどです。
一方、民間の火葬業者に依頼すれば、ペットの遺骨をご家族のもとに返してくれます。
さらにお別れの時間も十分にとってくれますから、飼い主様も安心してペットと最後の時間を過ごせるでしょう。
自治体の火葬と比較するとお値段が高くなりますので、価格についてはあらかじめ業者に聞いておきましょう。
土に埋める「埋葬」
一軒家でお庭があるようなご家庭では、土にご遺体を埋める「埋葬」も選択肢の一つです
火葬に比べて費用がかからず、大切なペットをご自分の身近に感じられるのもメリットです。
ハムスターなどの小さいペットが亡くなった場合、埋葬を選ぶ方も少なくないようです。
骨壺やビニールに包んで埋葬するのも差し支えないですが、ご遺体が自然に帰るまでかなりの時間を要してしまいます。
そのため、埋葬を行う際はご遺体を布などに包んであげるのが良いでしょう。
生前の姿を残す「剥製」「フリーズドライ」
最近では、大切なペットを生きていた時のままの姿で残したいと希望する方も増えてきました。
ペットが亡くなった後にも近くで感じられる葬送方法として、「剥製葬」を選択することもできます。
剥製葬は、ペットを業者に依頼して剥製にし、生きていたままの姿で保存する方法です。
亡くなったペットへの寂しさが和らぎますし、ずっとそばにいられるのは他の葬送にないメリットです。
しかし、相場は小型犬が十数万~とかなりお値段が張ります。
剥製にするには業者に依頼し、ペットのご遺体を迅速に冷凍させないといけないため、ペットが亡くなった直後の飼い主様にとって、精神的にも負担がかかる方法と考えられるでしょう。
剥製葬を選ばれる際には、遺体の保存方法に最新の注意を払いましょう。
亡くなったペットを火葬した場合の供養方法の種類
火葬の場合、合同葬か個別葬のいずれかを選択します。
合同葬は、複数のペットを一緒に火葬します。
ほとんどの場合、ペットの遺骨が混ざってしまうため、お骨はご家族のもとに返りません。
お別れの時間が短く、費用が抑えられるのも特徴です。
一方、個別葬は合同葬に比べて値段が高くなりますが、お別れの時間を過ごせる上、お骨を返してもらえるのがメリットです。
飼い主様のご希望や価格の相場に合わせて、ご自分に合った方法を検討してみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
本記事では、ペットが亡くなってからお見送りする全ての手順をご紹介いたしました。
家族の一員であるペットを亡くすと、言い表せないほどの悲しみを感じることでしょう。
今回ご紹介した安置、冷却の手順を参考に、最後のお見送りまでペットを大切にお世話してあげてください。
現在は飼い主様の思いに応えた葬送の方法が準備されていますので、希望やご予定に合わせて色々な方法を検討してみてくださいね。
ペットとの大事な時間を過ごしながら、飼い主様が納得する形で大事なご家族をお見送りできることを心から祈っております。